前回のストーリー ⇒ 森での出来事 推測(老人との生活)
おじいさん!
私の全ては、おじいさんの物です。
今宵、私は、おじいさんの物になります。
身も心も、
そして内臓も責めて下さい。ぐちゃぐちゃにして下さい。
おじいさんが、いくら拒否しても私からそ~します。
おじいさん、
今、やっと出会えました。
おじいさん、私です。
私は、着物の純白の下着のまま、おじいさんの書斎に
ゆっくりと廊下を歩いて行きました。
・・・
体が、じ~んと熱くなっていくのを感じました。
思わず片手を下腹に沿えました。
あ~
この中にある物、そして私の身も心も全ては、おじいさんの物。
やっと出会えたんだわ!
ず~っと探し求めて来た人が、この書斎の中にいる。。。
私には以前の記憶がありません。
ですが、間違いないのです。
互いに、探し求め、追い求めて来た愛が、
今やっと結ばれるのです。
私は、書斎の扉を軽くノックしました。
じ~っと中の様子を扉越しにうかがいます。
・・・ し~ん
返事がありません。
もう一度、少し強くノックをしました。
・・・ し~ん
やはり返事がありません。
おじいさん、私です。
絹江です。
・・・ し~ん
・・・ ?
クリックして下さいネ!励みになります。
おへそは、いや!やめて下さい
この時間はいつも書斎にいらっしゃるのに、
何故、返事がないのでしょう。。。
おじいさん、
入ります。
私は、そ~っとドアを開けました。
・・・ ?
居ない!
アトリエかもしれないわ。。。。
きっとそ~だ、、、
おじいさんは、時々遅くまで仕事をされることがあります。
私はアトリエに向かいました。
あ~ 体が熱い、、、、
私は、建物の東にあるアトリエに向かって歩きました。
おじいさんは、仕事熱心なお方です。
無理をされないように陰ながら心配はしているのですが、
私はおじいさんのお仕事に一切口を出したことはありません。
途中の廊下からアトリエ方向を見ると、
灯りはついていません。
それでも、
私はアトリエに向かい、その扉を軽くノックしてみました。
・・・ し~ん
扉を開けて中に入ります。
やはり、居ません。
・・・ てことは、、、
もう休まれたんだわ!
じゃあ、寝室だ!
間違いないわ!
それしか考えられない!
おじいさんは、
もうお休みになったんだわ!
私の足は止まりません。
おじいさんの寝室に向けて歩き出しました。
あ~ お腹が、、、変
きっと、これから起こることを想像してでしょう。。。
その時、思いました。
私はなんてHな女でしょう。。。
こんな下着姿でおじいさんの寝室に乗り込んじゃうなんて。。
自分でも信じられません!
ですが、抑えることは出来ません。
私は今宵、この身も心も全てを、おじいさんに捧げたい!
おじいさんだけの物になりたい。
それが私の強い願いです。
おじいさんの胸の中に飛び込ませてください。
そして、私の全てをおじいさんだけのものにして下さい。
あ~ もうすぐです。
私は、一瞬、あの森で、おじいさんに助けられた時の事を
思い浮かべていました。
それは、私の命を救うための救命措置でした。
私の全身の肌を、隅から隅まで、あの舌が
這いずり回るのです。
あの、ねちゃ~っとした感触が蘇って来ます。
汗まみれのベトベトの汚れた私の体を、
あの粘っこい舌が、
ぬる~~~~~~~~~~~~~~~~う~
ねちゃ~~~~~~~~~~~~~~~~~あ~
ぺちゃ、ぺちゃ~~~~~あぁ~
あ~ 吸い尽くされる~ 体が、、、溶ける~
・・・
そして、
お腹の中で連なった腸が、
ぐにゅ~~~~~~~っと大きく動かされるのです。
にゅちゅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~う~
あ~~~~~~~~~~~あぁ、、、、、
体が、、、熱い、、、、、
・・・ もうこれ以上は耐えられません。
・・・ 思い出しただけで狂いそうです。
・・・
寝室の前に来ました。
ドキドキ、、、、
私は、扉の前で腰を落とし、おじいさんに声をしました。
おじいさん!
私です。 絹江です。
お休みの処を失礼します、中に入ります。
絹江を中に入れてください。
私は、おじいさんの返事を待たずに、
寝室の扉を静かに開けて中に入りました。
・・・ ?
・・・ し~ん
・・・ ?
