今日は水曜日。
医大の研修生の美穂は今日のカリキュラムの解剖実習が前から気になっていました。
と言うのも、美穂は人には分からない自分だけの秘密があったのです。
その秘密とは、
美穂は子供の時から自分のお腹の中の内臓に異常に感じることでした。
お腹を圧迫したり、締め付けたり、おへそ深くに棒のような物を刺し込むと
気持ちが変なところへ行くような錯覚を覚えるのです。
それは、春の若葉が芽をふくような、甘酸っぱい、心地のよい感覚で、
自分であれをする時も、必ず何かでお腹の中身を責めながら頂点を迎えていたのです。
そんな美穂が医師を目指したのは自分の性癖のためでは決してありません。
本心から多くの人の病を直して人のために尽くしたかったからです。
医師になるには人体の解剖実習は必ずあることは分かっていたのですが、
いざ、本物を見るとなると、美穂の性癖も絡んでか眠れないほどに気になっていたのです。
私のお腹の中には腸が詰まっていて、その腸を刺激すると自分がどうなるのか
自分ではよくわかっています。
人体図では知っていても、実際にそれがどんなものなのか見たことなどありません。
自分では、自分のお腹の中を頭で思い浮かべて、それを想像して興奮して来たのです。
人間の体内、お腹の中にある内臓! 一体どんなものなんだろう?
6人のメンバーと一緒に解剖室へ向かって歩いていきました。
美穂は学友と普通通りの話しをしながら廊下を歩いて進んでいきましたが、
解剖室に近づくにつれて鼓動が高鳴るのをおさえきれませんでした。
今日の解剖実習は窓の外から見学するだけです。
実習で使われる「体」は病理解剖の場合、普通は薬に長く浸けられて
保存されていますから、皮膚や体つきそのものがだいぶ変化しています。
友達から聞いた話では年配の男性の体が多いと聞いていました。
研修生の解剖実習は実際に解剖室で解剖に立ち会うのが普通です。
ですが、うちの医大では初日の場合は窓越しの見学となっています。
その理由として、
以前、研修生が、解剖中に気を失い倒れたことが数回あったためです。
解剖室に隣接した見学の部屋にやってきました。
クリックして下さいね!
美穂は意を決して、窓の向こうを見つめました。
あっ!
解剖に用意された体が目の中に飛び込んできた瞬間、
美穂の体は大きな衝撃を受けました。
1
まさか、これって!
女性! しかも自分と同じ年齢くらいに見える!
薬漬けなんかじゃない! 少し前まで生きていたに違いないわ!
この体を解剖に使う!?
普通、体は新鮮なほど体内の状況がよく分かります。
特に解剖実習ともなれば新鮮な体ほど、より実態が分かるのは間違いありません。
解剖台の女性の体は、これからメスで切り開かれるためにのみの目的で仰向け状態で
大きくのけ反っています。
この白いキレイな体を切り開くなんて!
信じられないことが、行われようとしているのです。
2
美穂の視線は女性の体の腹部に集中しました。
若い皮膚は柔らかそうで、まるで生きていようです。
その腹部には内臓がぎっしり詰まっているはずです。
美穂の片手がノートから離れ、目立たないように、そっと自分の腹部へと移動します。
自分の腹部の柔らかさが白衣の上から感じられ、中身さえも伝わってきます。
私はいつも自分の内臓を色んな方法で責めて感じてきた。
そしてそのたびに中にある自分の腸を頭に浮かべ甘い世界に陶酔してきたのです。
目の前のあの柔らかいお腹の中身は私が思い描いてきたようなものなのだろうか、、?
あのお腹をメスで切り開く、、、!
柔らかくて優しい腹部が、鋭いメスで裂かれるなんて、、、!
信じられないようなことが目の前で行われようとしているのです。
そして、美穂は
まるで自分の腹部を切り開かれるような、そんな感覚に襲われ始めるのです。
もし、私があの女性だったら、、、、
私のお腹はメスで切られ、開かれ、そして中身の内臓は摘出される。
美穂の頭の中に色んな光景が浮かび上がって、どんどん変な気持ちになっていくのです。
3
メスが鳩尾の上部から真っすぐに下方に進み恥骨のところまで下ろされます。
美穂は、まばたきもせず、息もせず、じーっと解剖室の様子に見入ります。
お腹の表面の柔らかさでメスはお腹を沈み込むように進んでいきます。
ああ~、、お腹が、、、柔らかいお腹をメスが切っていく。
おへその処も切られる、、、
そして、メスが通った後には、一本の線がかすかに浮かびあがっていきます。
切ったの!?
本当にお腹を切ったの?
今度はメスが小刻みにお腹の皮を切っていき、切れたお腹の皮を
指でめくりながら、もう一度同じところをメスが進みます。
まるで、魚のお刺身を作っているような慣れた手つきです。
白い線がじわ~っと広がって黄色に変わっていく! 脂肪です。
人間の体の皮膚の下には黄色の脂肪がしっかりと付いているのです。
私の腹部にも、あの黄色の脂肪があるんだわ!
お腹が柔らかいのは中身が柔らかいためだけと思っていたのですが、
実際はあの脂肪が柔らかくしていることを美穂は認識しました。
クリックして下さいね!
そして、お腹の一枚の皮は厚みのある二つの皮に分かれ、その間から
ピンク色の鮮やかな物が見えました。
小腸!
