前回関連ストーリー⇒ 森での出来事(19)中2の私
私は野々村美沙。
---------- 前回までのあらすじ。。。
高2の私は、ある夜、自分の部屋で勉強をしながら
机の上で眠ってしまいました。
ところが、居眠りの途中で、
とんでもない夢を見てしまいました。
その夢とは、
中2のダサイ勉強嫌いの赤点の私が森の中で
お腹責めをしてるのですが
お腹がツルに絡まって抜け出せなくなっているのです。
仕方なく中2の私を助けちゃったのが悪夢の始まりでした。
助けた瞬間に、何故か、
高2の私が中2の私の体の中に入っちゃって、
夢が覚めてくれません。
今、私は夢で3年前の世界に居ます。
仕方なく何日かを中2で過ごす内に、
徐々に色んな事が分かって来たのですが、
ただならぬ状況が広がっていたのです。
何とかしなきゃ!
私の知ってる多くの人が夢の中に出てきます。
でも、
一番にショックな事は、私の親友の美香ちゃんが
私を裏切り者として憎んでいることです。
美香ちゃんは、
悪の女番長で魔女とまで言われ、その特殊な能力で
多くの男女の子分を従えて学校を支配していました。
特殊な能力とは空手流合気道でした。
私は美香ちゃんにいじめられ暴力を振舞われ、
お金をゆすられています。
私に好意を寄せる缶コーヒーは偶然に
私の助けに入っって来たのですが、巻き添えを食って
美香ちゃんにひどい目に合わされています。
学校では、彼は私の唯一の味方です。
私には空手流合気道や波動の術はあるのですが、
まだまだ状況が分かんないので、その能力は封印しています。
私は美香ちゃんに、缶コーヒーは関係ないので、
ひどい事をしないように頼みましたが、
私たちは2人伴殴られる結果となりました。
・・・
私は思い切って、美香ちゃんに
次の中間テストで勝負を申し込みました。
それが、
美香ちゃんと私の中間テストタイマンです。
「中間テストタイマン」
美沙vs美香、
バカと秀才の対決!
美香ちゃんの子分たちが色んな場所に掲示をして、
瞬く間に学校中に広まって行きました。
掲示はされていませんが、
私が負ければ、10万円払うこと。いじめも継続。
私が勝ったら、缶コーヒーだけには手を出さないこと。です
・・・
問題は、赤点の劣等生の私が、常に学年で
成績トップの秀才の美香ちゃんに勝てるかどうかです。
私は、美香ちゃんが何故私を憎むのか、何故私を
裏切り者だと罵るのかを缶コーヒーからの噂話で知り
強烈なショックを受けました。
それは、美香ちゃんと私が小5の時に
それまで仲良しだった2人が河辺で遊んでいて
2人伴、溺れた事故があり、その事が私が憎まれる
原因になっているらしいのです。
処が、何故か私は、
その時の記憶を失っていました。
私はその事故について両親に問いただし、
事故の概略を知ることになりましが、
内心は納得するには不十分でした。
・・・
そこで、何としても真実を知りたい思いと、
事の流れから、缶コーヒーと一緒に
私たちはその事実の調査に乗り出しました。
事故現場にいた役場の監視員の人を探し出し
私は事実を知ろうと必死で動きました。
監視員さんは片山さんと言う人で当時の監視員の
責任者でした。
片山さんの自宅を訪問しました。
彼には娘さんが海で溺れて亡くなったと言う
悲しい出来事があり、
私を娘さんの事故と重ねて思っていたこを知りました。
片山さんは私の命の恩人でした。
そして、当時の事故の様子を聞かされました。
片山さんから娘さんの形見の水晶のネックレスを
譲り受け、
お礼にピアノを弾きながら歌を歌いました。
中2の自分の音楽の才能に驚かされます。
事故当時に現場に居合わせた人から事故の様子を
知ることが出来ましたが、
ただそれは第一ステップに過ぎず、
美香ちゃんとの関係を修復することは簡単ではありません。
・・・
美香ちゃんが不良番長になったのも、
その事故のせいです。
何かがあるのでしょう。