いません。。。
私はおじいさんの寝床に近寄って、
お布団を手で触ってみました。
お布団が温かい。。。私はその中に入りました。
あ~ 温かい、、、おじいさんの匂いがするわ。。
私は何度も大きく息をし、その優しい匂いを
胸いっぱいに吸い込みました。
あ~ 体が、、、熱い
絹江を抱いてください。お願いします。
私は、そのお布団を抱きかかえるようにして
ず~っとそのままでいました。
信じられないのですが、一人で悶えていたのです。
・・・
このお布団の中に、つい先ほどまでいらっしゃったんだ。
間違いないわ!
でもどこに行ってしまったの?
体の熱気で湿っぽくなった布団の中で、
私はおじいさんの居場所を考えていました。
私を避けて、どこかに行ってしまったの。。。?
そんな~
そんなこと、あるはずないわ!
だって、
私が、急にここに入って来るなんて分かりっこない!
じゃあ、一体おじいさんは、何処へ行ってしまったの。
・・・ どこへ
・・・ ?
私は、おじいさんの身を案じました。
何か悪い予感が頭の中に浮かびました。
探さなくっちゃ!
私は、寝室を後にし、広い家の中をさ迷うように
おじいさんを探して歩きました。
おじいさんは何処にも居ません。
台所、居間、茶室、その他、幾つもある広い部屋を
必死で探しました。
探し続けました。
おじいさ~ん、何処にいらっしゃるのですか~
何処にも、居ません。。。
・・・
もう一度、同じところを探します。
お手洗いや、お風呂場、
そして、私の入ったことない物置の中まで探しました。
私は、広い家の中を息が切れるほど何度も小走りに
探し続けました。
汗が、滲んでくるのが分かりました。
でも、おじいさんは、何処にもいません。
息が切れてきます。
結局、おじいさんの温もりのある
寝室へ戻ってきました。
寝室に有った小さな台の上に座って、途方に暮れていました。
・・・ どこなの?
でも、きっと戻られる!
私は、おじいさんの帰りを待つことにしました。
おじいさんは、何処に行ってしまったのでしょう?
こんなに探しても、屋敷の何処にも見つからないなんて。。?
確かに、さっきまでここにいらっしゃった。
寝床の温もりで間違いありません。
この寝室にいらっしゃった気配も感じられました。
・・・ どこへ?
と、その時、
私の頭に、ある場所が浮かんで来ました。
・・・ !
ラベンダーの花
ラベンダー畑だ!
きっと、そこに居る!
私は、寝室を飛び出し
ラベンダー畑が見える茶室の廊下に向かいました。
茶室から月明かりが障子の外を照らしています。
私はその障子にゆっくりと歩み寄り、
ス~ッと静かに両側に開けました。
・・・・
そこには、月明かりに照らされた、
おじいさんの姿がありました。
おじいさんが、ラベンダー畑に向かって
立っていました。
月明かりでラベンダ畑が輝いています。
そして、そこにおじいさんが後姿で立っています。
まるで、くっきりと浮き上がる様に輝いています。
おじいさんが居ました。
でも、
・・・ ?
ど~されたんでしょう?
その後姿は、
とても淋しいそうに見えました。
・・・
なんと淋しそうな背中なんでしょう。
私は、声を掛けられず、静かにおじいさんを
見つめたままでいました。
・・・ おじいさん、、、
おじいさんは泣いています。
私には直ぐに分かりました。
あまりにも悲しそうな姿です。
私の胸は締め付けられるように痛みました。
何も言えず、じ~っとその姿を見つめていました。
私の目からも涙がポロポロと落ちて来ました。
・・・・・
おじいさんが、泣いている。。。
私の知らない何かがあったんだわ。。。
お仕事で大変なことが起きたのでしょうか。。。?
私には想像も出来ません。。。
ど~したらいいのでしょう?
私に出来ることは何一つありません。
私は、その時思いました。
私は自分の事しか考えていないんだ。
おじいさんには色んな事情があるんだわ。
きっと、つらい事や悲しいこともいっぱいあるんだ。
それなのに、私は自分の性欲を抑えきれず、
勝手な想像を巡らせて、しかも
一方的な行動をしていただけなんだわ。
・・・
おじいさんの事をもっと想ってあげなあげなくっちゃならないのに。
こんな時にこそ、お役に立ちたいのに。
私には何もできません。
私は、つくづく自分がイヤになりました。
ごめんなさい! おじいさん! 許して下さい!
