朝起きると、なぜか涙を流しています。
そんな日が最近よくありました。

何がそんなに悲しいのか、
何故、私は泣いているのか、その涙の意味が分かりません。
ただ、朝起きると泣いているのです。
泣いているのに、その理由が分かりません。

悲しい夢を見たのだろうか?
とても辛い夢だったのだろうか?

ですが、その夢すら思い出せないのです。
ただ、私のベッドは涙で濡れていました。

なぜなの?
なぜ私はこんなに涙を流しているの?


そんな生活の中で、
高2の2学期を迎え勉強に励む日が続きました。
1学期の後半から猛烈な勉強態勢に入っています。
なぜ自分がそれ程までに勉強をするのか、
自分ですら分かりません。
進学高校ですから勉強をするのは当たり前のことです。

ですが、以前の私では考えられないことでした。
ただ、がむしゃらに机に座って、時には
机の上で朝まで眠ってしまうこともありました。
そんな時にも、涙で机が濡れていました。


母が私の体を気づかって心配しました。

母が言います。
そこまで勉強しなくてもいいのよ!
あなたが元気で居てくれたらそれだけでいいんだからね!
体を大切にしないと、、、、わかったわね!
母の優しい思いやりの言葉が胸に染みます。

それでも私はただがむしゃらに勉強を続けました。
何のために勉強するのかなんて全く考えませんでした。
将来、この勉強が何の役に立つのだろう?
そんな疑問も起こりません。
ただ、勉強しているのです。
必死でやります。


大人の人を見ても、
私たちがやってる勉強を日常で使ってる人はいません。
それなのに、なぜ、こんな勉強をするのだろう?
殆どの人がその疑問にぶつかり悩んでいました。
進学を意識してというのは分かります。

ですが、私たちは進学のために、
勉強をしているのでしょうか?
それぞれの納得いかない疑問の中で私たち高校生は
勉強が出来るかどうかで、人の価値を判断されていました。

私は勉強が好きではありませんでした。
好きでないものはしません。
高1の時は成績が悪く、クラスでもイヤな思いをしました。
担任の女の先生は明らかに私をバカ扱いにしていました。


そんなこともあってでしょうか?
それとも、何が別のことでなのでしょうか?
私は、
みんなが悩む疑問は無視してひたすら勉強に励みました。
食べる時間とお風呂の時間と花の水やり以外は勉強しました。
たまに、気晴らしに、
私の秘密の森に出かけ、お腹をしっかりと責めました。
お腹の内臓に木の切り株や岩石の鋭い先端が食い込ませて、
私だけの別の世界に酔いしれました。
その森だけが私の全てを理解できる場所でした。
ですが、最近は何かが違っているのです。
何かが違う!


私がいくらイレットに話しかけてもイレットはどこにもいません。
何故かしら、
私にイレットが全く返事をしてくれないのです。

そのことが原因で涙を流しているのでしょうか?
それが原因で勉強を死ぬほど頑張っているのでしょうか?
私的には、そんな理屈は成り立ちません。
何故なら、イレットは元々私の想像の彼氏だからです。
分かんないのです。。。涙の意味が分かりません。


ですが、
心のどこかで、何かを埋めるために必死で勉強をしているように思えました。
それが、何なの分かりません。
物なのか?、人なのか?、場所なのか?、分かりません!
きっと、
忘れてはダメなもの、忘れられないもの、思い出したいものです。

どこかに、なにかを置いてきて、持ってたことも思い出せず、大切なのに、
それさえも気が付かず、ただボ~っとしてて心がかすんでて、
それなのに、いつもそれが見え隠れしてるような感じです。


成績はこの中間テストで2番になりました。
信じられない結果です。
私はただ習った範囲のことを繰り返し勉強しただけです。
教科書を繰り返し勉強しただけです。
ただその回数は分からない程何度もやりました。
教科書は殆ど丸暗記している状態でした。
試験はほとんどが、それと同じか似たような問題でした。
とても簡単に回答できました。
だから2番と言っても私にとってはビックリではありませんでした。

一番のビックリは先生の態度が急変したこと!
いつも1番の女子に、にらまれたこと! 点差は1点でした。
ただそれだけです。


そんなことより、
私の心の中でいつもモヤモヤとした思いがつのっていることでした。

わたし、 わたし、、、、どうしたの?

成績が上がったことは、それなりに嬉しかったのですが、
それよりも、自分が何を求めているのか?
何を探しているのかが、気になっていました。
何かを置いてきた。それが何なのか? 大切な物。。。
そのことをいつも考えていました。

授業中も先生の話や黒板の内容は理解できました。
予習も完璧にやっていたからです。
一時のように何処かをボケ~っと見るよなことはありません。
頭の半分で授業に集中し、残りの半分は、
何か別のことを考えているのです。


休み時間に廊下を歩いていても、その先に何かを探し求めているのです。
何もないのに廊下の先を見つめているのです。
女子が走って行く廊下の先を見つめて、
何故か胸が締め付けられるように痛むのです。
涙が滲んでくるのです。

教室の窓から外を見つめています。
校舎の出口を見つめると、男子や女子の生徒が話しながら
行き来しています。
その姿をじ~っと、だだ見つめています。
そこには何ら変化のない日常の学校の様子があるだけです。
男女の生徒がふざけ合って、押し合いこしています。
それをただボ~っと! 眺めています。
胸が締め付けられるように痛みます。
何故なの? わたし、、、

と、その時です。

一瞬、瞼の裏に パッ、パッ!っと光が広がって、
見下ろす光景が一瞬変わりました!

1人の男の人が見えました。

パッ、パッ!

ほんの一瞬です。

校舎の出口を歩いている1人の男の人の姿でした。

ハッ!  なに?

私は目をこすってもう一度同じ校舎の出口を見直しました。
男子や女子の生徒が話しながら行き来しています。

!!! ???