いっぱい子分を連れてても美香ちゃんは、
本当は一人ぽっちなのです。
私は美香ちゃんにどんなにいじめられても
美香ちゃんが大好きです。
高2の世界では美香ちゃんと私は無二の親友なのです。
同じダチで私たち2人は小5の時から
正義の女戦士セーラムーンです。
・・・
私は中間テストの勉強を頑張りました。
缶コーヒーの為に、美香ちゃんを救うためにです。
そんな時、
大学生の兄が帰宅し意外な自分を知りました。
赤点でダサイ女の子だと思っていた中2の私は、
実は、そ~ではなく
稀に見る頭脳を持つ天才少女で歌や楽器なども
特殊な才能が有ることを知らされました。
・・・
実際に片山さんの自宅で歌や楽器を弾く機会があり
私自身も実は驚いていた矢先だったのです。
・・・
ただ、両親はそんな私を天才として育てるのではなく
平凡でもいい、
人の役に立つような勇気と愛を持った人間に育てた方が
私が幸せになれることを知ってて、
私がどんな悪い点数を取っても全く気にしていません。
ただ、美香ちゃんとの、
中間テストタイマンで負けることは出来ません。
負けると大変な事になります。
だから高2の私は中2の勉強を必死でやりました。
・・・
そして、中間テストも終わりました。
学校中が私たちのタイマンを注目をしていますが、
今は結果を待つばかりです。
私の兄は大学で合気道をやっています。
兄は今井先生と紀子さんの3人で
合気道の技の新開拓にチャレンジしています。
私は兄に無理を言って、兄たちの研究合宿に参加させて
もらうことになりました。
高2の私の空手流合気道や波動の術は
こちらの世界でも健在です。
しかも、かなりパワーアップしている様に思えます。
ただ、
今は、学校などでその能力を出しても、
美香ちゃんとの問題は決して解決できないと
思っています。
中間テスト後の3連休に、2泊3日の近くの
山のロッジに現在私たちは居ます。
———————- 山小屋で バーベキュー
午後の今井先生たちの研究活動は驚く内容でした。
恐らく、
人にいくら話しても信じてもらえないでしょう。
それは、
この森の中のパワースポットを探し出し、
その強力な磁場を体内に取り込むことでした。
そのことにより、
今井先生たちは磁場エネルギーを利用して、
体は宙に浮かし、先生の体は分身して見えました。
私は余りの驚きと恐怖で反射的に今井先生の
分身を合気道で投げ飛ばしてしまいました。
今井先生が私をど~思っているのか分かりません。
でも、私の何かに気付いたかもしれません。
・・・
夕方、
みんなで準備したバーベキューが始まりました。
屋外で金網の野菜やお肉がジュ~ジュ~と焼かれて
美味しそうな匂いが立ち込めています。
うわ~ なんて美味しそうなの~
・・・
私は大はしゃぎで遠慮なく何でも食べちゃいました。
美味しい、美味しい~ なんて美味しいの
パクパクパクパク、、、むしゃむしゃ、、パクパク、、
あ~ もう最高にめちゃめちゃ幸せ
私、生きていて良かった~~~~~あ、、、
今井先生ありがとうございます。
お兄ちゃん紀子さん、、、ありがとう。
パクパクパクパク、、、むしゃむしゃ、、パクパク、、
ウインナーが美味しそう~ はい! 今井先生、ど~ぞ。。。
私は先生のお皿にウインナーやお肉やお野菜を
どんとん取って乗せました。
お~ 美沙君、ありがとう、、、嬉しいね~
さあ、美沙君もこの肉を食べなさい。。。ほら!
私が取ってあげよう。。。
美沙君、この後のケーキも楽しみだもんな!
やったー!
先生と私はケーキ友達だ~ 今井先生大~好き!
私は今井先生の横にピッタリと
肩をくっ付いて離れませんでした。
そんな私たちを兄が苦笑いをして見ています。
・・・
先生! ど~もすみません。(お兄ちゃん)
妹が馴れ馴れし過ぎて、、、大変に失礼いたします。
まだまだ子供なんです。すみません。
少し前まで僕が背中におんぶして、泣くのを
あやしていたんです。
あ~ お兄ちゃん!