あれが、小腸!
小腸が見える!
ぐねぐねして光沢のある柔らかい小腸が女性の体の腹部から
弾力を持って出てきたのです。
美穂は一瞬、目の前が揺れるような錯覚を覚えました。
あ~ 私の体が変、、、、
体が熱くなってきているのに気が付きました。
どうしたんだろう? 私、 熱がある!
暑い。 まるで真夏のように暑い!
全身からじわ~っと汗がにじんで来ているのが分かりました。
4
メスで開いた腹部の皮が両手で大きく開かれます。
腹部の皮はまるで中にある内臓を包む袋のように見えました。
美穂は今までは、お腹と中身は1つのものと感じていたのですが、
お腹は内臓を包む袋だったのです。
お菓子で言えば、
お腹は綺麗な包装紙で、中には甘いグッミーがいっぱいあるみたいな感じです。
そのグッミーに当たる内臓が、左右に大きく開かれたお腹の中からぐねぐねと
大量に出てきたのです。
その光景は美穂にとってもう耐えられない興奮でした。
いつも想像していた自分の内臓がそこにあるのです。
目では見れないけど毎日自分の手でその存在を確認し、
優しく強く責めて絶頂を迎えていたお腹の中の物です。
内蔵ってキレイ!
自分の物ではないにしても、同じ年頃の女性の内臓です。
自分のと同じはずです。
私のお腹の中にも、あれと同じような内臓があるんだわ!
あれが、本物の内臓なんだ!
想像よりもキレイで神秘的な物のように感じました。
美穂は、お腹に添えた片手に自分の内臓を感じていました。
あ~ 私のこのお腹の中にもあんなのがある! よかった!
女性の腹部の横隔膜が大きくめくられました。
5
めくられた横隔膜の下にはピンク色のぷりぷりした腸が一斉に顔を覗けました。
あああ、、、
あれは小腸。 小腸がぐねぐねと女性の腹部の中で泳ぐように動いているのです。
生まれて初めて見る人間のお腹の内蔵に美穂は圧倒される思いでした。
同時に、その綺麗な腸が美穂の体の中にある何かを強烈に刺激して、
だんだんに呼吸が早くなっていくのです。
何故か自分の内臓を責められている錯覚に陥ったのです。
ああ、、、 いけない! 我慢しないと!
耐えないといけない! 絶体に耐えないと!
みんなが居る。
こんな状況で自分の性癖を間違っても人に見破られでもしたら、
もう、絶体に取り返しはきかない。
でも何故、今日に限って、私と同じような女性の体が使われるの?
まるで私が解剖されているようじゃない!
それも今日は、腹部だけの解剖なんだとさっき聞かされた。
お腹だけの解剖だなんて、、、私はいいけど、、
話によると、
この女性の希望だとか、、、、!
え!
そんな?
まさか、
この女性は私と同じ内臓に感じる人だったのかもしれない!
そんなことあるはずない!
あり得ない!
でも何故?
普通はのどの下からメスを入れて胸部も切るはずなのに、
お腹だけなんて、、、?
6
解剖医の手が女性の体の奥深くまで手を突っ込んで、
お腹の奥の方にある腸を掴んでえぐりだし始めました。
あああ、、 あんなに深くお腹の中に手が入れられてる。
いつも美穂は自分のお腹の一番奥に手先を突き込んで、その奥の腸を刺激して快感を
覚えているのです。
ですが、そんなのとは比べ物にならない本当に一番奥に手が入り込み、しかも
その奥にある腸をわしづかみにして外に引きずり出しているのです。
もう美穂の体は耐えられないほどに熱く、全身に汗がにじみ、あそこからも汗が
滲み、流れんばかりです。
ああ、、、いけない! こんなことになるなんて、、、
もうやめて! 耐えられない!
そんな美穂の気持ちにお構いなく、
解剖医は女性の腹部の腸を、まとめて腕に抱え込むようにして引きずり出しています。
腸はまるで生き物のように、その腕の隙間をくぐってぬるぬる下に落ちていくのです。
美穂は気が遠くなるのを必死でこらえています。
美穂は、その時、ふと女性の足元に目が行きました。
左親指に白い札がぶらさがっているのが目に入ったのです。
クリックして下さいね!
番号が見えます。22番
その下に名前らしき文字も見えます。
美穂の視力は2.0でとても良く見えます。
女性の名前が書いてあるんだわ、、、、
何気なく見たその名前は、
山内美穂
え!
そんな、、、、、!
そんな偶然があるの!
そんなバカなことってあるはずない!
この女性の名前は山内美穂ってこと?
私の名前と同じじゃない、、、、?
いくらなんでも、同姓同名なんてありっこないわ!
番号は22番 もしかして年齢なの?
私も22歳!
まさか、
まさか! この女性は私!
美穂は解剖台にのけ反った体の顔を必死で見つめました。
あごが上に向いてて顔は確認できません。
耳の下にほくろがあるはす。
あ! ほくろがある! あの体は、、、!?
私が解剖台の上に居る! 間違いない!
今解剖されているのは私ってこと?
私のお腹がメスで切り開かれている!?
私が今解剖室で解剖されてる!
あの内臓は私自身の物なの?
私の内臓なんだわーーーーーあ!
きゃーーーーーーーーーあ!
つづく
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