あ~、気のせいか~ 昨日は深夜過ぎまで勉強したわ!
疲れちゃってるのかもしれないな~!
特に、目が疲れてるんだわ!
そう思いました。

でもその時、

あれ? また涙が滲んで来ます。

目から涙がほうを伝わって一筋流れていきます。
1粒の水滴が床に落ちていきました。

なんで? なんで涙が流れてるの?
私、泣いてるの? そんなバカな、、、、
あ、そっか~、、目をこすったので涙が出てるんだわ。。。
でも、その時、
胸がキューっと差し込むように痛みました。


6時限目は美術の時間でした。
1学期の途中から復帰した女の先生が校庭に咲いている
コスモスの花を1輪花瓶に生けて、その花の描き方について
説明しています。

鉛筆でのデッサン、背景や色の重ね方、筆運び、
遠近法や影の着け方について説明をしています。

絵を描く技法についていっぱい説明しています。

女の先生が言います。
では私の説明に従ってこのコスモスを描いてみてください!
じゃあ、始めて!

みんなが一斉に絵に取り掛かります。
私はお花は育てるのは得意で大好きですが、
ハッキリ言って絵は得意ではありません。



ですが、
何とかコスモスの輪郭を自分なりにデッサンしていきました。
コスモスの花の輪郭が鉛筆でなんとか出来ました。
絵の具をパレットに出します。

紫色の絵の具です。

パレットの紫色の絵の具を筆に着け、水入れに筆の先を
少し付けると、水の中に紫色がパーッ!と広がっていきます。

画用紙に向かって軽く筆の先を付けました。

と、その時です。
瞼の裏に、パッ!とある光景が広がりました。




パッ!

美術の授業です。
場所はここと同じです。
男の先生が私たちに何かを話しています。

 
先生が言います。

先生は、みんなの描いた絵の評価はしない。

先生が思うには、
絵はいかに自分の心が込められているかが大切だと思うんだ。

口では言えないこと、誰にも話せないこと、聞いてもらえないこと、
大切な物、大切な人、夢や、希望や、怒りや、苦しみ、悲しみ、そして愛!
色んな事がだれだってあると思う。
君たちにもあるだろう。。。

絵にならそれを吐き出せる、表現できる、素直に心の中のものを
自由に描き出せるんだ!

それが、今回のテーマなきテーマなんだ。
いいね!

そして、私の順番が来てドキドキしながら、
私が描いた絵をみんなの前で発表しています。

あの、、、、この絵は、、、、これは、、、、

・・・ にこにこ、、、笑いでごまかす、、

これは、、、、、、、(説明が出来ません)

・・・ 男子が笑っています。

この絵は、、、、、、、これは、、、、

・・・

先生が質問します。
花火が、何かの花のようだけど?
花の名前を知りたいな?

・・・

あ、 はい! ラベンダーの花です。

・・・

ラベンダーの花か~?
先生はラベンダーのこと全然知らないんだけど、
どんな花なんだろう?

 

は、はい。
ラベンダーの香りは、時のねじれを生み出す力を秘めていると言われています。

時のねじれを生み出すか~!
へえ~ 不思議な花なんだね!

じゃあ
このラベンダーの花火が開いた一瞬の間だけ、
時を超えて、このカップルは出会っているのか~!
手を繋いでるね! きっと幸せなんだ!
ラベンダーの香りが2人の心を強く結びつけているんだね!
現在、過去、未来、どの時をも超える2人の深い愛情を強く感じるね、、!
いや~! 素晴らしい! 誰かに何かを訴えたいんだね!

実に、感動する絵だ!



ハッ!

先生! 

1学期に描いたあの絵!

私の絵の裏に先生が書き残してくれてたあの言葉、、、、

———–
一瞬の間だけ、時を超えて、
ラベンダーの香りが2人の心を強く結びつける!

心が込められてるね! 先生より
———-

あ~ なんてことなの! 
私は絶対に忘れたくない人を忘れていた!
私の何よりも大切な人を忘れていた!
ず~っと想いを寄せてきた命より大切な人を!

それは、それは、先生!

あ~! 先生! 先生! 先生!

休み時間に瞼の裏に一瞬見えたのは、

先生!


涙が溢れてほうを伝わって床にポロポロと落ちていきます。
なぜ、今まで分からなかったの?
なぜ、思い出せなかったの?
私、なんてバカなの!

この紫はコスモスじゃあない!
ラベンダーの紫だわ!
先生と私を繋ぐラベンダーの色だ!

それまで、自分が探し求めているものに気が付きました。


私が、私が、探し求めているものは先生だった!
あの温かい優しい先生だ!
今までず~っと私が想い続けて来た人、それは先生だ!
あの花火の夜店で出会った男の人は先生!
涙で画用紙が見えません。
胸が耐えられない程、ぎゅ------と締め付けられます。
先生はもうどこにも居ない!
何処かに行ってしまった! 
あの言葉を残して先生は私から去って行った!
先生に会いたい! 
私の大好きな先生にもう一度会いたい!
先生の温もりの中に包まれたい!


先生! 先生! 先生! 先生! 先生! 先生!

涙が溢れて止まりません。


あ~ 神様! 
私を、あの時にもう一度戻して下さい。
そして先生にもう一度会わせてください。
そのためだったら私はどんなことでも致します。ですから、
どうか、お願いします。お願いです!
胸が締め付けられて潰れてしまいそうです。
あ~心が壊れてしまう、、、、、、。



今日は掃除当番でした。

みんなが帰っていきました。
もうクラスには誰も居ません。教室には私一人です。
教室の外側の窓を1つだけ残して後は全て閉め切りました。
あの時、先生にチョークを投げつけた窓だけを残してです。

私はある準備をしていました。
後ろの大きな本棚の下に掃除用具や何冊かの本を刺し込んで
わざと本棚を不安定な状態にしていました。
必死でした。私にとっては重労働です。
でも先生にもう1度会いたい!

掃除用具の中の何か分からないロープと私の体操服を結び付け
長いひも状のものを作りました。
そして、本棚の扉の鍵の出っ張りに結びつけました。

本棚は不安定な状態でゆらゆらと揺れています。


出来た! 


心臓がドキドキしているのが分かります。
本棚には本がぎっしり並んでいて、その重量は
予想も出来ません。とても重い物です。
身震いがするほど重い物です。
これが私の体の上に倒れて来るんだわ!
失敗すれば体はどうなってしまうのか想像できました。
間違いなく、べちゃっ!とつぶれます。

私はゆっくりと本棚の前の床に仰向けに横になりました。
あの時と同じ場所に、私の胸より下が本棚につぶされる位置にです。

両腕をゆっくりと頭の方に上げていきます。
その右手には紐を握っています。

ロープを引けば本棚は私の体に勢いをつけて、一気に倒れます。

4ヵ月前に私はここでこの本棚の下敷きになってしまったのです。

先生と一緒にです。
あの時、先生は私を助けようと危険を顧みず私に飛び込んで
来てくれたのです。


神様! 私をあの時に戻してください!
ダメなら私の体を差し上げます。
私は死んでも先生に会いたいのです。
どんなことをしても先生に会いたい!

