(前回ストーリー)森での出来事 転校生(6)戦乱

まさか、まさか、、、、、
こ、ここに居るのは、お、お市の方様!

・・・

えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーえ!
お、俺は、、、、
本物のお市の方様を戦国時代から、この現代に連れて来たってのか~!

・・・

本物のお市の方様!

・・・

ムシ子、いや、お市の方様は
その場に立ち上がり坂を登って行きました。
俺も直ぐにその後を追いかけます。

お市の方様は足を止めて橋の上の自動車を指さして言いました。

缶コーヒー、
あの動いているものは何じゃ?
わらわはあのような物を今まで見たことがないぞ!

・・・

うっ わーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ!
ど~したらいいんだ~~~~~~~~~!

—————————–(前回 ↑ )———————–

腹パンチにうずくまる女の姿 碧しの編


・・・

お方様は、
橋の上を走る自動車を見て、
わらわは 今まで、あのような物を見たことがないぞ!
あれは、なんじゃ、、、?

そ~言ったかと思うと、体から力が抜けていき、その場に倒れかけました。

あああああああああああああああああ、、、、、お方様~

俺はお方様の体をしっかりと両腕で支えました。

・・・

お方様ーーーーーーーーーーあ! 大丈夫ですか? しっかりしてくだされ!
お方様ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ!

・・・

缶コーヒー、
何故か、はらわたが痛む、、、、、お方様の顔が激痛に歪んで耐えています。

え~ はらわた~? (はらわたって、ひょっとして内臓のこと~?)

腹の中の物じゃ、
痛む!

ううううううう、、、、、、、、、うううう~

く、くっ、、、、、、、、く、、、く~

・・・

そ~いえば初め気が付いた時、お方様は両手で腹を押さえられていた。

・・・

きっと先ほどの自転車と岩の激突で腹を強打したのかもしれない。
腹を打って内臓を痛められたのかもしれない?

うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーう!

はらわたが痛む、、、、、、、、、、、、ううううううううううううううううう、、

ううううううううう、、、、、、、痛い!

うううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう

どうしたらいいんだ? 
ハンドルの握りの先か? サドルの部分か? もっと尖った金属の部分か。。。
自転車の硬い部分が、お方様の腹を突き込んだに違いない!

ど~しよう? 救急車を呼ぶべきなのか?

・・・

缶コーヒー、
頼みがある! そなたの手で わらわの 
はらわたを摩るのじゃ、
はらわたを揉むのじゃ、
早よう! 

・・・

え、えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーえ!

・・・

はらわたを摩るーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーう!
はらわたを揉むーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーう!

・・・

俺は、その言葉の響きに ゾクッ!としました。

はらわたを摩る
はらわたを揉む

一瞬、ムシ子と村で過ごした月明かりの下でのことを思い出していました。
あの時俺はムシ子の内臓に触れて、その感触で行きそうになったのです。
ここに居るのはムシ子。

いやいやムシ子であってムシ子ではない!
戦国時代の身分のお高い歴史上の美女、それも、お市の方様なのです。

・・・

お方様!
私のような者がお方様の体に触れることなど、とんでもありませぬ。
恐れ多くもそのようなこと出来ませぬ。

よい! 

早ようせ~!

・・・

・・・

お方様は、目を閉じて痛みに耐えています。表情が歪んでいます。
あ~~~~~ぁ、、、 なんてエロチックな表情なんだ!
こんな表情、俺は生まれて初めて見た! 
刺激が強すぎる。。。
強烈すぎる!

この美しい人の内臓を揉むなんて、考えただけでゾクゾクして気が遠くなりそうだ。。。。
俺の人格、変わるかもしれない。。。

・・・

・・・

何をしておるのじゃ!
缶コーヒー、
そなた、わらわの護衛役ぞ!
わらわの申すことが聞けぬと申すか! 早よ~せ~!

・・・ はらわた ど~しよう、、、

でも、本当にそんなことしていいの~?
俺は内臓フェチのかなりの多分変態なんです。お方様! 本当にいいんですか?
(心の中でそ~思いました。)

痛む!

はらわたが、、、、痛む、、、、、、、ううううううううううううううううう、、く~う、、、

早よ~!

