前回関連ストーリー⇒ 森での出来事 転校生(13)打ち明け

これはきっと夢の中です。
私は今、夢を見ているのでしょう。。。

だって、私は今、
机に向かって勉強をしてるはずだもん!
その私が、今は森の中をさ迷っています。

この森は今までにお腹責めや草花を求めて
幾度となく訪れている場所です。

でも何故今、
夢の中でそこに居るのかは分かりませんが、
とに角、
道から外れて木の並ぶ場所に進んで行きます。
何となく、その方向に足が進むのです。

そこは以前にも来たような気がします。
どの木にもツルが巻き付いて、辺り一面がツルだらけです。

ツルをよけながら、しばらく進むと、
信じられない光景が目の前にありました。

・・・ ?

はあ~?

嘘でしょう~?

1人の少女が腹部をツルに巻かれ木に固定されて
動けなくなっているのです。

一体、なんなの?

前回関連ストーリー⇒ ある少女の体験 (4) ツル締め

少女の腹部に荒くて硬いツルが見えなくなる程
深く食い込んでいます。
力尽きて顔をうつむけて意識はありません。
髪が垂れ下がって顔は見えません。

バッカだね~ こいつ何やってんのよ、、、

私は少女に絡まったツルを両手で引っ張り少女の体を
ツルから解放しようとしました。

・・・ ?

え? なんで?

ツルに触れられない。
つまり、ツルの実態が幻の様で物体としての
存在がないのです。
手がツルを通過しちゃう。。。

私は辺りの木々を手で触れてみました。
同じです。
まるで目に見えるものが幻影の様です。

そっか~ 夢なんだわ。 それでか~

だとしても、
この子、一体これからど~なっちゃうんだろう?
このままだとかなりヤバイわみたい。

私はしゃがんで下から少女の顔を見上げました。
きっとバカみたいな顔しちゃってるに違いないわ!

ジロ~

きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ!

ビックリ!

・・・ わ

私じゃん!
このバカは私じゃんか!
制服からして中学生、、、
中学生の私がここに居てる、、、なんで?

あ~ イヤな予感しちゃうな~
変なことに関わっちゃったらど~しよう、、
それでなくても今の私って大変なのよ~

でも、
夢ならこの辺で覚めちゃうはずだわ。
私は机に向かって勉強をしてて、
少しウトウトと居眠りしちゃってるだけよね!

変な夢、覚めろーーーーーお!

・・・ えい

・・・ ヤア! 覚めろ夢!

・・・ ダメか~

覚めない!

少女の腹部はツルで目一杯に締め付けてられています。
きっと内臓に食い込んでかなりの負担となっているはずだわ。

私は少女を見ながら腕組して考えました。
え~っと、、、
なぜ中学生の私がここに居るのか?
何故、こんな夢を見てるのか?
なぜこの少女が私なのか?

この少女が今の高2の私なら、こんなツルなんて
簡単に引きちぎってしまうはずなのに、
この少女にはそれが出来ない。

なぜ?

・・・ ?

理由は1つしか考えられません。
今の私の力がこの少女には無いからだわ。
てことは、
この少女は違った時間の中で生きている過去の私。

この少女は私だけど、過去の私ではない。
でも、過去の私ではなくても、
この状況からして、お腹の性癖だけは同じなんだ。やっぱね~
この森の中で1人でお腹責めをしちゃったのはいいけど、
ツルから逃げられなくなっちゃったってこと、、、?
私と同じ、お腹フェチか~
まあ、この子が私なら、それも仕方ないか~
ドジな奴! 何やってんのさ、あほう!

・・・

でも、
私がここに居るってことは、この少女が
私の助けを呼んだってこと、、、う~む?

ど~したらいいんだろう?