私はしばらく目を閉じ呼吸を整えていきます。
床の冷たさが体に伝わってきます。
もしこの手を引けば、棚が倒れて来て私の体はつぶれる。
きっと大怪我をするか、悪ければ死ぬかもしれない。
朝までだれも気が付かず、ケガの場合でも、
それまでには、きっと息絶えているわ!
学校での事故ということで済まされるだけかもしれない!
お母さん! 今までありがとうございました。本当にごめんなさい!
私は女としての愛を知ることが出来ました。
その愛を求めていきます。どうか分かってください。


私には分かっているのです。
これが私の最後かもしれない!
普通に考えれば、そんなバカなこと、だれもしないに決まっています。
愚かな行為です。分かっています。
でも4ヵ月前に帰りたい! 先生の処に!
でも恐怖で紐を握った手がブルブル震えています。
心臓が破裂しそうに高鳴っています。
あの時は先生と二人でこの教室にいたわ!
でも今は私だけ!
きっと悪い方になる!
それでも私は先生に会いたい!


先生! 

涙が枯れるほど流れていきました。
神様!私を先生の元へ連れてって!

一瞬の間だけ、
時を超えて、
先生に会わせてください!  お願いです!

4ヵ月前に私を戻して~!

目を閉じて、先生のあの時の微笑んだ顔を思い浮かべます。



右手を引きます!

先生ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!


ぎゅーっ! 



ドスン!




ぬる~~~~~~~~~~~~~~~~~~う~~

ぬ~~~~~~~~~~~~~う~~~~~~

ぐにゃ~~~~~~~~~~~~~~~あ~~~~~

どこから来るの~     体が小刻みに震えてる、、、、、

ぬちゃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~あぁ~~

あああああ~  いきそう~ ダメ―ーーーーーえ!

ぐにゅ~~~~~~~~狂いそう~~~~~~~う、、、~っ

ぬる~~~~~~~る~~~~~~~~~~~う~~

小腸が ゆ~~~っくりと やさし~~~く うねります。

ぐにゃ~~~~~~~~~~~~~~~あ~~~~~ぁ



腸が、腸が、、、、にゅる~~~~~~~~~っと大きく、くねる、、

ぬちゃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~あぁ~~

あ~ きもちいい、、、、、、、いいわ、、、、、、いい、、、

なに、、、、これって、、、、これって なに?

ぬる~~~~~~~~~~~~~~~~~~う~~

こんな、こんな、、、、快感、、、、、私の今までにない、、、、

は~、、、、、、、、、、、感じる、、、、、もう我慢できない

こんな優しい快感は知らない、、、、、いい、、、

ぬちゅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~う~~

も耐えられない~  お腹が、、、、、、内臓が、、、、

ぐにゅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~う、、、~

ぐちゅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~うぅぅぅ~

ああああああああああああああああああ、、、、、、、、、、



狂いそうになる程の快感の中で思いました。

どうなったの? わたし? 

死んだの? 体がつぶれちゃったの?

お腹が、、、 なにかに、、、、優しく、、、、揺らされてる、、

私、生きてるの? 本棚は? 先生は?

先生なの? 先生が私のお腹を揺らしてるの~?

ああ~ いいわ~ 最高にいい、、、、、いいいいいいい、、、

閉じた目をゆっくり開いていきます。
涙でぼ~っと辺りが滲んでハッキリ見えません。

????????  どこ?

ど~いうこと? ここってどこなの~? 

天井が違ってる! 壁も、窓も、、、、、教室じゃあない!

どこ? 学校じゃあないの?

じゃあ、どこ?  先生は?! 先生が私のお腹を触っているの?
先生以外に考えられない。
先生にならいい、、、私の体は先生のものだから、、、


いいわ、、、、、先生! 嬉しい、、、、、

あ~ いい、、、、、、

ぐにゅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~う、、、~

ぐちゅ~~~~~~~~快感だわ~~~~~~~~~うぅぅぅ~

ぐにゃ~~~~~~~う~~~~~~~~あ~~~~~ぁ


このままで居たい! 
先生が私のお腹をさすってくれてるわ!
また目を閉じます。
先生! やっとまた会うことが出来ました。
どんなに会いたかったかしれません。幸せです。
もっと、お腹をさすって下さい。  いいいいいい、、、、

先生が、私のお腹を本棚の圧迫から癒すために、
さすってくれているんだわ!


ああああ、、、、、いいい、、、、

ぬ~~~~~~~~~~~~~う~~~~~~

ぐにゃ~~~~~~ああああ~~~~~あ~~~~~

もっと、、、、にゅる~~~~~~~~~~~~~ああああ、、

そこ、、そこです、先生、そのぬるっとした処です。
そこが、そこが、、、、、、、あああああ、、、、、いいい、、、

ぬちゃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~あぁ~~

もっと深~く 、、、 入れてもいいです。。。。。

私の腸で先生の手を包み込ませてください。。。。ああ~ そこ、、

毎日、これを夢見て来ました。ず~っとです。 あ~ いいいいいい、、、

でも恥ずかしいです。先生!

とっても恥ずかしい、、、、、、、

そこ~~~~~お、、、そのくねりに沿って、、、ああ、、いい!

この世で先生は私の全てです。 
先生と一緒ならそれだけでいい!
私を助けるために先生は命がけで飛び込んで来てくれた!
ごめんなさい! 本棚の下敷きになんて、、、、、


でも、でも、また出会うことが出来ました、、、、、

あ~ その、、、、そこを、、斜め上に押し上げてください、、、、
あ~ 、、、、、、、いいいいい、、、、


でも、
なんで教室じゃないのですか~?
ここってどこなんですか~?
医務室なんですか~?

医務室にしては広い感じだわ~、、、、、


????


ここってどこですか~?

学校のどこですか~?

何処なんだろう?

恥ずかしいけど閉じた目をゆっくりと開いて先生の顔を見ます!


? ! きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ! バン!

ドドドドドドドドドーーーーーーーーん!  ドドドドーーン!!