やっぱし私は自分勝手でした。
未熟でした。
おじいさんの好意に甘えてばっかしでした。。。
・・・
おじいさんが、こんなに一人で涙を流していらっしゃるなんて、
私は知りませんでした。
余程、つらい思いをされているのでしょうね。
今日の私の身勝手な一方的な思いを許してください。
あさはかでした。
今の私には、ど~すれば良いかなんて分かりません。
私は、広い縁台から、静かにラベンダーの庭に降りて行き
おじいさんの傍らに寄り添いました。
・・・
おじいさん、大丈夫ですか?
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あっ! お市様!
お市様が私に言われた通り、自分に素直に生きてまいります。
このラベンダーの花と伴に私は生涯をかけて
この想いを貫いてまいります。
お市様の、無の茶を決して忘れはいたしませぬ。
お市様、
時を超えて、きっとたどり着いて見せます。
ですが、今の状態は、真にたどり着いたとは言えませぬ。
本人の目覚めがありませぬ。
しかも、時のねじれが互いを遮っています。
・・・
・・・・・ ?
・・・
おじいさんが、何を言ってるのか全く分かりませんでしたが、
おじいさんの、目から涙がほうを伝って、
いっぱい流れていました。
私は、そんなおじいさんを、優しくそっと両手に包みました。
私の目からも、いっぱい涙が溢れてきました。
お市様! ありがとうございます。
・・・
・・・・・ お市様?
・・・ ?
おじいさん!
絹江です。
・・・
・・・
・・・
・・・
おじいさんは、ふと我に返られたようでした。
・・・
絹江さん?
はい!
・・・
・・・
絹江さん?
はい!
絹江です。
・・・
申し訳ない、
変なことを言ったかもしれんね!
許してくれ!
・・・ 私は両腕をおじいさんに掛けたままでした。
あ! 私、すみません!
そ~言って、
慌てて両腕を離そうとしました。
すると、おじいさんの両手が私の腕を外側より
引き止めて、
絹江さん!
もう少しこのままでいてくれないか。。。
・・・
はい、
・・・
おじいさんは無言で、そのままの状態の私の背に
そっと手を回して、
私の体を少し引き寄せるようにしました。
そして、
おじいさんは何度か大きく息を吸い込みました。
私は、それによって少しでもおじいさんの悲しみが
和らいでくれたらいいなと思いました。
でも、直ぐに
おじいさんは私の体を離して言いました。
いや、悪かったね!
つい年甲斐もなく変なことをしてしまったよ!
絹江さん! 申し訳ない!
・・・
処で、絹江さん!
明日、私と一緒に公園にでも行ってみないかね?
公園は直ぐ近くだし、
外出と言っても特に人に会うわけでもないから心配いらんよ!
それに、
私の足でも歩いて行ける処なんだよ。
ただ、公園に行っても、散歩をするくらいしかないんだがね、
気晴らし位にはなるよ!
外出は避けていましたが、
その時は行ってみようと思いました。
あ、はい。
分かりました。
では、私、お弁当を作ります。
おにぎりとか、卵焼きの簡単なお弁当ですが。
いやーーーーーーーーーーーーーーあ!
それはいい!
絹江さんの手弁当か~
それ以上のものはない!
楽しみだよ!
はい、
私も、楽しみです。
そ~と決まれば、
もう寝たほうがよさそうだね!
さあ、明日のためにお互いに眠よう!
はい!
分かりました。
———————
クリックして下さいネ!励みになります。
絹江さんと茶室の前で別れた後、
私は、寝室に向かいました。
寝室の扉を開けると、直ぐに気が付きました。
ほんの微かに漂う、あの刺激的な香り!
私は、この匂いをず~っと追い求めて生きて来たのです。
絹江さんの体の匂いです。
私はこの匂いに敏感です。
この寝室に絹江さんが居たのか!
でも、何故?
寝床に入って眠ろうとしました。
その寝床の布団の中から、絹江さんの生温かい
体の匂いが私を包み込んで来ます。
これは?
熱く燃えるような、しかも濃い体の匂い!
あの美し過ぎる体の匂い!
絹江さんが、この寝床に入っていたのか?
・・・ ?
まさか、
こんな私に許すと言うのか!
・・・
いけない!
真にたどり着かなければ。。。
私はそ~決めたはずだ! それが私の純愛なんだ!