と、その時です。

ウ、、、、、、、、ぅ、、、

少女が微かにうめき声を出して
顔をあげて私を見つめました。
少女は明らかに驚いた表情です。
きっと、自分と同じ顔の私を見ているからでしょう。

・・・

あどけない顔で、
私に向かって訴えるように口を動かしました。

、、、た、、助けて、、、、

多分、
口の動きから、そ~言ってるのでしょう、、、聞き取れません。

私は少女に話しかけました。
あなた、私の姿が見えるの?

口を動かしています。。。
何を言ってるのか分かりません。

あなた、私の姿が見えるの?
私の姿が見えるのなら首を縦に振って!

・・・

少女が首を縦にゆっくりと首を振ります。

少女には私の姿が見えている、声も聞こえている。
そして衰弱し切った体で私に助けを求めています。

なんなのよ~ なんでこんな夢なの?
覚めさせてよ!
私にど~しろって言うの?
物に触れられないんだよ~
ど~したら助けられるって言うの?

少女が私を見つめたまま、ゆっくりと片手を
私の方に差し出し、私を見つめました。
次の瞬間に、
その手はだらりと地面に垂れ下がり体がぐったりと
なってしまいました。
恐らく残された最後の力を振り絞ったのでしょう。

あっ!
いけない!

私は思わず少女の体に寄り添い抱きしめました。

・・・

しっかりしてよ! ね~
ちょっと、あなた~ しっかりしなさいよ!

・・・ !

・・・ ん?

あれ?

・・・ ?

え?

あれれ~?

なに? ど~しちゃったの?

・・・

私は一瞬、何が起きたのか分かりませんでした。
体が変~な感じでした。

気が付くと、
私の体にツルが巻き付いているのです。
私のウエストにツルがきつく食い込んでいます。
内臓にツルが食い込んで腸がつぶれちゃいそう。
ど~いう事~?

これって、少女の状況と同じゃない!

ど~なってるの?

えーーーーーーーーーーーーーーーーーえ! まさか

嘘でしょーーーーーーーーーーーう?

あり得ない。。。 ど~なっちゃったの?
少女はどこに行っちゃったの?

ねえ、あんた、 どこに居るの~?
どこに消えちゃったのよ~?

・・・

え、えーーーーーーーーーーーーーーーーえ!

マジーーーーーーーーーーーーーーーーイ?

あり得ない! 信じられない

私が少女になっちゃったってことーーーーーーお?
入っちゃったの~!

少女の体の中に私が入っちゃった!

そんな~

これが少女を助けたってことなの~?
でも、これって夢だよね!
夢だから覚めちゃうよね!
早くこんな変な夢から覚めさせてちょうだい。。。

早く~~~~~~~~~~~う~

それにしても、
このお腹に食い込んだツルの感触ってすっごい
リアル!
お腹の内臓が潰れてるのもリアル過ぎちゃうわ。
自分の鼓動だって感じちゃう。

あ~ この感触、、、悪くない、、まあ快感だけど
でも、
これって本当に夢なの?
私は手でツルを触ってみました。
ザラザラとした感触で硬く感じられます。
手で間違いなく触れるわ! 手が通過しない。
これは幻影なんかじゃない!
実際のツルが私のお腹に食い込んでる。

私は両手でツルを掴み、バシッ!簡単に引きちぎりました。
私に取ってはそんなことは簡単な事です。

・・・

地面にカバンが転がっています。

私は慌ててカバンを開きました。
この少女のことを知るためです。
ってか、私の置かれてる現状を知るためです。
すっごい悪い予感だらけです。

まさか、ひょっとして、

・・・・

カバンの中の物をぜ~んぶ地面にぶちまけました。

そんな~

いやーーーーーーーーーーーーーーーーーだ~!

英・数・理・社、、などの中2の教科書が重なって
出てきました。

あの時と同じじゃん!
コスモス畑で小5の私に入り込んだ時と、
今度は中2の私なの~

 

私は足元にあった数学の教科書を開きました。
「一次関数」「合同の証明」「確率」、、、

はあ~? 嘘でしょう~ 勘弁してよ、、、
もう一度中2のお勉強をしろっていうの、、
イヤーーーーーーーア!