ハ、ハーーーーーーーーーーーーーーーあ! 

で、では失礼いたします。

でもやっぱ、本当にそんなことしていいのかな~?
相手は本物のお市の方様だ!
俺的にはスッゴイいいんだけど、
後で打ち首とか、切腹とか、磔とか、馬で引き回しとか、、、
ないか、あるわけないか! 
ここは戦国時代じゃないもんな。。。。

よし、

俺は後ろポケットからハンカチを取り出し両手の汚れをしっかりとふき取り
お方様の体を引き寄せ抱き支えるようにして、
恐れ多くも崇高なお市の方様の腹部へ恐る恐る右手を伸ばしました。

・・・

ううううううううう、、、、、、、、、早よう!

ハッ!

俺の右手の平がお方様の上腹部へ触れました。

ゾクッ! 生肌です。

あ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~あ、、、、これって、、、

・・・

なんて温かい柔らかいしっとりとした腹なんだろう。。。。。。
これがお市の方様の腹の感触なのか。。。。信じられない!
まるで夢を見ているようだ。

何をしておる。 摩るのじゃ!

ハッ!

俺は手の平でお方様の鳩尾辺りをゆっくりと摩りました。
俺って今、すっごいとんでもないことをしてるんと違う。。。。
だって、お市の方様の生腹に触れてんだよな~
腹を摩ってんだよな~

柔らかい肌の温もりが手の平に伝わってきます。あ~ 
谷間のような鳩尾の部分は落ち込んでしっとりと湿っぽい肌です。

お方様が言います。
缶コーヒー、
そこではない、
もっと下の方を摩ってくれ。
このおかしな衣をゆるめて、もっと下の方を摩るのじゃ!

・・・

ううううううううう、、、、、、、、、早よう!

・・・

えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーえ!

下の方って、、、まさか、、、、

・・・

下腹をーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーお!
そんなところ触っていいの~~~~~~~~~~~お!

・・・

下の方の はらわたが痛むのじゃ、
やれと申しておるに!

・・・

下の方の はらわた~ チョ、チョット その言葉の響きは、
あまりにも強烈で、脳細胞が刺激されて、
めまいがしそう。。。。

下の方の はらわた! 

・・・

こんな展開が待ってたなんて。生きていてよかった~
下の方の はらわたって、つまり小腸じゃん。。。。
そっか、自転車のどこかが小腸の中に突き込まれたってことか。
想像しただけで興奮して来ます。

・・・

ううううううううう、、、、、、、、、はらわたが痛む、、、、早よう!

早ようせ~

ハッ!

俺は、制服のスカートのホックを外し、ゆとりの出来た衣服から
手を下腹に移動させました。

・・・

あ~ 信じられない。。。。。
この感触、、、、
下腹はぷっくらと弾力があり、なんとも表現できない魅力的な感触でした。
俺は、その弾力のある下腹を手の平でゆっくりと摩りました。

・・・

あーーーーーーーーーーーーあ! ダメだ! 興奮していく。。。。ヤバーーーー!

・・・

腹パンチ内臓危険な遊戯

・・・

絶対に抑えないとダメだ! でもこんな状況で我慢するなんて。。
めちゃ厳しい状況です。絶対無理!
やっぱし俺ってスケベのHで変態かもしれない。
ムシ子の言う通りだ。

あ~ 考えまいとしても、
ど~してもその腹の奥にある内臓を想像してしまうのです。
この肌の直ぐ下に俺がよく想像している内臓がある。。。あ~
俺のあそこ、かなりきてる!

缶コーヒー、

ハッ!

その腹の中の、はらわたが痛むのじゃ!
腹の中に手を押し込んで、はらわたを揉むのじゃ!

え、え~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~え!

・・・ 嘘~~~~~~~~~~お、、、、本気で言ってるの~

手を押し込んで、はらわたを揉むーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーう!

嘘! うそ! ウソ!

嘘だーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ!

・・・ 信じられない!

強烈な言葉です。
言葉だけでも、ゾクッ!として目まいがして、狂いそうなのに、

本当に、そんなことしたら俺、自分がど~なるのか分かんない。。。

・・・ 

うううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
痛む!