・・・
あ~ でも、この匂い。
昔、私の全ての脳細胞に突き刺された針が一気に
刺激されていきます。
あ~ なんと言うことなんだ、、、我慢が出来ない!
絹江さんの体の匂いが私に襲い掛かって来る!
頭が変になりそうだ。。。。
私は老人だ!
だのに、こんなにも興奮して強烈に硬くなっている。
先程、ラベンダー畑で、その体を思いっきり引き寄せ
その肌の中にどんなに埋もれたかったか知れない。
もう少しで理性を失いかけてしまった。 あ~
私は布団を抱きしめたまま悶えに悶え、狂ったように、
何度も行ってしまいました。
・・・
恥ずかしい話です。
いつも紳士ずらをしていながら、心の中では
年甲斐もなく、絹江さんの肉体を本能的に求めている。
そればかりではない、あの悩ましい腹部内の内臓を
いつも頭の中に思い浮かべているのです。
何と言う男なんだ!
でも、私は真に彼女にたどり着いて見せる。
この愛は400年以上前からの見えない糸で
結ばれた大切なものなのだから。
——————— 公園で
おじいさん、
芝生がとってもキレイですね。
自然の息吹が漂っています。
色んなお花だって咲いています。
やっぱし、自然に触れるのっていいですね。。。
私は、ず~っと不安で外出をするのを嫌がっていましたが、
おじいさんと一緒なら安心です。
それに色んな所にカップルが居てて、
とっても楽しそうだわ~
絹江さん、
私たちの格好はみんなに、ど~見られてるんだろうね~
2人伴、着物姿だよ!
それに、若い美しい娘さんと老人だよ。
釣り合っていないし、場違いの感じもするんだがね~
絹江さんも、あんな若い男の人がいいだろうに、
こんな老人で、悪いね~
ううん、、
私は、おじいさんが良い!
それに、恰好なんて気にしません!
私は、他の人からど~見られても気にしません。
私は幸せです。
おじいさん、
向こうの木陰に行きましょう!
ビニールシートを引いて、お弁当を食べましょう。
お菓子も飲み物もいっぱい持って来ちゃいました。
あ~ 嬉しい~ おじいさん、見てください!
私は楽しくて、はしゃいでしまいました。
着物姿で芝生の上をぐるぐると回ったり、
その場を飛び跳ねたりしました。
・・・
ハッ! ハッ! ハッ!
絹江さんは、元気がいいね~
君は、キラキラと輝いているね!
私も若返るようだよ。
こんな気持ちは随分と久しぶりだよ。。。
天気もいいし、気持ちも晴れ晴れするね~!
じゃあ、この辺りにシートを広げちゃいますね。
そ~言って私は、手提げ籠の中からシートを取り出して
大きな木の木陰に広げました。
・・・
おじいさん、
とっても素敵な場所ですね。
空気もキレイだし、緑に囲まれてて、
私、ここへ来て良かったです。 にこにこ、、
絹江さんが、
そんなに喜んでくれて私も嬉しいよ!
・・・
と、その時です。
5~6人の変な感じの男の人たちが、ガヤガヤと
うるさい声を上げながら向こうから歩いて来ます。
そして、何故か、
私たちの広げたシートの直ぐ横にくっ付けるようにして
シートを広げました。
・・・ ?
なんだか私たちを見て、ニヤニヤ笑っています。
感じの悪い人たちです。
普通とはどこか違った感じの人たちでした。
・・・
絹江さん、
場所を変えようか。。。
はい!
私は直ぐにシートをたたんで、別の木陰に
おじいさんと一緒に場所を移動しました。
・・・
さあ、ここでいい。。。
はい!
私は、たたんだシートをさ~っと大きく広げて
その中に荷物を降ろしました。
・・・
・・・ え? 何故なの?
先程の人たちが又やって来て、
又私たちのシートの横にくっ付けるようにして
シートを広げました。
・・・ 私はイヤな人たちだな~っと思いました。
おじいさんは、怪訝そうな顔をしましたが、
絹江さん、
場所を変えよう!
他の場所に移動しよう!
はい!
私は、又シートを折りたたんで、籠の中に入れました。
私は、段々と不安になって来ました。
明らかに、
わざと私たちの横にシートを広げているのです。
私たちは、一旦公園の中の道に出て歩き、
今度はかなり離れた処の木陰まで移動して
シートを広げました。
これだけ、離れたんだから、もう、来ないですよね!