あっ!

テストの採点用紙があるわ!
四つ折りの紙を広げてみます。

ウッソ~ 数学36点

内容をさ~っと見ます。一次関数じゃん!
こんな簡単な問題で36点だなんて、、
何やってんのさ中2の私、、
中2の私ってバカじゃん!

ピンクの筆バコにベタベタと花とか動物のシールが
貼り付いています。
筆バコを開けて見ると、鉛筆が3本とシャープペン1本、
ピンクと黄色のマーカーと
パンダとひまわりとキティーちゃんのシールが貼られた
消しゴムが3個とゴチャゴチャ物が入っています。何だこれ?
こいつってダサ~!

カバンのチャックに手を入れてると学生証がありました。
私はそれを手に取って恐る恐る開きます。

野々村美沙、市立中学2年生
生年月日は私と同じです。
あ~ 認めたくな~あい、、、でも
間違いない!
私だわ!

てことは、3年前の私!
年齢はきっと14歳。
3年前の私に間違いない!
今はいつなんだろう?
え~っと、、、何かカレンダー的な物は~っと、、、
ノートだわ、、、パラパラとめくってみます。
汚くて幼稚な文字がいっぱい書かれています。
ノートの端にはタンポポと熊さんの絵が描かれ
マーカーで色取っています。

え~っと、、一番最近の日付は~
多分今日は、
平成29年5月8日月曜日なんだ、、、
令和じゃない。
ノートに2年E組と書いてあります。

でも、本当の私は現在高2の女子高生で
中学生なんかじゃない!

本当の私は、
変なことが一杯重なって私は現在3重人格に
なっています。
私以外の人格としてはムシ子とお市の方様で、
ムシ子の中にお市の方様が入り込んでいる。

それでなくても高2の私は今混乱しちゃってて
本来の私がどれなのかは今では良く変わらなくなっているのです。
ただ、自分としては、
ムシ子でもなく、お市の方様でもなく、
私は今この中で話している野々村美沙です。

それが何と、高2の野々村美沙(私)が
この森の中で中2のダサイ私の体の中に入っちゃった。

・・・

あ~ もう勘弁してよ~
複雑すぎて頭が混乱しちゃう、、、
これ以上私に何が起きるって言うの?
夢も冷めてくれないし、これからど~なっちゃうの私、、、?

しばらくその場に座り込んで、
これから先の事を考えていました。
ど~したらいいの?

・・・

答えは、
夢から覚めるまで
高2の私が中2の私でやって行くしかないでした。
トホホ、、、、そんな~
これから先、一体私に何が待っているのでしょう?
分かりっこありません。

ここに居ても仕方ないわ、、、
家に帰らなくっちゃ、、、、
きっと母が心配してるはずだわ、、、

私は森を離れ自転車をこいで家に向かいました。
自転車をこぎながら考えました。
確か今日、私は美香ちゃんと空手武道場で本堂監督と
剣術の手合わせをしたんだっけ、それが済んで
雨の降る校舎の入り口で美香ちゃんと2人で立ってると
缶コーヒーの奴が、私たち2人に傘を貸してくれたっけ。。。。

私はその傘で濡れずに家に帰ってご飯を食べて
お風呂に入って勉強をしてて、
ついうとうと居眠りしちゃった。。。
てことは、やっぱ、これは居眠り中の夢の中?

え~っと今日のご飯はお好み焼きで、私が鉄板の上の
お好み焼きをひっくり返した時、失敗しちゃって
キャベツと豚肉がはみ出しちゃったわ。
で、お父さんが、美沙! 何やってんだーって、、、

結局その失敗作をお父さんが食べちゃった。
ハッキリと覚えてるわ。

お父さん、お母さん!
この時代の2人はど~なんだろう?
私が暮らしてる世界の両親と一緒なの?
親友の美香ちゃんはいるの?