私をねんね扱いしちゃってる。
私はもう大人なんだからね!
だってお兄ちゃんが紀子さんに恋してる様に
私にだって心の中が熱くなって来る人がいるんだもんね~
え! (お兄ちゃんが慌て始めました。)
お兄ちゃんの顔が赤くなって来ちゃいました。
そわそわ、、、ソワソワ、、、、モジモジ、、、(兄)
美沙! お、お前、急に何言ってんだよ!
よさないか! 大人をからかってんじゃない。。。
そ~言うと、お兄ちゃんは急にお肉をがむしゃらに
口に押し込み始めました。
あ~ 理論通りだ~
お兄ちゃんの体が熱くなって変な動きを始めちゃってる。。。
(紀子さんの顔も赤くなっています。)
今井先生が大きな声で笑い始めました。
うわっはっ、は、は、はっ、は、は~
お兄ちゃんは紀子さんに言います。
ごめんな~
こいつ本当にねんねなんだよ!
昨日だって俺に抱っこされてさ、めちゃ喜んでさ!
だからさ、気にせんでくれ!
紀子さん!
お兄ちゃんの事、よろしくお願いしま~す。
おい! こら~~~~~~~~~あ!
美沙ーーーーーーーーーーーーーーーーーあ!
いい加減にしろ!
今井先生が更に大きな声で笑いました。
わっはっ、は、は、はっ、は、は~
うわっはっ、は、は、はっ、はっ、はっ、は、は~
理論通りか~
はっ、は、は、はっ、はっ、はっ、は、は~
とっても楽しい夕食のバーべキューが終り、
お待ちかねのチーズケーキも食べ終えました。
・・・
・・・ お腹いっぱいだ~ 満足満足、お腹ポンポン!
・・・ 辺りはもう暗くなっていました。
・・・
一旦それぞれの部屋に戻り荷物のかたずけなんかをしました。
お兄ちゃんと相部屋です。
お兄ちゃん!
私がベッドの上の段だからね、いい
それと
聞いてもいい?
何だよ、急に?
あのね、お兄ちゃんは将来、紀子さんと結婚するの?
はーーーーーーーーーーーーーーーーあ!
こらーーーーーあ! 美沙!
お前、なに言ってんだよ!
お兄ちゃんはまだ大学生なんだぞ!
お兄ちゃんを、からかうのもいい加減にりろ!
お兄ちゃんが顔を真っ赤にして私に飛びついて来ました。
こら~ 待て~ 尻を出せ~
ぶん殴ってやるからな~
やるならやって! お尻ぺんぺん!
鬼さんこ~ちら。。。ケラケラケラ。。
この野郎~ 捕まえてやる!
バタバタバタ、、、ドドドド、、バッタン
私は必死で部屋中を逃げまくりました。
捕まらないわよ~ バタバタバタ、、、バッタン!
なんて
すばしっこおい奴なんだ! くそ~
・・・
でもお兄ちゃんはもう二十歳じゃん!
紀子さんの事、嫌いなの?
バタバタバタ、、、ドドドド、、バッタン
ねえ! 紀子さんをど~思ってるのよ~?
白状しろ~ お兄ちゃん!
バタバタバタ、、、どたん、ばたん、、バタン
嫌いなの? 紀子さんの事?
ど~なのよ~?
バタバタバタ、、、ドドドド、、バッタン
どたん、ばたん、、バタン
嫌いなわけないだろ!
どたん、ドン、ダダダ、どたん、ばたん、、バタン
じゃあ好きなの?
バタバタバタ、、、ドドドド、、バッタン
どたん、ばたん、、バタン
なんてすばしっこい奴なんだ。
絶対に捕まえてやる!
バタバタバタ、、、ドドドド、、バッタン
どたん、ばたん、、バタン
ね~ 好きなの?
ドドドド、、バッタン
どたん、ばたん、、バタン
あ~ 好きさ!(兄)
どたん、ドン、ダダダ、どたん、ばたん、、バタン
美沙、尻を叩いてやる
どたん、ドン、ダダダ、どたん、ばたん、、バタン
愛してるとか?
どたん、ドン、ダダダ、どたん、ばたん、、バタン
愛してるの~?