・・・
・・・
処が、又しても、その男に人たちがやって来て、
私たちのすぐ横にシートを広げました。
明らかに私たちの後を追って来たのです。
私たちを見て、ニヤニヤと笑っています。
。。。 いや~な笑いです。
身なりも変な感じでした。
・・・
おじいさんが、男の人たちに向かって言います。
君たち!
私たちは、2人でゆっくりとくつろぎたいんだよ。
何も私たちの横に来なくても良いんじゃないかね!
シートを敷く場所は、他にもいっぱいあるだろう!
他の場所に行ってくれないか!
ハッキリ言って迷惑なんだよ!
なにーーーーーーーーーーーーーーーーい!(大声)
他へ行けだと~~~~~~~~お!
迷惑だとーーーーーーーーーーーーーーお!
一人の大きな体の男が奇声を発しました。
・・・・
きゃ~!
私は、ビックリして思わず声を上げ、
おじいさんの後ろに隠れました。
あ~ 怖い~!
この人たち、なんなの。。。?
・・・
おい! じじい!
シートをどこへ敷こうが、俺たちの勝手だろ!
それともシートを敷くなって決まりでも
あんのかよ~!
・・・ すっごい怖い顔をして、おじいさんを睨みます。
・・・ おじいさんは、ひるまず言います。
そんな決まりはないと思うがね。
だからと言って、我々のすぐ横に敷く必要も
ないんじゃないのかね。
私たちの後を、わざと追ってるんじゃないか!
私たちは、2人でゆっくりと楽しみたいんだ!
邪魔はしないでくれたまえ!
男の顔色が変わって行きます。
は~~~~~~~~~~~~~~~~あ!
邪魔だとーーーーーーーーーーーーーお!
おい! じじい!
言ってくれるじゃね~か!
いつ、俺たちがお前らの邪魔をしたってんだ!
シートを何処へ敷こうが、俺たちの勝手だ!
場所に決まりがね~なら、俺たちはここがいいんだよ!
それに、
そこの可愛いね~ちゃんと仲良くして~んだよ!
何事も仲良くやるっていうのは、いいこどだろ~が!
おい!ね~ちゃん!
俺たちと仲良くやろ~ぜ!
こっちへ来いや!
楽しませてやるからな!
・・・ え!
・・・ 私は連れていかれるの? 怖い
その体の大きな男が私に向かって
歩いて来ます。
あ~ 怖い~ 連れて行かないで~
私はおじいさんの背中にしがみつき、
恐怖のあまり全身がブルブルと震えました。
・・・ この人たちの狙いは私なんだわ!
あ~ 私、ど~なっちゃうの、、、?
私は、おじいさんの背中に顔を埋めます。
おじいさんが、
両手を広げて男の前に立ちはだかります。
私の体は固まったままで動けません。怖い、、、
・・・ おじいさんが言います。
止めたまえ!
この人に指一本も触れさせないぞ!
じじい!
てめ~にはもったいね~んだよ!
俺たちが、可愛がってやるって言ってんだ!
引っ込んでろ!
・・・
おじいさんは、杖を男に向けて言いました。
この人は私の命より大切な人なんだ!
お前たちのようなチンピラに渡すわけにはいかない!
・・・・
ハアーーーーーーーーーーーーーーア!
命より大切ーーーーーーーーーーーーーーーーウ!
キャハ、ハッ!
アッ! ハッ! ハッ! ハッ!
おい、今の聞いたかよ!
命より大切なんだってよ~
おもしれ~ じゃあ守ってみろや!
じじい お前に何が出来るってんだ!
やってみろや! 守ってみろ!
俺たちの事をチンピラ扱いにしゃ~がって!
じじいだからと言って、
容赦はしね~ぞ!
そ~言うと男は、おじいさんの杖を大きな腕で
ハネ退けました。
バーーーーーーーーン!
杖が、芝生の上を滑るように飛んで行きます。
気に入らね~ じじいだ!
俺たちの事をチンピラって言ったよな!
許さんぞ!
これでも食らえ!
男の拳が、おじいさんに向かって殴り下ろされます!
・・・ ぶ~ん
・・・・ ?
ん?(男)
・・・
・・・
細い手が大男の太い手首を掴みました。
・・・
なんだ?(男)
・・・
・・・
・・・
止めな!