ドタン! バタン! ドン! ダダダダダダダダダダダ!

バタン! ドン! ドドドーーーーーーーーン! ドタン!


ああああああ~、! 嘘!

先生じゃあない!!!

先生じゃあないーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!


私は、一気に空中に飛び上がると、全速で走って逃げました!
一旦、奥の壁にぶつかって、引き返して右の棚にぶつかって
左の壁にもゴン!して、
結局、その人を中心に大きな部屋を一周回って、
床の分かんないものを飛び越えて、ついでにそこにある
しゃくのようなものを手に取って、最終的には
中央の大きな柱の後ろに身を隠しました。


ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ、、、、、ドキドキ!

心臓がすごい勢いで打っています。 パンクしそう!

だれ!?


先生じゃない! 
先生じゃない人にお腹を触られてたなんて!
ど~しよう?


私の全ては先生のもの! 
先生だけのもの!
誰にも触らせない!
先生にしか触らせない!
先生以外の人に指一本触らせないわ!
絶体! 


なんてことするの! 
私の体に触れるなんて! 絶体に許さない!
私は先生のものなのよ!
先生の物に勝手に触るなーーーーーーーーーーーーあ!

卑怯者ーーーーーーーーお!
意識を失ってる女の子の体に触れるなんて最低だわ!
あなた誰!

一体誰なんだろう? だれ?

キョロキョロ、、、辺りを見渡します。
わ~? すっごい家だわ! どこ? どこなの、ここ?
私の家より10倍広いかも? それ以上かも、、、、、
周囲の壁に、いっぱいの絵が掛けられています。
何なのこの絵? いっぱい過ぎる!

でも、
なんで私がこんな処に居るんだろう?
私は教室で本棚の下敷きになったはずなのに?
4ヵ月前に戻りたくて右手を引いたわ!
先生に会いたい一心で命をかけてそうしたのに! 
それが何故こんなことになっちゃったの?
あの知らない人にお腹を触れられるなんて、、、、最悪だわ!

状況が分からないまま、怖くなってきました。


怖い!
わたし、一体どうなるの?
悪い予感がしてきます。
恐怖で体が震えてきます。
全身がガタガタガタガタと震えています。 怖い! 私どうなるの?
指の先が震えて両手を合わせて握るのですが止まりません。
私に何かするつもりなの?
きっと変なことされるんだ、、、、、ああ~

大きな柱から恐る恐るちょこっと顔を覗けてみます。
背中が見えます。
地味な和服を着た男の人です。


あっ! やっぱし男の人だ! あの男の人が私に触れてた!
私のお腹をさすってたの?  イヤだーーーーーーーあ!
先生~ ごめんなさーーーーーーーーい!
もうこれ以上は絶対にさせません!
死ぬまで抵抗し続けます!
だから、、だから、、、許して下さい!

男の人は座ったままです。

何やってんの?

え!?

ふ~む?、、、、、、、、、ん?

え?

お年寄り? おじいさん?
頭の髪が白いわ! おじいさんだ!

おじいさんでも男だ! 油断禁物!

私の体を触ってたHじじいだわ! 許さない!

しばらく柱から、Hじじいの背中を見ていました。
すると、


Hじじいが、言いました。
お嬢ちゃん! 手に持ってるものを返してくれないかい。
お茶を立ててあげるから、こっちへ来なさい!
君が手に持ってるものが無いと不便でね!
ひしゃくが無いと都合が悪いんだよ!
さあ、こっちへおいで!一緒にお茶でも飲もう!

優しい声です。

一瞬、迷いましたが、私はその棒をいつでも振り下ろせるように
右手で後に構えて、少しずつ、Hじじいの背中へ近づいていきました。

それで、私を殴るつもりかい?


きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ! ドキッ!


ドドドドドドドドドドドドドドドドドド!

私は、ビックリして走って柱の処へ戻りました。
ドキドキドキドキドキドキドキ、、、、、!

心臓が破裂しそう!
あの、Hじじい、後ろに目がある!

さあ、こっちへ来なさい!
私は悪い人間ではないよ! 安心しなさい!
お茶を飲めば少しは落ちつってもんだよ!
さあ、お茶を入れてあげよう、、、、

とっても優しい声です。

でも騙されないわ!
私の体を勝手に触ってたHじじいだ!

——————————————————————-

安心しなさい!
私は君の体に心配するようなことは一切していないよ。
ただ、君の腹部が何かで強力に圧迫されててね、
だから、それを癒していたんだよ!

もう元気になったみたいで、良かったよ!
本当に良かった!
安心したよ! 本当だよ!


ふ~む? とっても優しい声です。

Hじじいじゃあないかもしれない、、、、、、?

その声からして、悪い人ではなさそうです。そう思いました。
それでも恐る恐るゆっくりと、近づいていきました。
おじいさんの背中からドキドキしながら正面に回ります。

さあ、そこへかけなさい!
そのひしゃくを、、、、、、、、こっちに渡して、、、、
私は下を向いたまま、右手でひしゃくをゆっくりと、おじいさんに渡しました。
私はうつむいたままでいました。
おじいさんが、お茶を入れている気配がしました。


少しして、
私のひざ元にお茶の入った茶碗を置いてくれました。
茶碗の中で緑のキレイな泡立ったお茶が見えます。
私の体はガチガチに硬くなって少し震えています。

おじいさんが言います。
楽にしなさい! 怖がらなくていいんだよ!
さあ! お茶を飲んで!

私は、茶の湯の作法は全く知りませんでしたが、
おじいさんが立ててくれたお茶を両手でゴクゴクと飲み干しました。


あ~ 美味しい!

なんて美味しいんだろう! そう思いました。

体の底から、スーッと!緊張がほぐれていくのが分かりました。

どうだい? 美味しいかい?


私は首を縦に振りました。
私はそんな美味しいお茶を飲むのは初めてのことでした。
お腹の中が温かくなって気持ちが穏やかになっていきました。
私はゆっくりと顔を上げ、
初めて、おじいさんの顔を見つめました。


あっ?

・・・

・・・ う?

・・・


でも、なんて優しそうな顔をしているのでしょう、、、、、
この人は悪い人ではない! 直ぐに分かりました。
優しい顔が私を見つめて微笑んでいます。

おじいさんが言います。
私も驚いたけど、きっと君はもっと驚いているだろうね!
今の状況が分からなくて不安でいっぱいだろう!
君は高校生か~ 若いね~え、、 でも無茶をしてはだめだよ!
人生は長いんだから体を大切にしないとね。。。。。
お腹はもう大丈夫そうだね! 良かったよ、、、本当に良かった!