この野郎、、、
どたん、ドン、ダダダ、どたん、ばたん、、
美沙、いつの間に、こんなに
すばしっこくなったんだ!
どたん、ドン、ダダダ、どたん、ばたん、、バタン
どたん、ドン、ダダダ、
愛してるの~?
あ~ (兄)
どたん、ドン、ダダダ、
やったーーーーーーーーーーーーーあ!(私)
誘導尋問にお兄ちゃんが引っ掛かっっちゃたーーーーーあ!
やっぱお兄ちゃんは紀子さんと結婚したいんだ~~~あ!
やった、やった、やった~~~~あ!
どたん、ドン、ダダダ、
と、その時
お兄ちゃんが私の腕を掴んで
膝にうつ伏せにして乗せ、お尻を何度も何度も
叩きました。
痛い、痛い! いたい、痛いよ~
美沙! お仕置きだ! 覚悟しろ!
パチン! パチン! パチン! パチン!
痛い! 痛い! お尻が、痛いよ~
・・・
・・・
服を着替え少し落ち着いて、
1時間ほどして皆は外に集まりました。
紀子さんと私でバーベキューの残り火で
湯を沸かしコーヒーを入れました。
今井先生が言いました。
健一君、随分と物騒がしかったじゃないか。
一体、ど~してたんだね?
え! あ、はい。
美沙が、遊んで欲しいって言うもんで
少し部屋で鬼ごっこをしてて、、、その~
なかなか捕まえられなくって、、、その~
やっと捕まえてお尻を叩いてて、、その~
今井先生が大きな声で笑い始めました。
わはっは、は、は、 おほっ、ほ、ほ、ほ、ほっ!
紀子さんが言います。
鬼ごっこにしてはすっごかったわね、
ロッジが壊れちゃうかと思う程揺れてたわ。
美沙ちゃん、
お兄さんとどんな鬼ごっこしてたの?
うん!
私がお兄ちゃんにある質問をしたら、
お兄ちゃんが向きになって私を捕まえようとして
鬼ごっこになっちゃったんです。
へ~ ある質問って、どんな? (紀子さん)
うん!
私がね、のり
わーーーーーーーーーーーーーーーあ! (兄)
お兄ちゃんが急に、大声で叫んだので、
みんな
ビックリして飛び上がっちゃいました。
のり物ごっこ!
こいつが小っこい頃にやってやった乗り物ごっご
をしてやってただけなんだよ。
ふ~ん (紀子さん)
素敵な仲良し兄弟だわ!
美沙ちゃん、いいお兄さんね。
うん! 私、お兄ちゃんが大~好き!
お尻いっぱい叩かれちゃったけど。。ケラケラ。。
今井先生が大きな声で笑いました。
わはっは、は、は、 おほっ、ほ、ほ、ほ、ほっ!
それにしても健一君が向きになって捕まえようとして
なかなか捕まらないとは、
美沙君は随分とすばしっこいんだね!
しかも部屋は狭いだろうにね~。
・・・
先生、実は私ね、わざと捕まちゃったんだよ!
だってお兄ちゃんって息を切らせて汗だくで
顔が真っ赤で限界だったんだもん!
ほほ~ 興味深い話だね~
美沙君は凄いんだね~ おっほっ、ほ、ほ、ほ、ほっ!
・・・
美沙君!
ど~だろう、明日の練習に本気で参加してみないかね。
え! 私が~
合気道の新開発にですか~?
そう!
・・・ 今井先生が私を優しい笑顔で見つめます。
今井先生!
無理です。
美沙はまだ子供なんですよ。
中2のねんねなんです。出来るわけありません。
あ~ お兄ちゃん、又私をねんね扱いにしちゃう!
もう私は大人なんだからね。。分かった~
先生、ぜひ私を、参加させてください!
・・・
お兄ちゃん、
反対しないでよ!
いいの? あのこと?
・・・
お兄ちゃんは、私に何か言おうとして口ごもりました。
勿論、紀子さんの事です。ウッシッシー
紀子さんが言いました。
いいじゃない健一さん
美沙ちゃんだって折角一緒に来てんだから。
私は大賛成だわ。
紀子さん、ありがとうございます。
紀子さん、大~好き
私も合気道、頑張ります。
兄が渋々私に言いました。
美沙!
