高2の新学期を迎え新任の教師が
全校朝礼で紹介されました。

3名の教師で女性2人と男性1人の先生でした。

数学と国語と美術担当と言うことで、
体育館の前の方でそれぞれの挨拶がありました。


美術の先生は臨時ということでしたが若い男の先生で、
結構、背が高くて女子の間では紹介当時から話題になっていました。

 

私は全く興味がありません。

 

と言うのは嘘で、
すっごい気になって仕方ありませんでした。

似てるのです。

あの花火の夜店でラベンダーを交換した時の男の人にです。

あれは3年前のことです。
私が中2の時に花火大会の夜店でラベンダーの鉢を買って
嬉しくて前をよく見ずに走って、
男の人にぶつかってしまいました。
鉢は地面に落ちて割れて茎も花も折れて根もはみ出して
めちゃめちゃになりました。

 

私の方が悪かったので謝って立ち去ろうとしたのですが、
その時、男の人は新しいラベンダーを私に買って
お互いに交換して育てようと言って、
めちゃめちゃに割れた鉢を男の人が持って帰りました。
年齢は私よりはるかに年上の大人でしたが、
とても温かい優しい男の人でした。

夜店の中で顔はハッキリと分かりませんでしたが、
私はその後は、そのラベンダーをその男の人のものと思って
大切に育ててきたのです。

そして、ラベンダーの花の香りをかぐと、
その度にあの夜店でのことが思い出されました。
その甘い香りに包まれる程にその男の人が思い出されて
いつしか心の中で慕うようになったのです。

どこの誰かも知らない、もう会えるはずもない人を
ず~っと思い続け恋して来ました。

新任の美術の先生が、
その男の人に似ているのです。
ですが、年齢が若すぎるような気もしていました。
あの夜店の男の人はもっと年上のような気がします。

 

やっぱし、違うのか~?
でも、感じがどこか似ている。
私はあの男の人を全く知らない。
年齢なんて知らない!
仕事も、どこの人かも知らない!
ただ背が高くて、優しい人くらい、、、、
あの夜店で一瞬の出来事で接しただけです。
私が勝手に一人で恋しているだけです。

美術の先生は女子の間ではモテモテでした。
そこそこのイケメンで若いし開放感があって優しくて、
全く先生らしくなくて、
それが人気を呼んでいるのでした。
持てない訳がありません。
廊下を歩いてても意識的に女子から話しかけられていました。

 

私は毎日そんな姿を目にしながら気持は
ハッキリ言って穏やかではありませんでした。
完全な嫉妬です!
ですが、私は先生には全くの無関心の態度を取ってきました。

完璧な無視です。
私のタイプじゃあないって友達にも言ってたし、
そんな態度を続けて来ました。

どちらかと言うと、

大嫌い! という態度を取ってきました。
と言っても、先生にはそれすら気が付きません。
私の存在すら気が付きません。

 

私は先生と廊下ですれ違っても、
絶対に顔を背けて目を合わせませんでした。
でも、本当はいつも遠くから先生を見つめていました。
あの夜店の男の人であるはずない!
そう自分に言い聞かせるのですが、他の女子生徒が
先生と親しく話をしている姿を目にすると、
とても辛くて、悲しくて、苦しくて、耐えられませんでした。

胸が苦しくて痛みました。。

 

1ヵ月ほど経った美術の授業で、先生が言いました。

僕はみなさんに絵の描き方を教えるつもりは全くありません。
ですから、みなさんが今,頭の中に浮かんでくるものを
そのまま自由に描いてください。

 

テーマは特にありません!
なんでもいいです!

心の中にあるものを、そのままに絵に込めて描いたらそれで良いです。

そこで私は1つの実験をすることにしました。
その実験とは、
先生があの時の男の人かどうかを確かめるためのものです。
年齢が違ってる気がしても夜店の暗い中での一瞬の出来事です。
何も確証などありません。

ですから、ある絵を描きました。
花火大会の夜店の絵です。

夜店の夜空に打ち上げられ大きく広がった1つのラベンダーの花火を
浴衣姿の女の子と男の人が手を繋いで土手の上から見ている絵です。

ラベンダーの花火!
画用紙いっぱいに描きました。

花火がラベンダーの花なんて、あり得ないことですが、
おかしいとは思うのですが、
テーマは特になく、なんでもよくて、心の中にあるものを、
そのままに描がけばいいって先生が言うのです。

だから私は、先生がこの絵を見てどう反応するのか
どうしても知りたかったのです。
心の中にあるものを、そのままに描きました。
先生が言う通りに、
そして先生に見てもらうためにです。


描いていく内に期待がどんどん膨らんでいき、嬉しさが溢れて来ました。
先生があの時の男の人で、
この私の絵を見て私に気づいてくれる。。。。。
きっと私に気付いてくれる!

あっ! 君は! あの時の! 花火で会った女の子か!
君のラベンダは今も大切に育てているよ!
そうか~ 君だったのか~
大きくなって、キレイになったね!

とかなんとか言って、
私を見つめてくれるわ!  うふうふ、、、!

 

私はその思いだけで懸命に描きました。
授業の3回は自由に描く時間で、4回目は自分の絵の発表と
先生の質問やアドバイスでした。

3回の自由時間に先生はみんなの描いている絵を何度も見て回りました。
質問を受けたり、アドバイス等をしていました。
人気者の先生は女子からの質問で大忙しの様子です。
そんな様子を遠めに見て見ない振りをしてイライラしました。
わざと先生には無関心を装いました。
目を出来るだけ合わせませんでした。
苦しかったのですがそうしました。

こっちに こーーーーーーーーーーーい! 浮気者!