・・・
ん~ん、ど~なってる?(男)
手が動かね~
おい! 女! 手を離せ!
痛て~じゃね~か。。。
ギューーーーーーーーーウ!
痛てーーーーーーーーーーーーーーーーーーーえ!
女! 手を離せって言ってるだろう!
おいチンピラ!(私)
クラゲみたいな顔しゃ~がって、
その薄汚ね~ツラさげて、とっとと消えや~がれ!
ほら! 手なら離してやら! それっ!
・・・ ぼん!
男は手首を体で抱え込むようにして撫でながら、
な、なんてバカ力な女なんだ!
痛ててて、、、
おい! 女!
女だからと言って容赦しね~ぞ!
俺たちを誰だと思ってんだ!
金城組の者だぞ!
・・・
ほ~ (私)
知らね~な!
金城か銀城かバカ城か知らね~が、
てめ~らのような、ろくでもね~阿呆はあっち行ってろ!
ほら、しっ! しっ!
空気が汚れる! 消えろ!
・・・
男が私を睨みつけます。
くそ~~~~~~~~~~~お!
おい! 女!
今、なんて言ったんだ!
はて、なんて言ったかな?
バカ、阿呆、くず、の~たりん、、、
どれも同じだ!
お前の事だ!
くそ~ バカにしおって!
女だからと言って、容赦しね~ぞ!
これでも食らいな!
興奮した男が私に殴りかかってきました。
拳は空振りで宙を舞います。
ん?
・・・ ?
いね~? どこだ? どこに行った? キョロキョロ、、
・・・ ?
クラゲ、私は後ろだ!
女、てめ~ いつの間に?
おい! クラゲ! 悪いことは言わね~
止めておくんだな!
くそ~ 小癪な女だ!
俺を誰様だと思ってるんだ!
クラゲ!
お前は、単なるバカずらした、
阿呆の脳タリンのイカレたバカクラゲだ!
もう1つおまけだ!
てめ~は、カスだ!
カスなんだよ~~~~~~~~お!(大きな声)
なんだと~~~お、、、
人をカス呼ばわりしてタダで済むと思ってるのか~!
カスにカスと言って何が悪い! カス!
・・・ 私は、瞬きせずにぐっと男を睨みました。
なにーーーーーーーーーーーーーーーい!
言わせておけば、生意気な女だ!
可愛いからと言って許さんぞ!
おい、バカクラゲ、
それって私をほめてんのかよ!
この野郎~~~~~~お、、、、
バカクラゲが私に向かって、拳を握って
猛烈な勢いで殴りかかってきます。
・・・
あれ? いね~
一体、ど~なってんだ?
なんで消えるんだ! 女は何処だ?
・・・
兄貴~ 後ろです!
くそ~~~~~~~~~~お!
もう許さん!
逃がさんぞ~~~~~お!
これでも食らえ~~~~~~え!
バカクラゲの拳が飛んで来ます。
私はその手首を掴んで投げ飛ばしました。
しゅっ! ドーーーーーーーン!
ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ!
痛--------------------え!
バカクラゲの体が宙を舞い、
強烈な勢いで芝生に叩きつけられました。
だから言っただろうが、
止めな! とな
痛て、てて、、、え! ク~~~~~~ウ!
何がど~なってんだ!
おい、お前ら、なに見物してやがんだ!
みなで、その女をやっつけろ!
やれ~~!
5人程の男が一斉に私に向かって殴りかかってきます。
。。。。
一瞬の事です。
・・・
ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーあ!
うわーーーーーーーーーあ!
うぎゅーーーーーーーーーーーーーーーーーーう!
痛------------------え!
ウエーーーーーーーーーーーエ!
ドン! ドスン! バタン! デン! ドカ!
男どもが、一瞬にして芝生の上に投げ飛ばされて
転げて、変な格好で、起き上がれずに芝生の上でもがいています。
ひえ~~~~~~~~~~~~~~~え!
何が起こっちまったんだ~~~~~~~あ!
バカクラゲが言います。
おい! お前ら!
俺たちが、こんな女1人に負けるわけね~
女と思って油断してただけだ!
全員で、1度にかかれ~! やっつけろ!
さあ、やれ~~~~~~~~~~え!
よし、みんなやるぞ! おう!
転がってる5人の男が立ち上がり、一気に
私に向かって襲い掛かってきました。
私は、右手を広げて、男たちに向けて
えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!