おなか~?

私は、おじいさんに聞きました。

あの~ ここはどこなんでしょうか?

周りの壁にはいっぱいの絵が飾られています。
私は、キョロキョロ辺りを見回しました。

ああ、、、その絵はね、私が描いたものなんだよ!

へえ~、、全部おじいさんが描いたものですか?

そうだよ! 
私はず~っと絵を描き続けて生きてきたんだよ!

へえ~ おじいさんの趣味って絵なんですね?

ハハハッ! 私の趣味か~、、、、
もう一つ私には大切にしている趣味があるんだよ!

あの廊下の向こうを見てごらん!

廊下の向こうにある広い庭に目をやります。
そこにはいっぱいのラベンダーの花が咲き乱れています。
ラベンダー畑が広がっていました。

はっ! ラベンダーの花!

おじいさん? ラベンダーの花が好きなんですか?

そうだよ! 
私はね、ず~っと以前からラベンダーの花が大好きでね
大切に育てているんだよ!


わあ~ じゃあ私と同じだわ!
私もラベンダーの花が大好きです!
お家で大切に育てています。
こんなに多くではありませんが、、、

ラベンダーの花はいいね~

そう言って、おじいさんは立とうとしましたが、
右足が不自由みたいで少しぐらつきました。

足をどうかされたんですか?
いやいや何でもないよ! 
何年か前に、山でね、、岩に足を挟んじまって。。。。。
そう言って廊下の方へ歩いて行きました。
私も、その後を追って廊下に出ました。

あ~ ラベンダーの香りがいっぱいだわ~!

先ほどまでの緊張感は全くなくなって、ただ庭のラベンダーの
花と香りに包まれて今までの状況を忘れていました。

わ~ きれい! 
私は嬉しくなって、あ~ なんて幸せなんでしょう!と言って
廊下から庭に乗り出しました。

庭に降りてみるかい?
そこに履物がある! 下りてみなさい!

私は嬉しくなって、廊下から、

えい! ピョーーーーン! パッ!

制服のスカートがフワーっと広がって、
まるで空を飛ぶように庭の履物に着地しました。
直ぐに、ラベンダーの元へ走って行きました。

わ~ すっごい! すっごい! きれい! ラベンダーがいっぱい、、、
私はあまりの嬉しさの中で、ラベンダーの香りに包まれ
体をくるくる回してラベンダーの庭先をいっぱいを飛び跳ねました。



おじいさんが廊下の上に立ってこちらを向いて私を見つめています。
優しそうな顔で私を見つめています。。。。。

ラベンダーが好きな人に悪い人なんていないわ!
おじいさんは良い人だ!

私は、おじいさんに手を振って言いました。

おじいさん~ おじいさんも来てくださ~い、、、、



おじいさんが言います。

君はキラキラ輝いているね! キレイだよ! まぶしいくらいに光輝いている!

何ですか~ 良く聞こえませ~ん!


君を思いっ切りこの手で抱きしめてみたい!
君はまるで妖精のようだよ、、、、、
いつも美しく輝いている、、、、ず~っとそうだ、、、
時を超えて私の前に現れては去っていく、、、、、
その美しい瞳をどれだけ愛しているか、
今の君には分からないだろう、、、、、、、

真実の愛を私に教えてくれたのは君なんだよ、、、、
純愛がこの世にあることを教えてくれた!
その愛を求めて私は、ず~っと生きて来た! 
愛おしい君を追い求め生きて来た! 
私の体はいくら老いても、心が老いることは決してないんだよ!
君を抱きしめて放したくない!
出来れば狼になって君のその輝く肉体を思いっ切り愛撫したい。
君と一体になりたい!
でも、君の心を傷付けることだけはしたくない!
それだけは絶対に出来ない!



何ですか~あ? もっと、大きな声で言って下さ~い!

ラベンダーの香りは、時のねじれを生み出す力を秘めているんだね!

えっ! なんで知ってるの? 私はそう思いました。

そっかあ、、、
おじいさんも昔人間だから知ってるんだ! 昔からの言い伝えだもんね~
結構、広く知られているんだ、、、そう思いました。

そうなんです! 時のねじれを生み出す力があるんです!
おじいさんも知ってたんですね~

ラベンダーの花の香りが私の体を包み込んでいきます。
この香りだ~い好き、、、、、ラララ~、、、ルンルン!


更に、おじいさんが言います。


一瞬の間だけ、時を超えて、
ラベンダーの香りが2人の心を強く結びつけるんだね!

そんな素敵な花なんだネ!

・・・

・・・

廊下の上から、私の背中から、ラベンダーを見つめる私に
おじいさんがそう言いました。

・・・

・・・

私はその言葉で体が動けなくなってしまいました。


動けません!


ラベンダーの花を見つめたまま、動けません。
ラベンダーの香りに包まれたまま、動けません。
手が、足が、体が止まってしまいました。動けません。

時が止まってしまったかのように動けません。

・・・

その言葉を知っている人!

それを知っている人は、この世に私以外に、ただ一人です。

それは、それは、、、、、、

先生!

目から涙が溢れて、ほうを伝わりラベンダーの花の中にポロポロと
落ちていきます。。。おじいさん! いえ、先生!

・・・

涙でラベンダーの花が潤んで見えなくなってしまいます。

先生! 

おじいさんが先生!

私の命より大切な人! それがこのおじいさん!

おじいさんが先生なんだ! 先生なんだ!


やっと、やっと出会うことが出来ました。
おじいさん! いえ先生!
私が大好きな先生!
先生にどんなことをしても会いたかった!
死んでもいいからもう一度会いたかった。
その先生が、今、私の後にいる!

でもなぜ?
何故、老人になってしまったかのか分かりません。
学校でもそうでした。
あの時の先生は、花火の夜店でラベンダー交換を知る前の先生だった。
でも先生に間違いなかった。

今だってそう、

私か、おじいさんのどちらかが、今、時を超えてる!

何故か分かんないけど、
変なことが今私に起こっている!