やっと、私の処にも来てくれそうです。
あ~、先生が来る! 来たーーーーーーーーあ!
先生の足が私の処で止まりました。
私の斜め後ろに先生が居る。。。。。私の絵を見てる!
絵は殆ど完成しています。
気配がしてても何も言いません。

ただ

横から私の絵をじ~っと見ています。

・・・

見てる、、、、、じ~っと!
・・・

何かを感じてるはずだわ!

きっと思い出す!

思い出せーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーえ!

・・・

私のことを!
この絵の花火大会の夜店でのことを、、、、思い出して!

ラベンダーのこと思い出してください!

2人の約束を思い出して!

・・・ きっと何かを言うわ!
先生! 私で~す! ドキドキ、、、、

・・・ そろそろ 、、、、、何かを言うわ、、


・・・ 

・・・ う?

え・・・ あれ~、、、、、、、先生が、、、先生が、、、

す~っと離れていく。。。。。

・・・ 何も言わない


なに? 何? なんで? なぜ分かんないの!
ここまでハッキリと分かりやすい絵を必死で描いてるのに、、、、

そんな~
鈍すぎる! どうかしてる!

それも、
何一つ言わずに離れていくなんて、、、、、ひどい!

あまりのショックで手が震えてきます。
胸がキューー―――と痛みます。
・・・

許せないわ!

決めた!
先生の顔に絵の具でキティーちゃん描いて、この濁り水ぶっかける!
覚えてらっしゃい!

君! なかなか良く描けてるね!
思いが込められてる!

 

ドッキ!


心臓が破裂して飛び出しました。

と、同時に

がっちゃん! どば~!

あまりのビックリで横の絵の具の濁り水に私の手が触れて、
入れ物が床に落ちて先生のズボンにバシャ!とかかりました。

ああああああああああああああああああああああああああ、、

先生のズボンの片足が濃いラベンダー色に染まりました。
あ~ 先生のズボンが、、、ズボンが、、
ズボンにラベンダーの花が咲いちゃった~!

離れて行ったと思った先生が、
いつのまにか私の後に立っていたのです。

どうしよう、、、、あ~
先生、すみません! 私、、、、

みんなが一斉にこちらを振り向きました。


先生は直ぐに!
ゴメン!ゴメン!悪かった!
先生がよく前を見てなかったよ!
大丈夫だった? ケガしてない?

そう言って、私を気づかってくれました。

私が一方的に悪いのに、
それなのに、私をかばってくれる!
あの花火の夜店の時と全く同じだ!


あの夜店でのことが、今、別の形で再現されているのです。
あ、、、、先生! あなたは、、、
なんて優しいの!
温かいその思いやり、、、


3年前にも私にその温もりをくれた!
先生に取っては何でもないことかもしれないけど、
でも私はその温もりで、あなたに恋してしまったんです!
そして今も、、、、、同じように温かいわ!
だから私の心はこんなにも痛いんです。

 

先生! あなたは、あの夜店で出会った人なんでしょう?
私がこの3年間ず~っと想い続けて来た人なんでしょう?
そうだと言ってください。先生! 心の中でそう言いました。

初めて近くで先生の顔を見つめました。
温かい晴れた顔でした。

よかった! 何でもなくて。

そう言って先生は私に優しく微笑みかけました。




次の週の美術の授業がやってきました。
今まで描いた絵のクラス内での各生徒の発表と
先生の質問やアドバイスが行われます。

先生が言います。

先生は、みんなの描いた絵の評価はしない。
僕は人の絵を評価できるほどの才能はないし、
僕の考えからも外れるからね。
技術的に、上手でも下手でも関係ないと思っているんだ。
実を言うと、先生は絵はすっごい下手なんだ。(笑いが起こります。)
きっとみんなのほうが上手い!
だから評価は自分でして欲しい。
この時間は自分の絵をみんなの前で説明することが目的なんだ。
先生からの質問や何か役に立つアドバイスがあれば付け加えるけどね。

 

先生が思うには、
絵はいかに自分の心が込められているかが大切だと思うんだ。

口では言えないこと、誰にも話せないこと、聞いてもらえないこと、
大切な物、大切な人、夢や、希望や、怒りや、苦しみ、悲しみ、そして愛!
色んな事がだれだってあると思う。
君たちにもあるだろう。。。

絵にならそれを吐き出せる、表現できる、素直に心の中のものを
自由に描き出せるんだ!

それが、今回のテーマなきテーマなんだ。
いいね!
一瞬、みんな静かになって納得して聞いていました。
かつて美術の授業でそんなこと言う先生なんて初めてです。
男子生徒が真剣な顔して聞いていました。女子もです。

 

発表が始まりました。結構面白い時間です。
先生の質問がとても面白くてみんなが大きな声で笑います。

何故って、
意味不明の絵が沢山あって、
描いた本人が自分の絵の説明が出来ないのです。
なに描いてるのかさっぱり分かんない絵もありました。
ひどい絵だな~って思いました。
説明出来っこない変な絵を必死で説明しているのですから、
なに言ってるのかさっぱり分かりません!
めちゃめちゃで支離滅裂じゃん! そう思いました。
それでも必死で説明しています。

それが笑いを呼んでいるのです。


ところが、
どの絵についても先生はほめています。
いや~ 実にいい、、、 面白い、、、心がこもってる!
めちゃめちゃ下手と思える絵でも、先生にかかっては
名画になってしまいます。不思議だな~って思いました。

そろそろ私の順番です。
ドキドキ、、、

 

なんて説明してよいのでしょう?
まさか私の思っていることをそのまま説明は出来ないし。。。
先生に対する実験だなんて言えないし。。。。
どうしよう、、、、、、?