じゃあ研究の邪魔にならないようにすんだぞ!
それに途中でや~めたなんてダメだぞ! いいな!
やったーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ!
私も合気道を習えちゃう!
今井先生、お兄ちゃん、紀子さん、
私、いっぱい頑張りますのでよろしくお願いしま~~す。頭ペコ!
じゃあ、美沙君、
少しだけ説明しよう。
一通り聞いて、後で質問しなさい。
今私たちが取り組んでる合気道は相手に触れずに
悪るい人を制する技術なんだ。
人間の体は機械ではないが機械と同じように
磁力と電流で動いているんだよ。
脳の働きも基本的には同じことなんだ。
私たちが思っていること考えていることも脳の中に流れる
電流や磁力の働きなんだ。
そ~だな、簡単に言うと、地球には引力があるだろう。
それが磁力だよ、
磁石を使った理科の実験でN極とS極が引き付けられ
同じ極は反発する。
地球は大きな磁石なんだ。
でも小さくても物体は全てそ~だと思っていいんだよ。
人間の体もね。
N極とS極からの磁力の強さや方向などが磁場。
まあ正確には少し違うが、そう呼ぼう。
人間の体の磁場を瞬間的に増幅させたり
N極やS極の向きを変えれば地面の磁場に対して
反発させられることになる。
つまり体は宙に浮き上がる。
又、物に磁場を放出すると物は動き、
人で言うなら相手を動かすことになるんだ。
それが美沙君が今日の午後見た我々の練習だよ。
この地球上の
自然界にはパワースポットと一般に言われてる
強力な磁場を放出する場所があって、
今日、私たちが練習していた場所がそうなんだよ。
私たちはその強さをレベル1~5に区別しているが
今日の場所はレベル5の強力な場所だった。
レベル5はめったに無い。
美沙君は何故か、その場所を直ぐに見つけてくれた。
コイルの中で磁石が回転すると電流が生まれるよね。
温度だって上がる。
エネルギーが生まれているんだ。
回転を速めると強力な電圧にも変換できるし、
更に温度も上がり大きなエネルギーが生まれる。
トランスと言われる電圧の変換機がその例なんだが、
その仕組みは家電製品の中でも多く利用されている。
人間の脳には磁場があり、
微弱の電流が脳細胞間を流れている。
これはね、
トランスの仕組みが人間の脳内に存在しているってことなんだ。
天才と言われる人の脳は、
脳内に流れる電流が活発だという事なんだが、
それはトランスで言うならコイルの中をより
高速に磁石が回転するってことだ。
つまり、
人間の体からも強力な磁場と電圧を生み出せる。
更に、脳内の磁場を増やせればその効果はどんどん
向上していく。
だから、私たちはパワースポットを求めて磁場を
体内に蓄積しようとしてい訳だ。
ただ、人工的な磁場は脳を傷付け拒否するため、
唯一自然界に存在するものだけを求めている。
・・・
私たちは磁場の蓄積とそのコントロールの方法を
訓練によって習得し、
合気道の技に転用しようとしているんだ。
これは誰にでも出来ることではない。
天才的な頭脳の中に於いてのみ可能で、
それも正しい修行が必要となる。
修行を積めば積む程、脳内の機能も増幅されて行き、
磁力や電圧の放出方向を
自分の意思で自由にコントロール出来るようになる。
これが、今取り組んでいる合気道の技の新開発なんだよ。
そして、最後に、
正しい運用方法なんだがね。
この新合気道は正義を守る最終手段として、
勇気と愛を持つ者のみに与えられた技法なんだ。
以上だ。
私はじ~っと今井先生の話に聞き入っていました。
・・・
美沙君!
何か質問はあるかい?
いえ、ありません。理解しました。
ただ1つ確認なんですが、先生が分身したのは
強力な磁場の放出のために空間が歪んだ
ためだったんですね。
あれは幻影だったんですね。
そ~だ、それに恐怖が加わると見えない物も
見えたのかもしれないね。
よかった~ 先生のお化けが出ちゃったのかと
マジ、怖かったんです。
今井先生が大きな声で笑いました。
わはっは、は、は、 おほっ、ほ、ほ、ほ、ほっ!