早ようせ~

目を閉じて痛みに耐えているお方様の顔が強烈すぎます。
あ~ 悩ましい、、、! 
エロチックで魅惑的で男の性欲を限りなくそそる顔です。
戦国時代にお市様に向かって悩ましいなんて口にすれば、間違いなく打ち首です。

・・・ 

・・・ 

缶コーヒー、なにをしておる、
ちゅうちょすることはない。
警護役を勤めると思えばよいのじゃ。
わらわが許すと申しておるのじゃ。
ためらうでない。

う~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~う、、、
、、、、、、、、痛む!

・・・

腹の中に手を押し込むのじゃ、はらわたを揉むのじゃ!

ハッ!

お市の方様の はらわた。。。。。はらわた、はらわた、、、あ~

まだ信じられない! こんな夢みたいなシチュエーション!
神様が恵んでくれたグッドチャンス!

よし、やろう!

俺はその弾力のあるぷっくらとしたお方様の下腹に何本かの指を合わせて
その奥へ向けて、

ギューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッと、押し込みました。

指が下腹の弾力を振り切って腹に沈み込んで行きます。。。。

グジュグジュグジュ~~~~~~~~~~~~~ウ、、、、、

微かに腹の特有の音がして、指先が腸を捕らえました。
ぬる~っとした物体がそこにあるのが分かります。ぬるぬる~っ、、、

・・・ 

うわ~ これを揉めって言うのか~ この刺激ってなに、、、、
強烈な興奮が込み上げてきます。。。。

あ~ この状態で、興奮するなと言っても絶対に無理!

でもやらないと。

・・・ 

指先をゆっくり動かします。

くちゅ、ぬる~ 腸の感触がもろに指先に伝わってきます。

ぁ、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、 (お市の方様の吐息が伝わります。)

、、、、、、、、ぁ~ 気持ちがいいぞ、、、、

・・・

この子のお腹を殴った

・・・

もっと他の場所もやるのじゃ!

ハッ!

俺は、お方様の言われるまま下腹の色んな場所を指で押し込んで行きました。
その度に、お方様の腹部が指の力で大きく深く陥没していきます。
その中にはぎっしりと詰まった腸があり、場所によって
その感触は違っていました。
柔らかめの物や、しっかりとした硬めの物や、丸っこい物や、連なっている物の
感触がもろに指先に感じられます。
それらの腸を全て指先で揉んでいきました。。。腸に触れている~

あ~ 俺、もう絶対に戻れない。。。。この感触から2度と抜け出すことは出来ない。

・・・ ぬる~ くちゅ~ 

缶コーヒー、
そなたの手で、わらわの はらわたを掴んで揉んでくれ!

・・・

えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーえ!

はらわたを掴んで揉むーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーう!

う、嘘だろうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーう!

掴んで揉むなんて、夢の中でしか想像したことなかったのに、、、、
想像の中ですらもだえまくるのに、

そんなこと、実際にやっちゃったら、
お、俺、絶対に、、、、、、、ヤバい! 俺用の救急車がいる~

・・・

この展開ってど~なっていくんだ~
俺は、
歴史上の美女お市の方様のはらわたを掴んで揉んだ歴史上の人物になるのか。

早よう!

早よ~せ~!

ハッ!

俺は、お市の方様の警護役だ、お方様が痛がっているのをお助けするのは
俺の大切な使命、勤めなんだ。。。。

・・・

お方様!
それでは、これより更に深く強くはらわたを掴んでお揉み致します。
では、ご無礼を、、、、

・・・

ぐちゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ!

ぐちゅぐちゅぐちゅ、、、、、ぬるぬる、、、、ぬる~~~~~~~う じゅる、、、、


・・・
、、、、、、、、ぁ、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、 

じゅる、じゅる、、、ぬるぬる、、、、ぬる~~~~~~~う ぐちゅぐちゅぐちゅあぐちゃじゅる、、、、

、、、、、、、、、ぁ、、、、、、、、、、、、、、あ~、、、、、、 

・・・

もっと大きく混ぜるのじゃ、、、、、、

えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーえ!

この状態で混ぜるーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーう!

更に大きく混ぜるーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーう!

お方様!
俺、腹フェチの内臓フェチなんです。
それも極度の変態なんです。

これ以上って、そんなことすると俺は、俺は、、、行ってしまう。。。
一体ど~すればいいんだ。。。。。?