あ~ 私の番だ!
え~い! ぶっつけ本番だーーーーーーあ!

あの、、、、この絵は、、、、これは、、、、

・・・ にこにこ、、、笑いでごまかす、、

これは、、、、、、、(説明が出来ません)

・・・ 男子が笑っています。

この絵は、、、、、、、これは、、、、

・・・

先生が質問します。
花火が、何かの花のようだけど?
花の名前を知りたいな?

・・・

あ、 はい! ラベンダーの花です。

・・・

ラベンダーの花か~?
先生はラベンダーのこと全然知らないんだけど、
どんな花なんだろう?

 

は、はい。
ラベンダーの香りは、時のねじれを生み出す力を秘めていると言われています。

時のねじれを生み出すか~!
へえ~ 不思議な花なんだね!

じゃあ
このラベンダーの花火が開いた一瞬の間だけ、
時を超えて、このカップルは出会っているのか~!
手を繋いでるね! きっと幸せなんだ!
ラベンダーの香りが2人の心を強く結びつけているんだね!
現在、過去、未来、どの時をも超える2人の深い愛情を強く感じるね、、!
いや~! 素晴らしい! 誰かに何かを訴えたいんだね!

実に、感動する絵だ!


先生、すっごい!
私の絵、自分で気が付かなかったけど、
先生に言われて見直すと、
本当にそんな風に見えてきました。
そんな先生の、
心の豊かさ、心の深さに関心させられました。
この絵は先生に私を思い出してもらうために描いたものです。
私の気持ちや絵の意味を全て読み取っています。
それだけではありません。
自分でも気が付かなかった、それまで思いもしなかった
素敵なロマンを絵に与えてくれました。

ですが、それは今の私の心の中にある、そのものでした。

 

先生!
先生は花火の夜店でラベンダーの鉢を売っているのは
知っていますか?

え! 僕!
ああ、
先生は花火は子どもの頃によく行ったことがあるけどね、
光る棒なんか買ってもらって嬉しかった。
花は残念ながら、あまり関心がなくてね、
花の鉢を売っているのも知らなかったよ。ゴメン!

 

でもこの絵、
実に心を込めて描かれている! 良い絵だね!

私の番は終わりました。
実験の結果も出ました。
先生は、
あの花火大会の夜店の男の人ではありませんせした。




それから1ヵ月が経ちました。

私の心の中で何か大きな穴がポッカリと開いていました。
授業中も窓の外を見つめて、
何かをぼ~っと、考えていることもありました。

先生が私の思っている人ではなかったことの
ショックからだったかもしれません。
それしかありません。

違ってた!

先生は、あの男の人ではなかった。
私がず~っと3年間、想い続けて来た人ではないのです。
ですが、
それでも心の何処かで何かがスッキリしませんでした。
まだどこかで納得し切れていないのです。
心が締め付けられました。
とても苦しくてたまりませんでした。

 

あ~ 先生!

 

先生は相変わらず女子に受けていました。
仕方ありません。
素敵ですから。


ですが、
そんな先生を見ていると、
だんだん腹立たしく思ってくるようになりました。
先生が悪いわけでないのに、勝手に私の心が先生にイライラして
腹が立ってくるのです。
それでいて、心の中にはいつも先生がいるのです。
忘れられないのです。

あの絵の時間に、汚れ水を私が落とした時に
私をかばってくれた、あの先生の優しさが
胸の何処かで忘れられませんでした。
あの夜店での思いと全く同じなのです。
どうしても同じ人に思えるのです。
違うはずなのにです。

 

先生はラベンダーの花も知らなかった。
花火の夜店で売ってることも知らなかった。

ラベンダーの香りが2人の心を強く結びつけている、、 かあ~
あ~ 先生! その温もりに包まれたい!


今日は教室の掃除当番の日です。
女子3人の重労働です。男子はこの日は外回りです。

男子は一早く掃除を済ませて帰っていきました。
女子も私以外は帰り、今、教室には私1人です。
私が外側の窓ガラスを閉めて帰るだけです。

2階の教室の窓を閉めてカーテンを閉じていきます。
何故か空しいため息が出ます。。。はあ~
最後の窓を閉めようとししました。
カーテンに手を掛けて、ふと下を向くと、

 

あ!

先生が!  先生が、歩いている!

校舎からちょうど出てきて帰るところです。

私は、信じられない行動に出ました。

 

教壇の処に走っていき即座にチョークを1本取り出し、

右手に握って体を大きくそらし後ろから腕を思いっきり振って

 

えい!

 

先生を目掛けて投げつけました。

まさか! まさか! 頭に命中するなんて、、、、!


こーーーん!

イテーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーエ!


チョークが後ろ頭に当たって飛び散るのが見えました。

 
ヤバー!


直ぐに先生が後ろを振り向きます。
と同時に私はサッとしゃがんで隠れました。

信じられない!
当たるなんて!
それも頭に命中するなんて!



私、野球のピッチャーになれちゃうかも?
見られたかな~あ? イヤ見えてないわ!
でも今すぐ出ていけないわ。
仕方ないな!
もう少しして帰るしかないか~!

 

カーテンからちょこっとだけ顔を出して下を見ます。
居ません。
あ~
お腹空いちゃったな~あ、、、、もうそろそろいいっか~

かばんと体操服を持って教室を出ようとすると
廊下から足音が近づいてきます。


え! うそ!
もしかして、、、、、?  先生?