いや~ 悪かったね~ 美沙君!
驚かせて、スマン! スマン!
申し訳ない。
・・・
色んな雑談や明日の練習についての話が続きます。
少しして、私は紀子さんに約束の竹笛を聞かせて欲しいと
お願いしました。
紀子さんも私の歌を聞きたいと言いました。
まず、紀子さんが竹笛を奏でました。
澄み切った憂いのこもった音色は心が生き生きと
蘇るようです。
ぴ~ぴ~ ♪ ひゅ~ ♪ ひゅ~ぴ~ ♪
細い味わい深い音色がこの森の自然の中に溶け込んで行きます。
そして、
私の心の奥深くに染み込んで来るように感じました。
あ~ なんて心が温かいんだろう。
私の胸の中の何処かで温度が上がっているようだわ。
だって体が自然に揺れている様に思えるもん。。。
紀子さんの竹笛が終りました。
さあ、美沙ちゃん!
今度は美沙ちゃんの歌を聞かせて欲しいな~
・・・
うん、
じゃあ、紀子さん、何でもいいから竹笛を吹いて下さい。
え~? 何でもいいって、、、
でも、、歌詞はど~するの?
うん!
私、適当にメロディーに合わせて歌っちゃうから、
とに角、紀子さんの好きな曲を奏でてください。
・・・
紀子さんは、少し面食らった様子ですが、
少し考えて、竹笛を吹き始めました。
・・・
ぴ~ ♪ ひゅ~ ♪ ぴ~ ♪
ぴ~ ♪ ひゅ~ ♪ ぴ~ ♪
今~ 私は~ この風に願いを~ 込めて~ 歌いたい
もしも~ あなたに~ 届くなら~
ぴ~ ♪ ひゅ~ ♪ ぴ~ ♪
この~ 胸の~ 奥の言葉を~ 伝えて~ 欲しい
何故に~ あなたは~ 守りたいの~
ぴ~ ♪ ひゅ~ ♪ ぴ~ ♪
私の~ 心が~ あなたの言葉で~ 揺れてる~
だめだ~と 思っても~ 戻れないの~
ぴ~ ♪ ひゅ~ ♪ ぴ~ ♪
星よ~ その光で~ 愛おしい人を~ 優しく包んで~
私の~ 願いは~ ただそれだけ~
ぴ~ ♪ ひゅ~ ♪ ぴ~ ♪
教えて~ 下さい~ 照らして下さい~ 私の道~を
例え~ 苦しくても~ いい~の
ぴ~ ♪ ひゅ~ ♪ ぴ~ ♪
風よ~ その優しさで~ 私の思いを 伝えて~
私の~ 時を超える~ この想いを~
ぴ~ ♪ ひゅ~ ♪ ぴ~ ♪
ぴ~ ♪ ひゅ~ ♪ ぴ~ ♪
・・・ し~ん
今井先生が大きな拍手をしてくれました。
そして、紀子さんが、何故か涙を流していました。
美沙ちゃん、
凄いわ! 本当にすごい!
私は今まで歌で、こんなに感激しちゃったのは
初めての事よ。
まるで心の中が熱くなっちゃって何故か自然に
涙が出て来ちゃった。素敵だったわ。
本当にお上手だわ!
即席で歌詞が出て来るなんて凄すぎよ。
紀子さん、
誉めてくれてありがとうございます。
紀子さんの竹笛が素敵なので上手く歌えちゃった~。
本当だよ。
・・・
よ~し じゃあ、そろそろ部屋に戻って寝るか~(今井先生)
明日は朝9時から練習を始めるぞ! (今井先生)
全員 7:半、起床で皆で食事の用意をしよう!
は~い!
——— 2段ベッドで兄と
ベッドの上下で私は兄と少し話をしました。
おい、美沙!
同じ部屋で寝るなんて久しぶりだな。
お兄ちゃんはお前を良く寝かしつけてやってたんだぞ!
覚えてるか?