何をしておる! 早よ~

ハッ!

・・・

では、

ぐちゅぐちゅぐちゅ、、、、、じゅる、じゅる、、、ぬるぬる、、、、
ぬる~~~~~~~う ぐちゅぐちゅぐちゅあぐちゃじゅる、、、、
、、ぬるぬる、、、、ぬる~~~~~~~う じゅる、、、、ぐちゅぐちゅぐちゅ、、、

ぁ~、、、、、、、、、ぁ、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、 ぁ
、、、ぁ、、、、、、、、、、、あ~、、、、、、、、、 ぁ~~~

お市の方様のはらわたが腹の中で大移動して、その全ての腸の動きが手に伝わってきます。
ぐねっぽい物体が柔らかい肌の奥で這いまくります。
あ~ めまいがする。。。。
その感触は俺の脳に突き刺さり絶対に一生絶対に忘れられないと確信しました。

・・・

鳩尾の底

・・・

あ~~~~~~~~ 俺、もう狂いそう、、、あ~!

もっと強くはらわたを掴むのじゃ。

えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーえ! 
もっと強くですって~~~~~~~~~~~~~~え!

・・・

これ以上強くすると腸がちぎれてしまう~

早よお~

は、はーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ!

俺は、手の中の腸の塊をこん身の力で握り込みました。

ぐちゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ!

あっ! つぶれた!

ぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~あぁ~、、、、
いい、、、、、、、、、、、、い~、、、、、

・・・

はらわたを全て握りつぶすのじゃ!

え、え、えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーえ!

はたわたを全て握りつぶす~!

で、ですが、そんなことをすれば、、、、、、、、

よい! 早~う!

ハッ!

ぶちゅ! ぐちゃ! じゅる、じゅる、、、ぬちゅ!
ぬるぬる、、、、ぐちゅぐちゅぐちゅ、、、、、ぶちゅ! ぷちゅ!
ぐちゅぐちゅぐちゅあぐちゃじゅる、、、、ぬる~~~~~~~う 
、、ぬるぬる、、、、ぬる~~~~~~~う じゅる、、、、

掴んだ腸がぬるぬる~っと手の中から逃げていきますが、
それをしっかりとつかんで握りつぶします。
更に別の腸を掴み、握りつぶします。。。。。。あ~ この感触、、、、たまらない、、、

・・・

ぁ~、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、 ぁ
ぁ~~~~~、、、ぁ、、、、、、、、、、、あ~、、、、、、、、、 

・・・

ダメダーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーア!
もう、もう持たない!

・・・

もう長く持って後10秒が限度だーーーーーーーーーーーあ!
ダメだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ!
行きそう!

・・・

もうよい!
腹は治った! 

・・・

そ~言うと、お方様は、スッ! とその場に立ち上がりました。

・・・

えっ!? 
治っちゃったっの? ホントに?

・・・

なんだかムシ子の性格と似てるんとちがう?
あっけらかんとしてる処。

・・・

缶コーヒー、
これからわらわはど~なるのじゃ?
ここは、わらわが住んでいる時代と違っているな。
きっと未来の世界なんじゃろ。。。
そなたは、何かの事情でわらわの時代に、ここからやって来たんじゃろな?

・・・

戦乱の世で、わらわのために、そなたに随分と危ない目に合わせてしまった。
苦労をかけて、すまぬと思っているぞ!

お方様!
何をおっしゃられますか。
この缶コーヒー、いつどの時代におきましても、お方様の護衛役でございます。
お方様をこの命に代えてお守り申し上げるのが私の役目、使命でございます。
どうか、どうかご安堵なされませ。。。。。

・・・

お方様は、賢い人だ!
驚くほどに頭が切れる! 周囲の状況を一目見ただけで
色んな事を推測し理解してしまう。

ムシ子と全く同じだ!
ここに居らっしゃるのは、まぎれもない、お市の方様だ
だがその中には間違いなくムシ子が居る!
ムシ子のためにも、このお方を俺が命掛けでお守りしなければ!

・・・

お方様!
しばしこの缶コーヒーの話をお聞きくださいますでしょうか?