教室の後ろの大きな本棚の横に音を立てずに走って
身を隠しました。

心臓がドキドキしているのが分かります。
先生なんだろうか?
もし先生だったらどうしよう?


何て説明すればいいの?
私は投げてないけど、私の腕が勝手に投げたんだって、、、ダメ!
鳥が飛んでて、それを狙って投げたら先生に当たったのかな~とか、、、ダメ!
チョーク投げコンテストの練習をやってたとか、、、、、ダメ!
掃除当番だからチョークの強度検査をしてたとか、、、、、ダメ!
チョークが多過ぎるので処分してたとか、、、、、ダメ!
どれにしたらいいの、、、、?
どれも説得力なさそう、、、、、

じゃあ、開き直って笑ってごまかす!
先生!お疲れ様~あ! 今日もいい天気ですね~ とか。ダメぽいな!


扉の前で足音が止まりました。ドキ!

ガラガラガラ~

あ~  戸が開いたわ!
あ、入ってきた~あ、、、
ここから投げたって分かってるんだ。

 

し~ん

・・・

かなりヤナ空気、、、、、

し~ん

・・・

出て来なさい!
分かってるんだ! そこにいるんだろう!

私のかばんと体操服の袋が床に見えます!
あっ!しまった~ バレタ

もう 謝るしかない!

ゆっくりと下を向いたまま本棚の横隅から出ていきました。

・・・


はあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ!

・・・

君は?

・・・


私を見て、あまりにも意外だったのでしょうか、、、?
先生は呆然と、ただ私を見つめています。

私もゆっくりと顔を上げ先生を見つめました。
すると、
急に涙が溢れてきて、ほうを伝わり床にポロポロと
落ちていきました。

わたし、、、、、私、、、、ごめんなさい!

だって私! 先生のことが、、、ス


 

と、その時です。

床がグラグラグラと大きく揺れ私の横にある大きな本棚が
私に向けて倒れて来たのです。

危ない! そう叫んで
先生が私に突進してて来ました。


ドスン!


そのまま意識が無くなってしまいました。




ふと気が付くと、
教室の天井が見えます。

天井? 教室?
私は仰向けのまま床に倒れてて、体は全く動かせません。
更に何かが私の腹部を強烈な力で圧迫しているのです。
丸っこい固いボールのような物で,お腹の中央に押し付けられています。
固いボールは多分その半分くらいが
私のお腹の中に埋もれている感じでした。

一体、私、どうしたの! どうなったの?
なんで、こんな状態で居るの?

確か、床が、、、、、揺れて、、、

は! そうだ!

ここは教室で先生と私が2人でいた。

床が大きく揺れて本棚が私に向けて倒れて来たんだ。
で、先生が私に向かって飛びついて来た!

 

あっ! 先生は?

先生はどこへ行っちゃったの?

その時です。

お~い!  大丈夫か~あ?

何だか曇った声が聞こえてきます!
毛布の中でしゃべってるような声です。

はっ! 先生の声?

遠いようで、近いようで、分かんないけど確かに聞こえます。

大丈夫か~あ? お~い! お~い!

??? 私の足の方からかな~?

お前! 怪我してないか~あ?

?? もっと近いわ!

? おーい 返事しろ~

かなり近い!

でも、どこ?

? 返事しろ~

直ぐ近くだ!

・・・ ?

どうなんだ~? 大丈夫か~あ?

・・・ 

え! 嘘! なんで?

先生の声が私のお腹の中から聞こえて来るのです。
耳からも聞こえるのですが、
お腹の中から体を伝わってくる。

どうして? なんで?
そんな変なことってあり得ない!

何がどうなってるの?
なんで先生の声が私のお腹の中から聞こえるの~お?

・・・ ???

・・・ ??

・・・ ?

え! うそ!

うそでしょう~!

まさか! まさか!

固いボールってひょっとして先生の頭ーーーーーーーあ!

 

大丈夫か~あ? 返事をしろ~お!

は~ぁ ボールが叫んでる、、、、

私の下腹の辺りで間違いなく声がします。
私は一生懸命に状況判断しました。

その結果、
今の状況は、私のお腹の上に先生の頭が乗っかっていること。
先生の頭の向きは横向きで、顔は私の足の方を向いてて
口の部分が私のお腹にかなり埋もれている。
その状態のままで本棚が二人の上から乗っかって二人とも動けない。
私のお腹は先生の頭と本棚で圧迫されてぺちゃんこになってるけど、
私は元気だし、声からして先生も元気そう。
ケガとかないみたい。でも動けない。

 

お~い! なんとか返事してくれ~え!

大丈夫なのか~あ? お~い!

かなり元気そうな声だわ!
信じられない状況でビックリだけど、
返事をしないと、、、、

 

先生! 私は大丈夫です!
先生は、どうなんですか~あ?

 

ああ、、、俺も大丈夫そうだ!
お前の腹のお陰みたいだ!

なんでなんですか~
意味がわかりませ~ん!


クッションの役割をしてくれたようだ!
本棚が倒れて来た時、お前に乗っかったが、ちょうど偶然に
お前の腹の部分でよかったみたいだ。
他だと二人とも潰れてるところだ! 多分な!
腹が柔らかくて俺は救われたみたいだ!
ただ片方の腕は頭をカバーしてて、
一緒に棚に押さえつけられて動けないし
もう一方の腕も少ししか動かない!