う~うん、全然覚えてな~い。
は~~~~~~あ~
あのさ、お前は泣き虫だったからさ、
お兄ちゃんが良く子守唄も歌ってやったんだぞ!
だから歌が上手いんだ!
へ~ そ~なん?
でも、お兄ちゃんは歌が下手なんでしょう~
だったら何故、私が上手になっちゃうのかな~
お兄ちゃんの下手な子守唄で私が上手になっちゃったんだ!
おい! 美沙! お前、何が言いたいんだ?
別になんでもな~い。
逆効果って言うのもあるだろう!
ふ~ん そ~なんだ。逆効果ね~
・・・
ところで美沙、
お前、何か悩みがあるんじゃないのか?
学校とかでさ、、、友達とか、、、?
お兄ちゃんには分かるぞ!
・・・
一人で抱え込むんじゃないぞ!
美沙には、父さんや母さん、それにお兄ちゃんも
付いてるんだぞ!
お兄ちゃん、
分かってる。
でも美沙には、父さんや母さん、それにお兄ちゃん
がいてくれるだけで今は頑張れるわ。
それにこの山小屋に来てることが今の私には大きいの!
だから今はいい!
無理なようだったらお兄ちゃんや家族に相談しちゃうから。
その時はお兄ちゃん、又、抱っこして!
そっか~ その時は遠慮すんじゃないぞ! いいな!
うん!
。。。
ところでお兄ちゃん、
私、思うんだけどね。
何をだ? 言ってみろ。
お兄ちゃんのお嫁さんが紀子さんだったらいいな~
私から紀子さんに明日の朝、頼んであげるね!
はーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ!
おい! 美沙!
お前!
そんな事、絶対に言うんじゃないぞ!
いいか! いいな! 絶対だぞ!
ドタンバタン、、、どん、どん!
お兄ちゃんが下のベットから立ち上がって
私の腕を掴んで真っ赤な顔して私の顔を見て
言いました。
いいな、約束だぞ!
お兄ちゃん、又、鬼ごっこするの?
この野郎! 尻を出せ!
ドタンバタン、、、どん、どん! ドタンバタン、、、!
分かったわ、わかった、、約束するよ
お尻叩くのナシナシ!
・・・
分かったらいい!
美沙、もう寝ろ! な! 早く寝るんだ!
お兄ちゃん、
子守唄は歌ってくれないの? あの下手なやつ!
こらーーーーーーーーーあ! 美沙!
ドタンバタン、、、ドタンバタン! 寝ろ!
寝る、寝る、もう寝るから、
お休みなさ~い お兄ちゃん。
・・・
お兄ちゃんは下のベッドに戻りました。
・・・
しばらくして、お兄ちゃんの声がしました。
美沙、もう寝たのか?
・・・
お前も、大人になったんだな。。。。頑張れよ!
・・・ し~ん
寝たのか。 まあい~や おやすみ美沙!
・・・
・・・
私は、
今日1日のことを思い出していました。
楽しい事がいっぱいありました。
高2の私の世界と違ってる点とか
共通点などを比較していました。
特に人物です。
お兄ちゃんは、とっても素敵で、
私は本当に幸せ者だと思いました。
お兄ちゃんが居てよかったな~
お兄ちゃんの妹で本当に良かった。そ~思いました。
それはどちらの世界でも同じです。
・・・
紀子さんも素敵です。
キレイだからではありません。
本当に心の優しい思いやりのある賢い人だからです。
本当にお兄ちゃんのお嫁さんになってもらいたいと思いました。
紀子さんの竹笛についてはスッゴイ興奮しました。
一体、あれは何だろう?
あの音色には特殊な物を感じました。
胸に突き刺さるような竹笛の音色、
それは胸に突き刺さるだけではありません。
その音色の中の何かが私のお腹の中に共鳴をしていたのです。
お腹全体が熱く燃え上がって来るのを感じました。
それが何なのかは私には分かりません。
あの震えるような指の動き、笛の穴を叩く指先。
竹笛の音色に乗って微妙に何かが飛んで来る。
一体何だろう?