そ~じゃな、
そなたの話を待っていたぞ、話してみ~
驚きはせね! なんなりと真実を話すのじゃ!

ハッ!

実はお方様は400年以上前の過去の時代からこの時代へやって来られました。
私はこの時代の人間です。

・・・

俺は今までの信じられない経緯をたんたんと話しました。
ですが、それは全てではありません。
お方様の最期などには一切触れませんでした。

・・・

お方様は俺に背を向けて遠くの空を仰いで話を聞いていました。

そして、振り向かず言いました。

缶コーヒー、
この時代に戦乱はあるのか?

ハッ!

お方様の時代の様な戦乱はここにはございません。
ですが、広い世界の中には戦いをしている処も正確にはございます。
ただこの日本においてはございません。
人々は暮らしに苦労はしておりますが、いくらかの幸せを手にしています。
お方様が望まれている夢と喜びは
いくらかは実現していると私は思っております。

そ~か、それは、よかった。

缶コーヒー、
わらわは、そなたに詫びを申さねばならぬ。

え? 詫びを?

そ~じゃ、
わらわが、この時代にやって来たことじゃ。
そなたはムシ子殿を慕おておるじゃろ。
なのに、そのムシ子殿に会うのを、わらわが邪魔をしておる。すまぬ!
じゃがな、いずれわらわは元の時代へ戻るじゃろう。
勝家殿や家臣の元へじゃ。
そなたが、この時代に戻ったようにじゃ、、、
それがいつなのか わらわには分からぬ!

ただ、わらわが元の時代へ戻った時、そなたは必ずムシ子殿に会えるはずじゃ。
それまでの間、今しばらくわらわの護衛役を勤めてくれぬか?

この通りじゃ! 頼む!

そ~言ってお市の方様は俺に振り向き、深々と頭を下げたのです。
下げた顔から涙が草むらに落ちていました。

お方様!
先ほど申し上げた通り、この缶コーヒー、
お方様をこの命に代えてお守り申し上げます。
どうかご安堵なされ。

缶コーヒー、
早速じゃが、
この時代の習わしを わらわに教えてくれぬか。
又、ムシ子殿についてもじゃ。

ハハーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーア!

お方様、私は実のところムシ子については今思うによく知りません。
知り合ったばかりなのです。

ただ、頭は賢くて物覚えは驚くほどに優れています。
勉学をよく好み、知識が豊富で、
洞察力や推測を元に、あらゆる物事を正しく判断できます。
それは、お方様とそっくりでございます。
また性格は明るく愉快で、ただ行動は大胆過ぎていつも驚かされます。
少し言葉が悪いところもありますが、憎めません!
年齢は17歳にもうすぐなります。

・・・

KUNOICHI -忍- 四 隠密忍者 疾風

・・・

ムシ子が言うには、
お方様とムシ子は瓜二つのように姿は似ていると申しておりましたが、
間違いないと思います。

お方様!
もうすぐ日が暮れてまいります。
明るいうちに、ムシ子の家にご案内いたします。
ムシ子には家族がおります。
帰らぬと心配させてしまいます。

そ~じゃな、じゃあ、あないせ~

・・・

え~っと!
カバンの中にムシ子の学生証があるはずだ!
自転車の前にくくりつけたカバンを開きます。

ムシ子のカバン。カバン。
あ~このカバン! 
あの夜、村長の家でこのカバンを境にしてムシ子と俺は
同じ部屋で一夜を過ごしたのでした。
ふとその時のことを思い出していました。
2人での月夜の元でのことも頭に浮かんできました。

ムシ子!

あっ、これだ! ムシ子の学生証!
え~っと住所は~? ここか~ 思ったより近くだな!