手が使えなくて本棚を動かせないんだ。

 

え~? 私のお腹がクッション役?
う~む、、、、、、気に入らないけど、、、、
それで助かったんだから仕方ないか~あ、、、、


で、先生!
これから、どうすればいいのですか?

どうするって、この重量だと身動きできない!
下手に動くとお前も俺も危ない!
本棚が、どうのしかかって来るか分かんないしな!
このまま助けを待つしかないだろう!
それはそうとお前の腹はどうなんだ?
かなりつぶれてるが、どうなんだ?

 
え! 私のお腹?
ああ、、、本当だ! 腸がぺちゃんこに潰れてるわ。
どうしよう? 嫌な予感がしてきたわ、、、、、
この状況ってかなりヤバイ! かも?
 
今のところお腹はなんとか耐えています。
心配いりません。

そうか! それはかった!
痛くないのか~あ?

あ、はい! とても気持ちいいです。(小さな声で)

なに~? 聞こえないぞ~!

痛くありませ~ん!

そっか! じゃあ、
助けが来るまで少し辛抱してくれ。
頑張ってくれよ! いいな!
とにかく待つんだ!
体力を出来るだけ消耗させずにこのまま待とう!
話も最小限だ! いいな!


はい! 先生!
先生も頑張ってください。。。。

 

私は思いました。
こんな状況が本当に起こるのかと!
私はお腹にとても敏感な女の子です。
敏感過ぎます。
自分で毎日のように自分の内臓を色んな方法で責めています。
特にお腹を圧迫されると耐えられない程の快感を
覚えてしまうのです。

今、この状況が私に取ってどんなことなのか信じられない程です。
自分で責める時には、いつも相手を想像して来ました。
正直なところ、私が密かに想い続けているあの男の人をです。
あの人以外の人は考えられません。
あの男の人に責められたい。
そんな夢を見て来ました。

 

あの絵に反応しない先生は、あの男の人ではありません。
だから、私には論外の人です。
ですが、
そう分かっているのですが、なぜか先生が
どうしてもあの人と重なってしまうのです。
今回の先生に対する突発的な悪戯だって、そのことが原因です。
考えればその悪戯が元でこの状況が作り出されたのです。
何か不思議な因縁を感じさせられて、
だんだんと変な気持ちになっていく自分を感じました。

 

あ~ お腹の中から何かが芽生えてくる、、、、
私のお腹が押しつぶされて腸がぺちゃんこになっている。
あの人が私の内臓を責めているわ、、、、、、
私の内臓を直に感じているわ、、、、、、
腸の動き、腸の音、消化でうごめく長く繋がった腸が
私のお腹の薄い皮数センチを隔てて先生の顔に触れている。
腸の間の粘液のねばつく音が先生の押し付けられた耳に
鼓動とともに伝わっている。

変な気持ちを一生懸命に他のことを考えて
散らそうとしました。


今日の晩御飯のおかずのことや、
今育てている花のこととか、
ショッピングでどんな服を買おうとか、
友達のこととか、
あの時、描いた絵のこととか、
勉強以外のことをぜ~んぶ考えました。

でも、でも、
無理です!

こんなにも条件がそろい過ぎてて、それを散らすなんてことは、
しょせん無理です。


お腹の奥が熱くなってくるのが分かります。
下の方も変です。

先生の顔が私のお腹の中に埋もれてる!

あ~ そんな~

・・・

お腹の中で何かが溶けだしていきます。

あ~  どうにもならないわ!
抵抗してもダメか~

・・・

私は息をすべて吐き切って全身の力を抜いていき内臓だけで
重みを受け止めました。
すると上部の重量が、ぐにゅ~っと一層深く腹部にのしかかって
内臓が、ぬめるように動き始めました。にゅるる~る~う、、、
はあ~ 、、、、いい、、、




俺! なんでこんなことになっちまうんだ!
全く信じれない状況だ!
この子も今のところケガはないようだし、良かった!
俺もケガはどこにもないが体が全く動かない。
この子を助けようとしてこうなったが、
この子の腹の弾力のお陰で俺の頭は本棚のショックから救われた。
タイミングが悪ければ硬い床で頭がつぶされてたかもしれない。
全く変な話だ!
助けに入って、助けられたのか!
でも何でこの子なんだ!

 

この子を安心させるために助けを待つと言ったが
助けが本当に来るだろうか?
まさかこのまま朝までとかないだろうな!
でもこの子とならず~っとこうしていたい!
バカ! 俺は一体何を考えてる!
だが、いつまでこの子の腹が持ちこたえるだろうか?
こんなにぺちゃんこのままで耐えられるだろうか?
何としても助けないと!
俺の頭は頭蓋骨で硬いけど、この子は内臓だけで重量を
受け止めている。


腸がつぶれているはずだ!
その内、もがき苦しんで悪くすれば、、、、、
ああ~ 考えたくない、、、
絶体に助けないと!
早く、誰か、助けてくれ!
教員室には誰も居ないのか?
今の揺れをチェックしに来ないのか?