自転車をこぎながら段々と不安が込み上げてきました。
今私が入り込んでいるこの肉体は以前の私じゃない。
年齢も違うし、私の特殊な能力なんかも無い、
ごく普通のお腹フェチの中2の女の子です。
それも、その少女の記憶はほとんどありません。
高2の私がこの子の体に完全に入り込んでいるのです。
森であのツルを簡単に引き裂けたってことは、
私の特殊能力はそのまま維持できているようです。
それは、自分でも感覚的に分かります。

私は家の前に着いて、しばらく自転車のハンドルを
握ったまま玄関先に立っていました。
辺りはもう暗くなりかけています。

じ~っと玄関の扉を見つめたまま決心しました。

よ~し、前に進むのよ!
私は野々村美沙!
勇気と愛の正義の女戦士、セーラムーン!



————————- 家で

ただいま~~~~~~~~~~あ!
今、帰ったよ~~~~~~~~~~~お!

ダダダダダダダダ、、、、ダダダダ、、、、、

足音が近づいて来たかと思うと父と母に体を抱きしめられました。
玄関を開けると直ぐに、2人によって前後から
きつ~く抱かれたのです。

え~~~~~~~~~~え?
なに?

・・・

く、苦し~ 息が出来ないよ~ ギュー

は、離して~

ち、ちょっと、
ど~しちゃったの?
お母さんも、お父さんも、、、何かあったの?
痛いよ~ 放して、、、、
お父さんが私の頭を両手でなでなでしています。
お母さんが私のほっぺとおでこに顔をくっ付けています。

よかった、、、よかった。 本当に良かった、、、
無事に帰って来てくれてよかった、、、、心配したんだぞ~ 美沙

私はその瞬間に私の両親の全てを悟りました。
高2の私の両親がそのままそこに居ました。

・・・

お父さん、お母さん、
心配を掛けてごめんなさい。
私、学校の途中で寄り道しちゃって遅くなっちゃった。

お母さん、これあげる。
もうすぐ母の日だから。。。

私は森から離れるときに途中の道に咲いていた花を
ポケットから出しました。
ラベンダーの花です。

まあ、、、キレイだこと、、、
美沙、ありがとう!

お母さん、お花の茎が折れちゃっててゴメンね!

すると母は首を横に振ってにっこりと笑い
その温かいほっぺを更にきつく私のほっぺに
擦りつけて私をきつく抱きしめました。

え~~~~~え、、、これってまるで私はネンネじゃん!

お父さんが言いました。

よ~~し!
じゃあ飯にしよう!
私たち3人はそのまま台所に移動しました。

夕食はお好み焼きでした。
私が鉄板の上のお好み焼きをひっくり返すと失敗して
キャベツとお肉がはみ出しちゃいました。
それをお父さんが食べました。

私は食べながら数学のテスト結果を見せました。

・・・

私は両親がその点数を見てどう反応するのか気になりました。
きっといい顔はしないはずです。
叱られるかもしれません。

お父さんが言いました。

美沙! よく頑張ったな!

はーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ! ビックリ!
嘘でしょう~

数学36点。
よく頑張ったな!って、マジ~?
イヤミを言ってるの? 意味不明?
慰めなの~?
キツイ冗談?
それとも、
私が帰ってきて安心しちゃったから怒れないの~?

・・・

母さん、美沙が数学で36点取れたぞ~
見て見ろよ、これ

あら美沙、本当によく頑張ったわね~
数学で36点も取れちゃうなんてすごいじゃない、、、
そ~言って母が、にこにこ笑っています。
この両親、なに? ど~なってんの?

一体、この現象は何だーーーーーーーーーーあ!
36点でこんなに誉められちゃってる私って、
じゃあ普段の点数はど~なのよ~?

・・・ 恐怖! でも

聞くしかない!