・・・

・・・

俺はお方様を自転車の後ろに乗せて、ゆっくりと走らせムシ子の家に向かいました。
俺の体にお方様の手が回ってしっかりとしがみついています。
きっと、あの土手での激突で自然にそ~なってしまうのでしょう。

自転車の後ろのお方様の目には、この時代の物がどのように映っているのでしょう。

・・・

ムシ子と俺が突然に戦国時代に行った時のことを思い出します。
あの時、俺たち2人は大きな衝撃を受けてしまいました。
大きな恐怖で体が震えてしまったのです。

きっと、今のお方様も同じかもしれません。
あの時、ムシ子は驚きながらも細部に至るまでその鋭い洞察力で
色んなものを見ていました。
と言うことは、今、お方様もそ~なのでしょう。

・・・

・・・

ムシ子の家の前にやってきました。

野々村という表札が玄関に掛かっています。

そ~だったんだ。
ムシ子って野々村美沙って名前なんだ!
学生証に本人の写真と名前が書いてあります。
ふ~ん、、知らなかった。

今更のようにそんな自分に呆れてしまいます。
ムシ子の本名を今の今まで知らなかったのです。俺ってバカだ!

・・・ 

自転車を玄関先に置き、
俺は、お市の方様に前もって話をしようとしましたが、
話す前にお方様が言いました。

分かっておる。
わらわは、何も申さぬ!
父上と母上が動揺するのは目に見えておるからな。
そなたから、事の次第を話すのじゃ!
難しいとは思うが、それは今のそなたの役目じゃ!

ハッ!

でも一体ど~説明していいのか俺には分かりませんでした。
どこから話そう、、、、?

・・・ 

ガラガラガラ、、、、、、、、失礼します。

はーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!

エプロン姿の感じのいい女性が奥から出てきました。
ムシ子のお母さんだと直ぐに分かりました。
ムシ子そっくりです。

あら、美沙! お帰りなさい!

遅かったわね! あら、お友達なの!

・・・

・・・

こんにちは、僕は美沙さんのクラスメートの新藤マサキと申します。
あの~ 少し美沙さんの事でお話があるのですが、、、、

・・・

、、、、、、、、、?

・・・

・・・ お母さんは直ぐに何かを察したようです。。。

まあここではなんですから中へお入り下さい。 ど~ぞ、ど~ぞ、、こちらへ

台所のある居間のテーブルにお父さんらしき人が新聞を広げていましたが、
素早く閉じて真面目な顔になりました。
やはり何かを感じているのでしょう。。。。

俺はお父さんにも丁寧にあいさつしました。

さ~あ、、、こんなところですが、ど~ぞ楽にしてお座りください。(母)

・・・

・・・

で、マサキさん!          (父)
美沙についてお話とはなんでしょう?
美沙が何か問題でも起こしましたか? 
美沙がこんなに神妙な顔で何もしゃべらないと言うことは。。。。
あまり良くない内容の話でしょうか?
どんな問題を起こしたのでしょうか?

いえ! いえ!
美沙さんに限って、そんなことは決してありません!

・・・ ?

美沙! ど~したんだ? 何か話しなさい! (父)
そ~言ってお父さんは、お方様の顔を食い入るように見ました。

そのお父さんの目をお方様の瞳が静かに見つめます。

お方様は無言です。
しかし、毅然とした姿勢と態度で向き合っています。
その姿や風格は何かを圧倒するかのような大きなオーラで包まれているかのようです。

ここに居るのは、正真正銘のお市の方様なのです。

・・・

・・・

あのですね、美沙さんは今、ご両親が思われている美沙さんとは違っています。
今の美沙さんの体は美沙さんに間違いないのですが、
中身と言いますか、、人格といいますか、、、、
それは、、400年前からやって来た女性なんです。

・・・

・・・ ?

・・・

・・・ お父さんとお母さんが顔を見合わせます。

・・・

マサキさん!
失礼だが、
君が何を言おうとしているのか我々にはよく分からないのですが、、、、

・・・

これには、長い経緯がありまして、美沙さんと僕は今日学校の帰りに
自転車で転んで400年以上前にタイムスリップしてしまったんです。

・・・ お父さんが何やら怪訝そうな表情になっていきます。

・・・

・・・ 変な空気になっていくのが分かります。。。

・・・

当然のことです。
タイムスリップなんて言葉は小説か映画か、それもSFの世界の作り話です。

いくら俺が真面目に話しても取り合ってくれるはずありません。
俺自身が現状を信じられないのですから。。。
ですが、それは現に起きていて、それを正常な人にど~話して理解してもらったらよいか、
俺はめちゃめちゃ困惑してしまいました。
一体どう説明すればいいんだ。。。?

・・・

ザ・腹パンチ合唱部

・・・

と、その時です。
缶コーヒー、もうよい!
わらわが話す!