腹部内から鼓動の音が大きく耳を打ちます。
大きな本棚で押し付けられ頭の横半分は彼女の腹部にピッタッ!と
密着して埋もれているのです。

 

その腹部内から彼女の鼓動が直接伝わってきます。
こんな経験は初めてのことです。
人間の鼓動をこれほど強く押し付けて耳で直に
聞くなんて生まれて初めてです。

鼓動が耳をドンドンと打ち付けます。
それだけではありません。
腹部には動く物体があって、
それが異様な音を立てて横顔皮膚をいっぱいに
這いまくるのです。


内臓です。
彼女の腹部内の生き物が動いています。
あ~ まただ、、、、
また、動き出した!
制服の上からでもはっきりと感じ取ることが出来ます。
ゆっくりと、ねじれるように、はうように、にゅる~っと動きます。


その感触に今まで経験したことのない異様なものが
俺の全身に広がっていくのです。

あ、あ、、、、あ~ にゅる~っとした固形物が
脳細胞の感覚を麻痺させていきます。

強烈です。あ~、、、、、


この子は、俺に対していつも目を背けて来た。
廊下ですれ違っても、授業の時も、俺の顔をまともに見ない!
わざと目を反らせている。なぜなんだ?
俺は気になって、ず~っとこの子を遠くから見ていた。
教師の立場で、
特定の女子生徒だけに目を向けるなんてことは出来ない。
色んな問題がそこにはあるし、面倒な事態になりかねない。
だが、
それは分かっていて、内心はこの子の何かに強烈に引かれ、
この子のことをず~っと思ってきた。

この子の瞳が、なぜ俺を避けるのか、なぜその美しい瞳で
俺を見つめてくれないのか、毎日のように悩んできた。
俺は教師としては失格だ!
1人の美しい女子生徒に心を寄せてしまった。
それも強く惹かれどうにもならなくなっている。

それにしても、
あの強烈な絵は一体何なんだろう?
今まで俺はあんな激しい愛の絵を見たことがない!

授業中に回っていて、あの絵を見た時、俺は
何かで胸を一突きにされたような大きな衝撃を受けた。
足が止まって、一瞬、言葉を失ってしまった。

あの絵は一体、何を、誰に訴えているんだろう?
この子の胸に秘められた燃えるような愛の絵だ!

きっと、それほどまでに好きな人がいるんだろうな。。。。
ラベンダーの花に関係ある相手だろう。
残念ながら俺は対象外ってことか。。。。

彼女の鼓動がピクピクと、密着したほうを打ちます。
体の呼吸の音が聞こえます。消化の泡立ちが聞こえます。
腸の中を何か流動物が流れる音が大きく聞こえます。
一体なんなんだ? これって何だ?
単なる人間の腹だ! 当たり前の体内の動きだ! それだけだ!
いや、あの瞳の美しいキレイな女の子の肉体の内部の動きだ!
平常心を保たなければ!
俺は教師だ!
 

でも、、、、、

ああ~ また 動く 移動してる。。。。強烈過ぎる!
一体この腹部の中身はなんなんだ!?
うわ~ 動きが、、、うねりが、、、、激しくなってくる、、
吐息が早くなってくるのが分かる。。。
鼓動も激しくなってる!

一体どうしたんだ?
彼女、苦しいのか? 一体どうしたっていうんだ?
耐えれないのか?

お~い! お前! 大丈夫か~あ?
返事してくれ~

お~い お~い!
苦しいのかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ!
なぜ黙っている?

返事しろーーーーーーーーーーーお!


うわ~ 彼女の内臓がまるで俺に襲い掛かるようだ!
ぐにゅ~ ぐちゃ~ ああああ!

ぐちゃーーーーーーーーーーーーーーあーーー

ぐにゅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~う!

ねちゃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~あ!

ああああ、、、、、、ますます活発に動きだす!


この強烈な濁音は一体何なんだ、、、、!
あああああああああ~ 脳の中にめり込んでくる~!


やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーお!

狂ってしまうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーう!

ぐちゃーーーーーーーーーーーーーーあーーー

ぐにゅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~う!

ねちゃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~あ!

 

ああ~ 腸が、、、腸が、、、、、

 

ぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっと!
俺の横顔を突き上げる。。。。。
突き上げたまま、顔をなどって這いまくる。。。。。。
汁っぽい異様な音とともに、腸の群れが俺を包み込んで
気持ちをどこかへ引っ張っていく。。。。。
長く繋がった腸が俺を誘惑する。。。。一体俺をどこへ連れていく?
あ~ 興奮してくる!

激しい肺の音と高鳴る鼓動と腸のぐちゃぐちゃ音で
まるで自分が彼女の腹部の中に頭を突っ込んでいるように思えました。

あ~ 体が、、、、体が、、、彼女の体が明らかに変だ!

 

ぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーっ!

 

どうした? え?

あっ! 呼吸が止まった! 肺の音が聞こえない!
どうしたって言うんだ?

体が、彼女の全身がまるで燃えるように熱い!

あ~ すごい力で伸びていく!

腹部から汗が滲みだし服を濡らして俺の口に染みてくる!
これって汗?
何て甘~い味なんだ! 
清潔な香りがいっぱいに立ち込めて、それが俺の顔を包み込んできます。
甘酸っぱい汗が口にじ~っとりと入ってきて口の中に広がっていくのです。
あ~ お前! なんなんだ! 男の興奮がどんどん湧き上がってきます。
強烈過ぎる!こんなの初めてだ!

鼓動が激し顔を打ちます! 肺は動いてない! どうなってるんだ?


あああ、、、、、、、 彼女の筋肉が強烈に硬い!
全身が伸び切って、、、、止まったままだ!
どうした? ど~したっていうんだ!
まさか、、、、、、?

・・・

う?

・・・

・・・

あっ! あ~

ゆるんでいく、、、、、突っ張った筋肉が緩んでいく。

激しい鼓動の中で呼吸の音が聞こえだしました!
止まっていた呼吸が復活し激しく乱れています!