私の後ろに居るのはあの時の優しい男の人、先生、おじいさん。
年齢なんて関係ありません。
先生だったら私はそれだけでいい。
私が命懸けで愛する人だもん!

あ~ 神様! 
私の命懸けの願いを聞いてくださったんですね。
有難うございます。私は幸せです。

先生! 会いたかったです。
どんなに会いたかったか知れません!


ゆっくりと振り向きます。

涙で潤んで先生が見えません。
それでも、ピンクのハンカチでしっかりと涙をふき取って
先生を見つめます。
そこには、おじいさんの姿の先生が立っています。


おじいさんが私を見つめています。
優しいその顔が涙で濡れています。

あ~先生! 先生が私の目の前に居る!

あなたは私が死ぬほど大好きな人なんです!
ず~っと会いたくて死んでもいいから会いたかった人です!
私の命と交換で神様にお願いしたんです。

どうしても会いたいって!

今、やっと会うことが出来た!
神様が私の命がけの願いを聞いて下さった。


あ~ もう私を離さないで、、、先生! 


私は我慢が出来ず、
先生にすっごい勢いで走って行き廊下に一気に飛び上がって
おじいさんに抱きついてしまいました。先生にです。
足の悪い先生は、よろけて、私の勢いで倒れてしまいました。
先生と私は廊下に重なって横倒しになりました。
私が上でおじいさんが下です。


先生!

もう離れない!

会いたかった! どうしても先生に会いたかった!
私を抱っこしてください。
思いっ切り抱っこして、その胸の中に入れてください。
息が出来ない程、強く抱きしめてください!
先生の温もりを感じさせてください! お願いします。
私は声を出して、わ~んわ~んと泣きました。
もうどこにも行かないで。
私を1人にしないで!


いつまでもず~っとこのままでいてください。
先生は私よりはるかに年上の老人でした。
でもそんなことは私にとって全く関係ありません。
ここに居るのは先生です。間違いありません。
もう離さない!
どこにも行かせない!
先生は私だけのものなんです。
私の全ては先生のものなんです。
だから、
ず~っとこのままでいてください!


それまでの私の人生で一番大胆な行動をしました。
自分でも信じられません。
私は先生の口に口を重ねました。キスしました。
先生の口を吸って吸って、それでも飽き足らず舌を絡ませました。
先生の全てを吸い尽くしたかったのです。
先生にも私を吸い尽くしてもらいたかったのです。
私の唾液が先生の体内に大量に入っていきました。
私の体の液が先生の口からその体の中に注ぎ込まれました。。。。
あ~、、、、 幸せでした。


私はすごい激しかったです。
先生の胸や首筋までも私の方からペロペロと舐め尽くしました。
それだけではありません、先生の和服の襟を大きく広げて
胸を、肩を、覗いている皮膚は全てペロペロしました。
先生の全てを私の体内に入れようと必死でした。。。
もう離れない!
もう離さない!
私のそれまでの人生でそんなことをするのは初めてのことでした。


私はそれまで、そっちの関係は全く知らない、うぶな少女でした。
そんなことするのは初めてでした。

ですが、抑えられないのです。
全身が先生を求めていました。先生だもん!
先生の体からラベンダーの香りが漂ってきました。。。
あ~先生! 時を超えてラベンダーの香りが2人の愛を繋ぐ、、、
先生が教えてくれた通りだった、、、、、
私の全てを先生の物にして欲しい!そう思いました。

これが先生なんだ!


私は言いました。

先生! 
私のお腹を責めてください!
お願いします。
先生の好きなようにして下さい。お願いします。
私の身も心も全て先生の物です。ず~っとそうなんです。
先生以外には渡しません!
先生だけの私なんです。先生出ないとダメなんです。
お願いします。
私の内臓を腸を思いっ切り責めて、
私の全てを感じてください!


お腹だけではありません。
私の肉体は全て先生だけのものです。
好きなように、先生が望むようにして下さい。
私は未熟だからHの経験はありません。
仕方もよく分かりません。
だから先生がいいようにして下さい。
お願いです。
先生の温もりを下さい。
先生に全身を舐め尽くされたいと思いました。
女にして欲しい! 先生に!
それをず~っと夢見て来たのです。
汗がにじんだ体の上半身の制服を脱ごうとしました。


先生の両手が私の腕にかかってそれを止めます。

先生は両手で私の体を起こして言います。
ず~っと君を愛して来たよ!
片時だって忘れたことはない! 本当だ!

そこに掛けている絵は全て君を想って描いたものばかりだ!
君への愛を私なりに絵に表現してきたんだ。
全ての絵に君の愛を吐き出して来たんだ!

あの時の授業で君が描いたラベンダーの花火のように!
私はあの絵によって目覚めたんだよ!遠い昔にね!
口では生徒に言っていた。知ったかぶりをしてね。
でもあの時、
絵に愛を吹き込むことが本当に出来るってことを教えられたんだよ。
君の絵を見てショックだったんだよ!
恥ずかしかった!教師としてね!


ここに咲いてるラベンダーは、あの花火の夜店で君と交換したものだよ。
ここにあるもの全てそうだ!
大切に今まで育てて来たよ。君だと思って!
だってこのラベンダーは君の物なんだからね!
君との約束だ! 君と私との2人の約束だもんな!

でも!今の私は老人なんだ!
君が君に間違いないことも良く分かってる。
でも、君は高校生なんだよ!


高校生の君と老人の私が、こんなことをするのはいけない!
いけないんだよ! 間違っているんだよ! してはいけない!
許されないことなんだよ!


でも先生!
私は先生から大切なことを教えてもらいました。
それは、
時を超える強い愛です。

先生! 愛に、年齢なんて関係あるのですか?
私は先生を愛しています。そして、
わたしは先生に愛されたいんです!
抱っこされたい! 
それが私の心からの願いなんです。


お願いします。私の体を抱っこしてください。
先生の物にしてください。お願いです。
私の心も体も先生のためだけにあるんです。
先生に分かってもらいたいんです。。この私の愛を!

先生は言いましたよね!
あの美術の時間に私の絵を見て言いました。


現在、過去、未来、どの時をも超える2人の深い愛情を強く感じるって!

そんな先生の愛で私を包んでください。
それとも、そんな愛は存在しないのですか?

そうではないよ、その深い愛を絵に描き続けてきたのが私の
人生だからね。
そして、その愛は全て君に寄せるものだった!