あの~ お父さん、
何だ、美沙!
お父さんは私の前の数学の点数覚えている~?

ああ、、、確か、、、9点だったかな~

ガーーン!

えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーえ!

9点ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!

私はお好み焼きを口にくわえたままで立ち上がりました。
両親がビックリして後ずさりしました。

9点って赤点じゃん!

私が赤点! 信じられない!
私の得意科目の数学で赤点を取ってるこの子って
一体、何やってんのさ!

美沙!
お前、一体ど~したって言うんだ?
急に立ち上がったりしてビックリするじゃないか。

・・・ お母さんも心配そうです。

お母さんが言います。
美沙ちゃん、どこか体の具合でも悪いの?
そ~言って私の額に片手を当てました。
熱はないようね~え、、、?

私は一瞬、目まいがしました。
でも納得です。

9点の私が36点を取ったのです。
普通のテレビが4Kになっちゃったのです。
すっごい頑張り様です。
両親に褒められるのは当然かもしれません。

私はスッゴイ勢いでお好み焼きを食べました。
パクパクパクパク、、、パクパク、、、
お茶をごくごく、、、お好み焼きをパクパク、、、

お父さんとお母さんが私を見つめています。

お父さんが自分のお好み焼きを半分切って
私にくれました。
私はそのお好み焼きを鉄板の上で大きめに切って
大きなお口を開けて食べまくりました。

パクパクパクパク、、、パクパク、、、
むしゃむしゃ、、、パクパク

うえ~っ! く、苦しい~
お好み焼きが喉に詰まっちゃいました。
お父さんが立ち上がって私の背中をグーでドンドン!と叩きます。
お母さんが、コップのお茶を私に渡してくれます。

苦し~

ゴクリ!
お茶で詰まったお好み焼きを飲み込みます。

ヒーーーーーーーーーーーーーーイ!

私の目からいっぱい涙が溢れ出し座ったままで、

わ~ん わ~ん わ~ん と大きな声で泣きました。

美沙!
一体、ど~したって言うんだ?
学校で何かあったのか?
お父さんとお母さんに話してみなさい。
私たちはいつも美沙の見方なんだからね。
さあ、、一体、ど~したんだい?
言ってごらん!

・・・

お父さん、お母さん!
私、こんなに成績悪くってゴメンなさい。
私はペコっと頭を下げました。

・・・

お父さんとお母さんは顔を見合しています。

お父さんが言います。

美沙!
お前は何か大きな誤解をしているみたいだね。
成績の事を気にしてんのか?

美沙!
これから話すことをよ~く聞きなさい!
お父さんもお母さんも、お前の成績がどうであれ
そんなことは大きな問題じゃあないんだ!
それよりも、
お前が健康で優しい人間になってくれればそれでいい!
お母さんだって同じだよ!
な~ 母さん!
そ~ですよ、美沙が健康で正しい良い人になってくれれば
それだけで私たちは幸せなのよ!

お父さんが言います。

美沙!
お前が立派な正しい大人になってくれればいい!
もっと自信を持ちなさい。
美沙はお父さんとお母さんの宝なんだからね。
勇気と愛を持てる人間になってくれれば、それでいい!

勇気と愛?(私)

そ~だ!(父)(母もうなずきます)

私はその言葉に胸を貫かれる思いがしました。
何故って、
高2の今の私が信条とする言葉が「勇気と愛」だからです。

私はその時、小5の自分を思い出しました。
あの時、理由は分かりませんが小5の体に高2の私が
入り込み、色んないじめに対して立ち向かって行ったのでした。

そして今、
同じことがこの時間の流れの中で起きようとしています。
さえない中2の肉体の中に高2の私が入り込んでる。
そして、父と母に勇気と愛の大切さを教えてもらってるのです。

なんて素晴らしい両親なんだろう。
時間の流れが違ってても私の両親は変わらない!