・・・

時間が経つにつれて、
呼吸も鼓動も収まっていきます。、、、、、、何て刺激的なんだ!
絶体に口に出して言えないけど、
こんなに興奮したのは初めてかもしれない!
この子は一体何なんだ?




息をすべて吐き切った腹部は内臓だけで先生の頭と本棚の重量の
重みを受け止めています。

何かがお腹の奥から、
じわ~っと湧き上がってくるのを感じました。

と、その時、

一瞬ですが、変な光景が瞼の裏にパッ!と浮かんできました。

パッ! 

え! なに?

知らない夜の街が浮かんできました。
私と男の人がラベンダーの鉢の窓辺に立っているのです。
それがどこなのか分かりません。
高いビルの一室のようです。
2人で夜の街を眺めています。
私は高校生で年上の男の人と一緒です。
私は今より少し幼い感じですが同じ高校の制服です。

 

男の人が私に言います。
今の君はまだ知らないかもしれないけど、
僕は君をこれからず~っと探し続けることになるんだ。

君に会えて本当に良かったよ。嬉しい!

あの街明かりのどこかに、将来の君がいるんだ。
どんなことをしても君にたどり着いて見せるからね。
待ってて欲しい、、、、

 

私は言います。
嬉しい! 幸せだわ!
ごめんなさい!高校生で!
でも、どうしても会いたかった。どうしても。。。
ず~っと、あなたのことを思ってきました。
これからも、ず~っとそうです。
今の私はあなたにとっては幼過ぎですよね。
分かっています。

あなたが言ってる内容は全ては分かりませんが、
もし私がこの街明かりのどこかに居るのでしたら

私を必ず見つけてください。
未来の私を!

 

そう言って、
何故か二人はマジックで手の平に文字を書きあっているのです。

私は彼の顔を見つめてから、彼の手の平に一文字を書きました。

 

カチン!

 

ハッ!

 

なに! 今の! なんなの?

先生と私が何処かのビルで夜景を見ていたわ。
窓辺にはラベンダーの花が咲いてた!

先生と私が一緒に居た!
先生に間違いない!
話の内容はさっぱり分かんないけど、
ハッキリと顔を見たわ! 先生だった!
そしてラベンダーの花もあった!
今より年上の先生だったけど、先生に間違いない!
でも、なぜなの?
今より年上の先生と今より幼い私が、なぜ一緒にいるんだろう?


・・・なぜ? なぜ? なぜ?

・・・ 数学より難しい! でも、

一生懸命に考えます。難し過ぎる!
それでも考えます。

・・・

頭の中で色んな事がまるで光速の勢いで浮かんできます。

・・・なぜ? なぜ?

・・・なぜ?

・・・ 1つの結論を出しました。

分かった!
難しい理由は分かんないけど、ここにいる先生は
私が中2の時にあの花火大会の夜店で出会う前の人だ!
だからラベンダーの絵を見ても反応しなかったんだわ!

出会ってないのだから反応するはずがない!
でも間違いない!先生と同一人物だ!
同じ人だ!
だって、顔も一緒だし、窓辺にラベンダーもあった!
間違いないわ!

先生は私がず~っと想い続けて来た人に間違いない!
これだけは確かだ!
ただ私と出会う前の人だったんだわ!

やっぱり思った通りだった。
あの夜店で出会った男の人がここに居る! 先生がそうなんだ!
私が、ず~っと想い続けてきた、あの夜店の男の人がここにいる。
しかも、私のお腹に顔を埋めているなんて、、、、、!


まるで夢のような信じられないことが、今私に起こってる。
時間がおかしい、、、、なぜか、何か、どれだけか、ズレてる、、、
そう考えないと解けない!

でも、
先生の言葉の意味がわかんない?
僕は君をこれからず~っと探し続けることになるんだ。

私をず~っと探し続ける?

・・・先生が私を探し続けるって、ど~いうこと?

嬉しい! 幸せだわ!
ごめんなさい!高校生で!
でも、どうしても会いたかった。どうしても。。。

うん!うん!
この意味は最高に分かる!! 納得!

でも、問題は次だわ、、

私を必ず見つけてください。
未来の私を!

未来の私を見つける~? 全然分かんない?

ど~いうこと? いくら考えても分かりません。

今より幼い私と、今より年上の先生が2人で手を取り合って
都会のラベンダーの窓辺から夜景を見ながら話している。
時間が完全にずれてるわ!


でも、確かなことは、
2人は愛し合ってる!
そして将来きっと結ばれたいと思ってる!

嬉しい! 幸せだわ!
ごめんなさい!高校生で! そう私は言ってる。

と言うことは、
今の私が大人になって年上の先生と愛し合う!
ここに居る先生はまだ私と出会っていないけど、
未来の私を愛してくれるんだ!

それと、
私は以前にも未来の先生の処に行ったことがあるんだわ!
今より幼いということは、おそらく高1位の時だ!


あ! 2人は何か手の平にマジックで文字を書いていたわ!
うん~ 思い出せない!

確か、 たしか、、、、、うん~~~~~ あっ!

「宝」

そうだ、間違いないわ!
見えた!

でも何の意味なんだろう?
宝がどうしたんだろう。。。。。? なんなの?
互いの手の平に「宝」、、、、、、、?

うふ~ん、、、、、、、?
何か意味があるはずだわ! なんだろう?
意味がわかんない、、、、、、?

・・・


ハッ!

どんなことをしても君にたどり着いて見せるからね。
待ってて欲しい、、、、

私にたどり着く!     ???
待っててほしい!     ???
「宝」!         ???

??

どんなことをしても、、、、、、、って言ってる。

ハッ!
私が 「宝」!
先生が「宝」!