一瞬腕を伸ばしました。
すると男たちは、まるで木の葉が舞うように
吹き飛んで、芝生の上に叩きつけられました。
ド、ドーーーーーーーーーーン!
うぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ!
男たちの悲鳴が聞こえました。
ど~なってるんだ~~~~あ?
殺されるーーーーーーーーーーーーーーーーう!
・・・
お、おい! 女!
そこまでだ!
この じじいの腕が折れても構わんのか?
ふと、横を見ると、
バカクラゲがおじいさんの片腕を握っています。
・・・
・・・ ん?
おい! バカクラゲ!
お前の腕が折れてもいいのかよ~!
・・・・?
あれ?
ハーーーーーーーーーーーーーア!
嘘だろう~~~~~~~お!
じじいと女が入れ替わってんじゃね~か。。。
しかも女が俺の手を後ろにねじ上げてる!
・・・
女! いつの間に、俺の腕を取っちまったんだ!
信じられね~
私は、バカクラゲの腕をぎゅ---っと締め上げました。
痛てーーーーーーーーーーーーーーーーーえ!
痛て~え!、イタタ、、、、イテーーーーーーーエ!
放せーーーーーーーーーーーーえ!
痛て~じゃねか! 放せーーーーーーえ!
おい! バカクラゲ!
腕をヘシ折ってやろうか、
それとも、根っこから引き抜いてやろうか?
好きな方を選びな!
ひえーーーーーーーーーーーーーーーーーーえ!
止めろーーーーーーーーーーーーーーーーーお!
止めてくれ~~~~~~~~~~~え!
バカクラゲの体がブルブル震えています。
顔面は真っ青です。
顎がガタガタ震えて歯の噛み合う音が聞こえます。
・・・
おい、バカクラゲ!
私と仲良くして~んだよな!
楽しませてくれるんだってな!
私は、これくれ~じゃ足りね~ぞ!
もっと、仲良く楽しも~ぜ、、、
ぎゅーーーーーーーーーーーーーーーーーーう!
ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーあ!
折れっちまう~~~~~~う!
腕が折れるーーーーーーーーーーーーーーう!
痛てーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーえ!
腕を折ってから、根っこから抜くか。。。
ギュ------------ウ!
ぐあーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ!
ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーあっ!
止めろーーーーーーーーーーーーーーーーーーお!
助けてくれーーーーーーーーーーーーーーーーーえ!
痛いか? クラゲ?
少しは、人の痛みが分かるだろう!
取り消す!
さっきの言葉、取り消す!
だから、頼む! 助けてくれ!
俺の腕を放してくれーーーーーーーーーえ!
・・・
そら! 放してやる。
そ~言って私はバカクラゲの体を向こうに
転がっている仲間の方に、放り投げました。
バカクラゲの大きな体は吹き飛んで、
ど~ん! 仲間の中に墜落しました。
ぐ、ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーあ!(痛そう)
わ~~~~~~~~~~~~~~~~~~あ、、、
兄貴~~~~~~~~~~~~~い!
・・・
私は、
芝生の上にあった、おじいさんの杖を拾って、
男どもに向かって歩いて行きました。
そして、杖を男どもに真っすぐに向けました。
・・・
うわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ~!
ひえ~~~~~~~~~~~~~~~~~~え!
男どもは芝を這うようにして後ずさりしました。
・・・
おい!
バカクラゲ!
まだ私とやろって言うのか?
・・・
男どもの顔が強烈な恐怖で引きつっています。
お前ら、
いいか、耳の穴、おっぴろげてよ~く聞きゃあがれ!
お前たちのやってることはな、くずがやることだ!
男のやることじゃね~!
弱い老人や、か弱い女に、大の男が何人もかかって
暴力を振るうなんてな、
この私が許さね~ (大声)
ひえーーーーーーーーーーーーーーーーーえ!
まだやるってんだったら、
この私が相手だ! 容赦しね~!
本気で、ぶっ殺すぞーーーーーーーーーーお!(大声)
ヒエーーーーーーーーーーーーーーーーーエ!(男たち)
男たちは、あまりの恐怖で
悲鳴を上げて、両腕で頭を抱え込んで、
その場にうずくまってしまいました。
おい! バカクラゲ!
お前は兄貴分だろう!
お前が率先して人の迷惑や弱い者いじめをして
恥ずかしいとは思わね~のか?
弟分を人に尊敬される人間にするのが
お前の役目だ!