私はお母さんとお父さんに抱き着いてしまいました。
そしていっぱい甘え子ちゃんしちゃいました。

ハハッ! ハハ、、、、ハハ、、、

お父さんが笑っています。
お母さんも笑顔で私の頭をなでてくれています。

ごちそうさまでした~

私は2階の自分の部屋へと階段を駆け上がり、
ドアを開けました。

パタン!

はあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~あ、、、

ウッソ~

何だこれ?
これが私の部屋~
まるで幼稚園じゃん
ぬいぐるみがいっぱい。。。
変な玩具みたいな物さえあるわ。
壁や窓にも、お花や動物の飾りやシールがいっぱい
これって小学生の遊び部屋じゃん!
前に小5の私になっちゃった時よりもひどいわ!
赤点も、うなずけちゃう。

私は幼稚な普段着に着替えてから、
とに角、部屋のかたずけを始めました。
捨てるのは、この子に悪いから、玩具とぬいぐるみ系統は
ぜ~んぶ押し入れに仕舞って、部屋を広くしました。
部屋が倍くらいに広くなりました。

机の引き出しを開けると、お人形さんがいっぱい出てきました。

はあ~~~~~~~~あ? うっそ~ 勘弁してよ~
中2なんでしょう?
小学生の続きじゃんか~
いくら何でもひど過ぎだわ! 幼稚すぎで、呆れちゃう!
まあ、いっか~ 仕方ないもんね~ これが現状だもん!
それに、これが今の私だもんね!

私は机の上のお人形さんを一番下の机の引き出しに収納し
教科書をずらりと机の前に並べました。
勉強が出来る態勢を作りました。

両親は私の成績なんて問題にしていないって言ってくれたわ。
でも、成績で赤点を取って喜ぶ親なんていない!
そんなことあり得ないわ!
だから私は成績を上げて見せる。
中2の科目なら今の私には何もしなくても成績は上がるかもしれない。
でも、大切なことは
この体に勉強をする体質を叩きこんでいくことです。
やり方も忍耐も集中力も、効果的なやり方を全て教え込んでやるわ!

私はしばらく机の前で色んな事を考えました。

トントン! ノックの音です。

美沙! 入ってもいい? 母の声です。

あ~ お母さん、いいわよ~、入って!

お母さんが部屋に入って驚いた様子です。
私の部屋を何も言わずキョロキョロと見回しています。

広くなっちゃったでしょう~
今までおかたずけをしてたんだよ。。。
私ね、勉強をしちゃう!

お母さんは、にっこり笑って言いました。

そ~なの、、、
お風呂わいてるから入りなさいね!

は~い(私)

お母さんがドアを閉めようとしました。

お母さん、ありがとう!

お母さんはにっこり笑ってドアを閉めました。

さ~ お風呂だ~~あ、、、
私はパジャマを持って1階の風呂場に走って行き、
服を脱いで自分の体を見つめました。

腹部のウエストの部分に生々しい筋がハッキリと残っています。
今日の森でのツルによるウエスト締めの痕です。
ドジな中2の私が、お腹フェチで自分のお腹を責めたのです。
それについては非難なんてできません。
私もお腹フェチだからです。
鏡で自分の体を見つめました。

これが私か~

身長は恐らく155~6cm位だと思いました。
高2の私は164cmです。
おっぱいは少し成熟はしているもののまだまだかな~
体はスリム体系で高2の私と同じ。髪は長めで私と同じ。
顔は私と同じだけど、明らかに幼い。
仕方ないか~ 中2だもんね~