・・・

ムシ子殿の父上、母上!
これより、わらわが申すこと、最後までよく聞いて下され!

わらわは、柴田勝家の妻、お市と申すものじゃ。

わらわの姿はそなた達の姫君と瓜二つじゃ、
いや、この体はそなた達の姫君の体じゃ!

じゃが
わらわは、そなた達の姫君ではない。
事の次第は分からぬが、この者の申すには
四百年の時を超え、わらわはこの時代にやって来たと申しておる。

先ずは、この者とそなた達の姫君がわらわの時代にやって来たと申しておる。
わらわの時代で2人に何が起きたのか、その全ては存ぜぬが、
この者が、わらわを前田軍の襲撃から救い、
その折りに、
何故か、わらわがこの時代にやって来たようなのじゃ。
そなた達の姫君は今わらわの体の中に居るようじゃ。

いずれ、わらわがこの時代を去った時、そなた達の元へ姫君は帰るはずじゃ。
じゃが、それが何時なのか、わらわの知る限りではない。

・・・

父上と母上の心中を察すると、わらわの心とてこの上なく痛む。
わらわにも茶々、初、江の3人の姫がおる。
子を持つ親の心中、このお市、だれよりも深く分かっているつもりじゃ。

ただ、わらわの体の中にそなた達の姫君がおるので心配は無用と言うことじゃ。

この話、信じがたい事柄じゃろう。。。
わらわとてそれは同じじゃ。
じゃがな、先を思えば早よ~信じた方が益となろうぞ。
わらわとて真は心が乱れておるのじゃ。
そなた達には、ふびんな思いをさせるかもしれぬが、
しばしの間、わらわをそなた達の姫君としてこの城に置いてはくれぬか。
それが、このお市の切なる願いじゃ!
この通りじゃ!

・・・

そ~言って、ゆっくりと深々と頭を下げました。

・・・

・・・ ムシ子のお父さんとお母さんが顔を見合わせています。

・・・

・・・

分かりました。 お父さんが、一言そ~言いました。

・・・ え? 信じちゃったの~

・・・ 

マサキ君!
君は今夜は、内の2階の美沙の兄の部屋に泊まってくれないだろうか?
美沙の明日の学校もあるしね!
それに今日はこれから大雨だとか天気予報で言ってたからね。
もうすぐ一雨来そうだ。

はい、分かりました! じゃあ家に連絡します。

ところで、美沙さんにお兄さんが居たんですか?
ああ、今は東京の大学院に行っているがね! 
部屋は狭いけど空いてるんだ。
遠慮なく使ってくれ!

・・・

美沙さんのお兄さんのことも知りませんでした。
実は僕と美沙さんはほんの数日前に知り合ったばかりなのです。
実は本名もさっき知ったばかりです。
いつもあだ名で呼んでいました。すみません!

ところで、お方様には、お兄さんが居るのですか? (俺)

お兄さん? それはなんじゃ?

兄(あに)の事です。

兄上のことか。。。

わらわにも兄上はおる。歳は離れておるがな。。。。

織田家の長男で信長と申す。。。。

えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーえ!(俺)

織田信長!

・・・

・・・

・・・

さ~あ 夕食の用意がそろそろ出来ましたよ。
そ~言って、ムシ子のお母さんが立ち上がりました。
美沙の大好きな肉じゃがなんです。
みんなで一緒に食べましょう。。。

食べながら話をしましょう。。。

・・・

そなた、信長を知っているのか?

はい! 有名ですから。
? そ~か、有名なのじゃな。。。
わらわは父織田信秀と母土田の娘じゃ、兄に信長と信行がおる。
実の兄弟で争って殺し合いをする大馬鹿もんぞ!