確信はないけど、
きっと先生と私の未来には色んな事が待っているのかもしれない。

話の内容からして
決して楽な道ではないような気がするな~
きっと苦しいことや悲しいことも、
いっぱい待っているのかもしれない。。。。。


未来の私か~
未来の先生!


でも、私はず~っと先生を想い続けていこう!

先生!
先生は、私が想い続けてきた人でした。
ラベンダーの花を見るたびに先生のことを思い続けて来ました。
会いたくて、会いたくて、
どうしても会いたかった。どうしても。。。
だから私は以前にも未来の先生に会いに行ったんだわ!
多分、高1の時にです。

分かったわ!
全てでないけど私なりに理解できました。

美術の授業での先生の言葉を思い出します。

じゃあ、
このラベンダーの花火が開いた一瞬の間だけ、
時を超えて、このカップルは出会っているのか~!
手を繋いでるね! きっと幸せなんだ!
いや~! 素晴らしい!


一瞬の間だけ、
時を超えて、
出会っている

あっ!
今のこの状況も、、、、もしかして?
一瞬の間だけ!

もしそうなら、
先生!
先生の言う通り一瞬の間だけてもいいです。
私は先生の温もりを感じていたいです。
先生も私の全てをしっかりと感じてください!
私の内臓のうねりも、私しかない体の匂いも、私の汗の味も
心臓の鼓動も、吐息も、全てをしっかり感じてください。
これが例え夢だとしても、覚めても先生の脳の何処かにしっかりと
私の全てを残してください。私もそうします。
いつの日か、時を超えて、それがよみがえった時に
より一層先生のことを愛せるようにしたいです。

あ~ 先生! 
ごめんなさい! こんな意地悪をして、、、、、
そのために、こんなことになっちゃって。。。。。
私を助けるために、こんな災難に出くわすなんて
本当にごめんなさい。
先生は本当に優しい人です。
私の大好きな人です。

 

はあ~
内臓が、ぬりゅ~っ!ぐにゅ~っと動き始めます。
あ~ ヤバイ! はあ~ 、、、、いい、、、

我慢出来ない、、、、、、  いいいい
あ~ コントロールできない!
勝手に腸が動き出すわ! 、、、、い、いい
は~ このままだと私、、、、どうしよう、、、あ~
お腹の奥から突き上げてくるわ、、、、抑えれない!


でも、でも、先生になら、、、、、、、いい
先生にお腹を圧迫されてる。。。。。先生に。。。。。
こんなに強く内臓を圧迫されちゃってる、、、
ず~っとこれを想像してきました!毎日のようにです。
腸が、腸が、、、、勝手に動き出して止まらない、
恥ずかしい、、、、でも、止めれない!

どんどん進んでいく、、、、だめーーーーーーえ!
先生! 恥ずかしいわ。。。。。でも、どうしようもないです。
だって、先生だもん! 
あなたはあの夜店の男の人なんだもん。
嬉しい~い! いいい、、、、、快感だわ、、、、

私はず~っとこれを夢見て来ました。 ず~っとです。。。

あ、 あああああああああああああああああああ、、、、、



2階の教室の窓を閉めてカーテンを閉じていきます。
何故か空しいため息が出ます。。。はあ~
最後の窓を閉めようとししました。
カーテンに手を掛けて、ふと下を向くと、

あ!

先生が!  先生が、歩いている!

校舎からちょうど出てきて帰るところです。

私は、信じられない行動に出ました。

教壇の処に走っていき即座にチョークを1本取り出し、

右手に握って体を大きくそらし後ろ腕を思いっきり振って


えい!


先生を目掛けて投げつけようとして、止めました。

まさか! まさか! そんなこと出来るはずがありません。

いくら何でも出来ません。

私は最後の窓を閉めてカーテンを閉じて帰宅しようとしました。


あれ?


カバンと体操服がない? なんで?

机の上に置いたはずなのに、どこへ行ったの?

辺りをキョロキョロ見渡すと後の本棚の前のフロアーにありました。
何で? いつの間にこんな処へ、、、、、? 変だな~
まあ、いっか~ なくなったんじゃないし、、、、
あ~ お腹空いたな~
今日の空腹感はお腹を何かで押さえつけられた感じだな~?
なんでだろう?

まあいっか~ か~えろっと!


1週間後、
朝学校に行くと、クラスの友達が何か話していました。
又聞きなのですが、美術の男の先生が解任されたとか言っていました。
臨時教員だったので、
以前の先生が復帰したための解任ということでした。

何だか人気者の先生だったみたいで、
みんな残念そうに話していました。

私は全く興味がありません。
この3ヵ月間、その先生とまともに目を合わせたこともありません。
女子高生が男の先生に関心を持つなんて信じられないことです。
みんなには言いませんが、
バカみたい!って思っていました。

解任の美術の先生の授業の時に描いた絵がクラスで全員に返されました。
先生が居なくなったので、朝1番に担任の先生が配りました。

私の絵が帰ってきました。


はーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ!

なんだーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ! これ!


ラベンダーの花火!
花火の夜店!
手を繋いだカップル!


私、そ~いえば、こんな絵を描いたんだっけ!
下手な絵だな~あ、、、、、、、、絵の才能なしか!

裏を見ます!


はあ~?

一瞬の間だけ、時を超えて、
ラベンダーの香りが2人の心を強く結びつける!

心が込められてるね! 先生より

先生より~? 、、、、、 なんだこれ? 意味不明?


まあ、いっかあ~  ルンルン!


夢と幻想の森