お風呂、入っちゃおっ~と、、、ルンルン、、、あ~気持ちいい
ぺちゃぺちゃ、、バシャバシャ キャハは~ わ~い わ~い
ルンルン ぺちゃぺちゃ、、キャハは~

え? 私、何やってんの?
私ってやっぱ中2なんだわ。幼過ぎ、お風呂で遊んじゃってる。

外からお父さんの声が聞こえます。

お~い 美沙! 又風呂で遊んでんのか~?
お父さんが入っちゃうぞ~


—————————— 部屋で


私はお風呂から上がってパジャマ姿で自分の部屋に戻りました。
髪は乾き切らず未だ幾らか濡れています。

私は部屋の鏡の前に立ちました。
そして、じっくりと自分の姿を見つめました。
これはもう夢なんかじゃない。
こんなに長く続く夢なんてあり得ないもん。

今この鏡の中に写ってる私が本当の私なんだわ。
それを認めて前に進むしかないんだわ。
何故かなんて考えることは後退でしかないわ。
私に何が待っているのか分かんないけど、
私は前に進みたい。

両親は言った、
勇気と愛を持って立派な大人になって欲しいと!

私には
あんなに素敵な両親が居てくれてるわ。
その期待に沿えるように頑張っらなくっちゃ。

私はパジャマ姿で鏡の前に立ち、
手刀を段違いに前に構え、右足を大きく後ろに引き
少し状態を低くしてゆっくりと構えました。

この世界に、何故私が呼ばれたのか?
きっと意味があるはずだわ!
この子が私を呼んだ意味がきっとある!

私は鏡の中の自分に向かって集中しました。

・・・ 気を集中させます。

えいっ!

ピュピュピューーッ!

・・・

右拳で真っすぐに突き、左拳で斜め手刀で切り
後ろに引いた足を大きく蹴り上げ、その反動で
飛び上がった勢いで左足を蹴り、降りて来る間に
右足と左足の蹴りを宙で行いました。

濡れた髪の水滴が、パーッ!と周囲に飛び散りました。

合気道流空手

着地は1階に響かないようにそ~っとゆるやかに降りました。

私だわ。
向こうの世界の私だ。
威力も全く落ちてない!
強力になってる感じだわ!
この部屋では試せないけど、きっと波動の術も使える!

この世界でも今井師範はいるのでしょうか。
居るのなら会ってみたい。

あっ! お兄ちゃんは?

私は以前にお兄ちゃんを通じて小5で今井師範に出会ったんだわ。
元々お兄ちゃんから小5で合気道を学び、
その時に、お兄ちゃんから勇気と愛を学んだんだ。

そっか~ あの時の教えは私の両親の教えだったんだわ。
それをお兄ちゃんも学び、私に教えてくれたんだ。

あの時の小5の私と、このダサい中2の私は同じ線上にいない。
この体の中2の少女は別の世界に生きて来たんだわ。
だとすると、この世界に今井師範が居たとしても、
私はまだ出会っていないことになる。

今井先生がいるかどうかも分かんないし、美香ちゃんだって
この世界には居ないかもしれない。。。

私はその日、夜遅くまで机にかじりつき勉強を始めました。
ダサい中2の私のノートをぜ~んぶ読み切り、
現在学校で習ってる場所のポイントを頭の中に
叩き込みました。
何度も何度も反復してやり続けました。
中2と言ってもバカに出来ません。
新たな発見なんかもあったりして、高2の復習になる点も多くありました。
とに角、回数を重ねてやり続けました。
1回目は理解するために時間を十分に掛けて、2回目は
1回目よりも短時間でやり、3回目はもっとスピードを上げて行きました。

今日習ったと思えるか所の復習と明日の授業の予習をし
時間割も済ませました。

 

時間が12時を回っています。
ぶっ通しで4時間以上勉強したことになります。
高2の私に取っては何でもありません。
毎日もっと勉強しているのです。

と、その時です。

トントン!

ドアがノックされました。
ドアの向こうで母の声がしました。

美沙! もう寝なさい!

は~い(私)

美沙、ラベンダーのお花、ありがとう!
おやすみなさい。

おやすみなさ~い!(私)

明日は学校だ! 何が待ってるのかしら、、、?

 

夢と幻想の森