だったら先生!
お願いします。私をその愛で包み込んでください!
私は先生のためだったら死んでもいい!
先生のためだったら命なん惜しくない!
本当です! わかって下さい先生!
先生を死ぬほど愛しているんです。

・・・ 先生を見つめます!

・・・ 先生!

先生のその両手で首を絞めて私を殺してください!
いくら苦しくても我慢できます。
先生に殺されるなら私は幸せです!
この命、先生だけのもに、、、、して下さい。

・・・ 

やって下さい。

・・・ 

先生は、ぐーーっと起き上がり私の体の両肩に手を当てて
私を強力な力で押さえつけました。


強力な男の力でした。
私は全く身動きのつかないまま全身の力を抜いていきます。


殺してください!
その手で私の首を絞め続けてください!
どんなに私が苦しみもがいても決して緩めないでください!
この愛の苦しみと比較すると、そんな苦しみは、なんでもありません!
もう私を楽にして下さい。
先生のその両手でこの苦しみから解放してください。
お願い! 締めて!

私はゆっくりと涙の目を閉じていきました。
あ~ 先生! 
これで私は先生だけのものになれる。嬉しい!



・・・ 

ああああ、、、、、、、なんと残酷なことなんだ!

年老いた私の前に、まるで天使の姿で舞い降りて来た少女。

全てがキラキラと輝いてまぶし過ぎて目がくらんで見える。

私が死ぬほど愛し、探し続けて求めて来た君が目の前にいる。
少女の姿で、清純で、うぶで、汚れなき肉体で、
体からは若葉の匂いを発しながら私に迫ってくる。
その少女が、命懸けで私を探し求め、その愛で迫ってくる。
その若い命をも差し出すという、この少女、あの時の君が
今、私の前に目を閉じて横たわり私の自由になろうとしている。


あ~ 神よ!

あなたはそこで私のどんな行動を見ようとしているのですか?
私の肉体は年老いて見えても、この子に限っては無関係です。
男として今誰よりも負けない程に興奮し力強く岩のようです。


神よ!お願いします。

私から理性の2文字を抜いてください。
彼女もそれを望んでいるのです。
そのために命を懸けているのです。 
そのために時を超えて私の元へやってきたのです。
これ以上我慢させないでください!
この、淡く純粋で真っ白な柔肌に私をむさぼりつかせてください。


あ~ 残酷すぎる! もう我慢が出来ない!

私は少女の首筋に口を付けて、
なぞるように真っ白な肌に舌を走らせていきます。
君が居る!
あ~ この髪の匂い、肌の味! 汗の匂い、君の体の匂い、、、、、、
ず~っと、君だけを探し求め、愛し続けて来たんだ!
制服から覗いた胸の肌を舐めます。
清潔で新鮮で君特有の香りが脳に刻まれた多くの思いを
呼び起こして行きます。
君の全てを吸い尽くしたい!
優しく柔らかい肌の奥から君だけの匂いが味が口の中に広がっていきます。


体を引き寄せて、薫るうなじに口を当てます。
涙がど~っと流れて彼女の首筋を濡らします。

私は心の中で思いました。

あ~ 君と一体になりたい。。。。。!

彼女の体がまるで燃えているようです。
私は、私は、、、、君を愛しているよ!
私だって君に負けないくらい君を愛している。
君のためなら命だって惜しくはない!


でも、
君の心を傷付けたくないんだ! それだけは死んでも出来ない!
分かってほしい!

順番が違うんだ!

時の順番が違ってるんだ!

もうこれで十分だよ! 君をいっぱい感じることが出来たよ!

・・・

???


先生は何も言わずその場で起き上がって、
少し歩き廊下から降りて不自由な足を杖で支えて
ラベンダー畑の方に歩いて行きました。

どうしたっていうの? 、、、、先生!
どこへ行くの?

先生の後を追っていきます。

今度は私が廊下から先生の背中を見下ろしています。


私は言いました。

私が女子高生だからーーーー?
女子高生なんて子どもだから相手にならないのーーーー?
幼過ぎだからダメなのーーーー?
私の愛が真実ではないと思っているのーーーーー?
先生は私のことが好きでないのーーーーー?
私のこと愛していないのーーーーー?
歳をとったら愛は消えてしまうのーーーーーー?
時を超える愛は存在しないのーーーーー?
なぜ途中でやめるのーーーーーーーーーーーー?


なぜ私を自分のものにしないのーーーーーーーーーーーお?



先生ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!


先生の、、、
嘘つき――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!


先生なんて、、、
大嫌い――――――――――――――――――――――――――ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!


私は廊下にへたばって、わ~ん、わ~ん、と大声で涙をいっぱい出して泣きました。


先生も泣いていることはよく分かっていました。


私には全て分かっていました。
先生の心の中が分かっていたのです。
先生は苦しんでいた! 
耐えられない程の苦しみの中で私の愛を壊さないようにしてくれたんだ!
先生のものが私に触れた時、先生は強い男だった!
強烈に興奮していた! 
私を女として見てくれたわ!
女子高生だからではない! 
私の愛を先生なりに精一杯受け止めてくれたんだ。
そして先生は苦しみながらも私との純愛を貫いてくれた。
私は先生と一体になりたかった。
でもそのことで先生に耐えられない程の苦しみを与えてしまった。


先生! ありがとう! 
先生はいつも私に気づかってくれる優しい人です。

ゆっくりと廊下の床を起き上がります。

涙がこぼれて来て、
廊下の板に涙が模様を作っていきました。
私が命懸けで愛した先生と一体にはなれませんでしたが、
先生は私の体を強く抱っこしてくれました。

体の首やうなじや胸の一部もペロペロしてくれました。
深く吸い付いてくれました。
私の体の養分が肌から先生の体に注がれたかもしれません。
嬉しいです。


肉体関係よりもはるかに強い愛がそこにはありました。
時を超える愛!
先生はその愛で私を優しく包んでくれました。
私は先生の温もりを感じました。
その温もりは不変の物でした。

先生! ありがとうございます。
今はもうこれ以上は望みません!
先生の心を傷つけたくありません!
先生をこれ以上苦しめたくありません。

もう1度だけ、もう1度でいいです。
先生の顔を見せてください。
私にあの時の笑顔を見せてください。お願いします。


私は、涙の先のラベンダー畑を見ました。


え!

え、え、え、えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーえ!