強烈な何かです。
・・・
今井先生の共通点は合気道です。
向こうの今井先生は波動の術を修練しています。
そして私はそれを先生から学び習得しています。
こちらの今井先生は磁場を利用した技です。
共通点もあるようなのですが、何かが違うようにも
思えます。
波動の術は少しの時間のずれをエネルギーに変える技です。
磁場を脳内で変換してエネルギーを生むのとは違っています。
ただ起こる現象としては似ているのかな~?
私は波動の術の本当の原理は今一よく分かんないのです。
でも、
時間のずれが磁場のゆがみから起きるのだとすると
波動の術は時空のずれってことになるのかもしれない。
時空のずれか~?
じゃあ時空のずれは磁場とは無関係なのだろうか?
磁場とは磁力の束だわ!
磁力の束が極度に圧縮されたらど~なっちゃうの?
束が湾曲したり重なり合ったり小っちゃくなったりして
磁場は変化し、歪みが起ちゃうかもしれない。
磁場の歪み!それは時空のずれ!
つまり時空がずれちゃう。
波動の術は時空のずれだわ。
って事は、私の波動の術も、ここに居る今井先生の
研究しているものと同じことになっちゃう。
もともと私が何故に波動の術が使えちゃうのか
本当は分かんない?
こちらの今井先生の話からすると、
考えられることは、あの森だわ。
私はお腹責めをするためによくあの森に行ってた。
え! まさか!
あの森は強力な磁場のパワースポットなの?
イヤ、きっとそうだ!
・・・
私はそれを知らず、あの森でお腹責めを求めて
ありとあらゆる石や岩石や木々などでお腹の内臓を
何年もの間、責め続けて来たんだわ。
私は超お腹フェチで、内臓フェチだから。
考えてみれば、
私はあの森とお腹を通して一心同体になって居たわ。
1日中地面に仰向状態でお腹に大きな石を乗っけてた。
1日中うつ伏せでお腹を地面から突き出た木や岩にかぶさってた。
あの森の自然の物が内臓に激しく食い込まれ、
内臓はえぐられ、潰され、ねじられ、何度も大きく攪拌された。
それも全て生腹からだ。
それが強烈な快感を呼び私は興奮し全身から汗を
噴き出しあそこからも体液を噴出した。
何年もの間そ~して来た。
お腹が燃えるように熱く感じたのは強烈な磁場の
影響だったのかもしれない。
てことは、ここに居る今井先生の理論からすると
私は知らず知らずの内に大量の磁場を蓄積して来た
ことになっちゃうわ。
全て、つじつまが合ってる!
イヤ、ちょっと待って!
今井先生は言ってたわ。
天才的な頭脳の中に於いてのみ可能で、
それも修行が必要となる。って
高2の私は天才なんかじゃないわ。
じゃあ何故、
波動の術を使える様になっちゃったのだろう?
・・・
ふ~む?
・・・
私は天才じゃない! だったら何故?
・・・?
じゃあ、バカなの?
そんなにバカでもないはずだわ。
成績も頑張って学年でトップだし阿呆なんかじゃない。
だって賢い両親の娘だもん!
考えられることは、
頭脳は今一条件に欠けてるかもしれないけど、
それ以上に天才的なお腹フェチで内臓フェチだ。
あの森で頭脳の低さをカバーするだけの
磁場を蓄積して来たと考えるとど~なの?
私は自分なりになんとか納得しようと色々と推測を
巡らせていました。
ですが、何故かすっきりとしない感じでした。
何故って、もともとこの世界は高2の私が勉強中に
夢を見て中2の私になって居るのですから。
・・・
ですが、覚めない夢なら現実の世界として
やって行くしかありません。
今頃、缶コーヒーはど~してんのかな~?
きっと私の事を心配してくれてるに違いありません。
もし、中間テストタイマンで美香ちゃんに負けちゃったら
一体、ど~したらいいのだろう。。。
あの川の事故の時、美香ちゃんと私の間に一体
何があったんだろう?
美香ちゃんだけが知ってる何かがあるのだろうか?
考えても分かりっこありません。
色んな事が頭の中を駆け巡って行きます。
・・・
今日の私の歌、缶コーヒーに届きますように
・・・
知らず知らずの内に私は深い眠りにつきました。
夢と幻想の森