いいか!
もしこの次に同じことをやるよ~なら、
この私が、相手だ!
ただ言っとくがな、
お前らが何十人掛かって来よ~が、
私を倒すことなんて出来やしね~
それでもやろってんなら、
その時は、容赦しね~ 覚悟するんだな!
お前ら、本当に死ぬぞ!
分かったかーーーーーーーーーあ!(大声)
ひえーーーーーーーーーーーーーーーーーえ!
返事をしゃ~がれ! (大声)
はーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!
兄貴!
脅しじゃね~ あの女だけはヤバイです。
早く逃げましょう!
あいつは人間じゃね~ バケモンです。
この芝生を見てください!
こんなにえぐれてます!
俺たちマジで殺されます!
俺たちのかなう相手じゃありません!
直ぐに逃げましょう!
おい!
そこのキンピタゴボウ!
お前は、強い相手からは逃げて、弱い相手には
いやがらせをするって~のか?
それが、お前の人生か?
これから先もず~っと、そ~して生きていくのか?
くだらね~~~~~~え人生だ!
もっと愉快な人生があるだろうに。。。
・・・
バカクラゲ言います。
俺はバカクラゲじゃね~
滝川ってんだ!
あいつもキンピタゴボウじゃね~ 北本だ!
・・・
教えてくれ!
お前は誰なんだ?
私か?
私はバケモンなんかじゃね~よ。。。人間だ!
・・・
だから、名前だけでも教えてくれ?
・・・
私の名前か?
実は私にも自分の本当の名前は分かんね~
でも私は、
絹江だ!
・・・
そ~か、絹江か!
絹江!
俺たちの今日の事、許してくれ!
悪かった!
みっともね~嫌がらせをしちまった!
すまね~!
・・・
私はバカクラゲの目をじ~っと見つめて、
静かにうなずきました。
・・・
絹江!
ジュースを2本置いて行く、
じいさんと飲んでくれ!
そ~言ったかと思うとバカクラゲは
皆に合図して、全員が頭を下げました。
おい、みんな~ 行くぞ!
そ~言うと
全員が全速で走り去って行きました。
・・・
・・・
・・・
私は、
おじいさんの杖を地面に真っすぐに向けたまま、
じ~っと立っていました。
・・・
・・・
後ろから、おじいさんの声がしました。
絹江さん!
絹江さん!
・・・
絹江さん、大丈夫かね?
え?
・・・
すみません。
私、芝生を元気よく飛んだり跳ねたりしたので
一瞬、頭がクラクラとしまいました。
あれ?
この杖、おじいさんのですね。
お返しいたします。
・・・
おじいさん、
私は今何をしてたんでしょう?
何かあったんでしょうか?
・・・
・・・
・・・
ああ、別に何もなかったよ、絹江さん!
・・・
あっ! 私、直ぐに、お弁当の用意を致します。
おじいさん、
私、海苔巻き弁当を作ってみました。
お口に合うかど~か分かりませんが、
いっぱい食べてください。
この卵焼きは、昆布のだし汁を混ぜています。
おにぎりと一緒に、ど~ぞ。。。
・・・
あ~ 美味しい~ パクパク、、(私)
卵焼きも美味しいし、おにぎりも実に美味しい(おじいさん)
あっ!
・・・ コロリ
おじいさんが、おにぎりを落としてしまいました。
あ~ おにぎりが~ コロコロコロ、、
私は、そのおにぎりを四つん這いで追って手を伸ばすと、
おにぎりはシートの端っこまで転がって
2本のジュースの処で止まりました。
あ~ よかったわ、このジュースがなかったら、
芝生の上に転がってゴミがいっぱい着くところでした。
このジュースが役に立ってくれました。
良かったです。
・・・
もったいないですから食べちゃいます。
私はそのおにぎりをパクリと食べました。
あ~ 美味しい、、、
そんな私に、おじいさんは優しく微笑んでいます。
・・・
あれ~?
でも、私、この2本のジュース、持ってきちゃったかしら?
・・・ ふ~ん?
絹江さん、
絹江さんは、どんな人に対しても
本当に優しい性格をしているんだね!
しかも、とっても強いんだね。
・・・ ?
急に何ですか? おじいさん?
絹江さんの瞳が、じ~っと私を見つめます。
いやいや、なんでもないよ?
(あ~ その瞳で見つめられると心が熱く燃え上がる)
夢と幻想の森