先生が居る!

先生が若返ったーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ!

なんで? 

なんでだーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ!?

分かるはずないか、、、、、理由なんてどうでもいい、、

先生に間違いない! 
後ろ姿だけど先生を見間違えるなんてことは絶対にない!


先生!

私は、全速力で廊下をジャンプして裸足のままで
先生に向かってダッシュで走りました。
もう絶対に離さない!
死んでも離さない!


ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ、、、、、ダ!

ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!

ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーア!

イテーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーエ!


私は力いっぱい先生に抱きつきました!

そのあまりの勢いで2人はラベンダー畑に一緒に吹っ飛んで
重なり合って倒れていきました。

私は先生に馬乗りになって、両こぶしでその胸を何度も何度も叩いて
大きな声で、わ~ん、わ~ん、と泣きました。

なんで最初っからこの姿で現れないの! わ~ん、わ~ん

バカ! バカ! バカ! バカ! バカ! バーーーーーカ! 

わ~ん、わ~ん わ~ん、わ~ん

なんで、おじいさん先生を苦しめるんだーーーーーーーーあ!

おじいさん先生を泣かすんじゃなーーーーーーーーーい!

ドン! ドン! どん! どん! 胸を思いっ切り叩きました。

わ~ん、わ~ん わ~ん、わ~ん 涙が溢れて来ます!

いてーーえ! イテーーーエ! 止めろーーーーお! 

何だお前は? 

ドン! ドン! 叩きます。 わ~ん、わ~ん 泣きます。


先生は目を大きく見開いて私を見つめて何かを言おうとしましたが、
私はその口に口を重ねて先生に吸い付いて放しませんでした。
先生の全てを吸い尽くしたかったのです。
私を吸い尽くしてもらいたかったのです。
濃厚な唾液を先生の口の中に無理やり注ぎ込みました。
おじいさん先生の2倍以上です。


私は両手で先生の頭を抱え込み、死んでも離れないつもりで
先生を吸い尽くします。
先生の目玉がキョロキョロ動いていますが、絶体に放しません。
放すとどこかへ行ってしまう!
だから離さないのです。。。

もう離さない! どんなことがあっても離さない!
先生は苦しそうに離れようともがきましたが、
それでも絶対に放しません。
私の唾液が先生の口の中でいっぱいに溢れて、
先生はゴクゴクと無理やり飲みました。


うふふふふっ、、、、私の体の一部です。先生!
もっと、もっと飲んでもらいます。 
私の味を感じろーーーーーーーーーーお!



先生はすっごい力で私の体を起こしてラベンダー畑を両手で
這うようにして逃げていきます。

その足をしっかりと掴んで放しません。
先生はラベンダー畑に転がって
それに私が覆いかぶさり、先生の顔を全~部、舌でペロペロと舐めました。
おじいさん先生の敵討ちです。
絶体に逃がすことなんて出来ません。


初めっから若い姿で現れろーーーーーーーーーーーーーお!

あれーーーーーーーーーーーーーーえ!

すばしっこい先生だ! またどこかに隠れちゃった!

どこに隠れちゃったの?

あ! あそこに、ちょびっとだけ見えてる!

あれで隠れてるつもりなんだ! ウッヒッヒッ!

知らないふりして近づいていき、 えーーーーーーーーーーい!


思いっ切りジャンプして腰を曲げて隠れている先生を目掛けて
広がったスカートのままお尻から先生の頭に着地しました。

どーーーーん! ぎゃーーーーーーーーーーーあ!

イテーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーエ!


先生を上から押さえつけて、お鼻をペロペロしました。
先生が、わーーーーーーっ!と 言いながら私を振り切って逃げていきます。

なんと元気のいい先生だ!

捕まえても捕まえても逃げていく!

必死で追いついて、先生の体に飛びついていきます。

絶体に逃がさない! 放してたまるもんか~あ~!、、、、
やっと出会えた先生を絶対に離さないわ!
ラベンダー畑の色んな通路を先生を追いかけて走ります。


まてーーーーーーーーーーーえ!

もう、逃がさないーーーーーーーーーーーーーーい!

広いラベンダー畑いっぱいに先生と私はまるで鬼ごっこのように
走ります。

体から汗が流れます!
心臓が飛び出すほど鼓動が激しく打ちます。
それでも、先生を追いかけます。


初めっからその姿で現れないのが悪いんだーーーーーーあ!


絶体に逃がさないーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!
死んでも捕まえるーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーう!
どこにも行かせないーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!
先生は私だけのものーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーお!
私は先生だけのものーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーお!
だから絶対に捕まえるーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーう!


思いっ切り走ってジャンプして、ついに先生を捕まえました。

息が切れます。 先生もです。


ハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハア!


私は上から先生の体にしっかりと抱きつき放しません。

何かお互いに声を出して話そうとするのですが、
息が切れて汗だくで声が出ません。心臓が破裂寸前です。


互いに顔を見合っています。


ハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハア!
ハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハア!

ラベンダー畑の真ん中でラベンダーの香りが2人を包み込んでいます。


やっと捕まえた!


先生が目を大きく開いたまま、下から私を見つめています。
私もその顔をじ~っと、上から見つめます。

先生の激しい息が私の髪をなびかせます。
顔と顔はすぐ近くです。

私は先生をじ~っと見つめています。
先生の目が大きく開いて私を見つめています。

二人の息が交わります。
互いの鼓動が伝わります。


あ~ 先生!


私の目から涙が溢れて来て、大きな大きな滴となって私の両目から
先生の両目に同時にポトリと落ちていきました。



ハッ!

気が付くと、学校の医務室のベットの上でした。

美術の時間に私が気を失って倒れたとのことでした。

きっと毎日の勉強で疲れていたのだと思いました。

母の言葉を思い出します。
そこまで勉強しなくてもいいのよ!
あなたが元気で居てくれたらそれだけでいいんだからね!
体を大切にしないと、、、、わかったわね!

あ~ お母さん! ごめんなさい!
心配かけないようにします。

ベットから起き上がりました。


あれ?

なんで私の制服がこんなに泥まみれなの?
手にも泥がいっぱいついています。
それに汗だらけの制服からラベンダーの香りが漂ってきます。

何なの? これ?

分かりません! 
考えて分からないことはそれ以上考えませんでした。


か~えろっと!

夢と幻想の森