恥ずべきことじゃ。。。

どれだけの多くの民が苦しんだことか。。。
そなたも見たであろう。。。

それに比べこの時代は良いの~
わらわもこの時代に生まれたかったぞ。。。
この温かい小さな城の中で父上と母上と一緒に暮らせることは
人にとって、この上ない宝じゃ。

・・・

ムシ子のお母さんが料理をテーブルに運んできました。

さあ~ みんなんで食べながらお話しましょう。(母)

俺は、うわ~ 美味しそ~ じゃあ、いただきま~す。
あ~ 久しぶりにまともな食事ができる~

・・・

と、その時、
お方様のお腹から ぐ~ っと大きな音が聞こえました。
お方様は、片手を腹に当てて
キリっとした顔がほころんで少し照れ臭そうな笑みを浮かべました。

あ~ なんて可愛いんだ。 これはムシ子そのものだと思いました。
ご両親も何かを感じ取っていました。

・・・

さ~ 料理が冷めないうちにいただきましょう~ さあ、(母)

俺は勿論、
お父さんもお母さんも肉じゃがをスプ~ンで食べ始めました。

お方様は、しばらくじ~っと皆の食べている様子を見つめていました。
スプーンの使い方を観察している風です。

そして、皆と同じように、テーブルの上に置かれたスプーンをゆっくり手に取り
その裏表をじ~っと眺めて
ゆっくりと肉じゃがをひとすくいして口の中に運びました。

お方様は一口食べて、何かに驚いた様子でしたが、その後は

パクパクパクパク、、、、パクパク、、、、すっごい勢いで食べ続けました。

白いご飯も箸でいっぱい口にほうばって食べました。

・・・

うわ~ スッゴイ食欲。。。。

・・・

ぱくぱくぱくぱく、、、、、、、パクパク、、、、ぱくぱく

・・・
・・・

お父さんが言いました。

美沙~ お前なんだね。

美沙~ しっかり食べるんだぞ! お腹すいてたんだな、、、、
もっと食べたらいい! さあ! 食べなさい。。。

お母さんが、ムシ子を優しく両手で包み込みます。
美沙なんだね。。。。。美沙~ さあ~お代わりしてあげるわ。。。。

お母さんが、ご飯のお代わりをお方様に差し出します。

お方様の肉じゃがの皿はあっという間に空っぽです。
そこへお父さんが自分の肉じゃがをスプーンで移し込みます。

・・・

お市様は、

父上! 母上! かたじけない! 
そ~言って

ぱくぱくぱくぱく、、、、、、、パクパク、、、、ぱくぱく

又、食べ始めました。。。。。

ご飯は山盛り3杯、肉じゃがはお父さんとお母さんの分を
半分以上もらって食べました。すっげ~

・・・

あ~ このような食べ物は初めてじゃ、美味いぞ、
実に満足じゃ! かたじけない。

そ~言って 幸せそうな顔で笑うと、
力が抜けたようにす~っとテーブルの上に頭をつけて眠り込んでしまいました。

すやすやと寝息を立てています。

今までの疲労が一度に出たのでしょう、、、緊張が一度にほぐれたのか
身も心も疲れ切っていたのでしょう。
全身の力が抜け切って安心して深い眠りについて行きました。
無理もありません。
村での出来事、前田軍に命を狙われ、そしてこの見知らぬ時代へやって来た驚き。
それは想像をはるかに絶するものでしょう。。。

・・・

ここに居るのは、戦国時代のお市の方様。

・・・

お母さんが、俺には良くわからないのですが、眠っているお市様を風呂に入れて
時間をかけてキレイに洗っているようでした。

パジャマに着替えさせたお市の方様を
お父さんが背中に背負い2階のムシ子の部屋のベッドまで運びました。

自分の娘の世話を両親がしているかのようでした。
実際に実の娘なのです。

ムシ子はこの両親の愛情の中で育ったのです。

食事の後、俺も風呂に入って
ムシ子のお兄さんの部屋に案内されました。
俺はムシ子のお兄さんのパジャマでベットの上でそれまでの経緯を振り返っていました。
そして、明日からの事を考えていました。

・・・

俺は、お市の方様の護衛役なのです。
どの時代においてもお方様をお守りすると約束しました。
命がけで護衛役を勤めると決心したのです。。。。。

・・・ ムシ子のご両親は居間で長~いこと2人で話している様子でした。

俺は、色んな思いの中で深い眠りに落ちて行きました。。。。。

その夜は凄い雨が降り続き、突風が吹き荒れ稲光で青白く空は輝いたそうです。


——————— ムシ子のご両親の会話 ———————-


母さん!
先ほどの話、ど~思った?

あなたが思ったと同じ事を私も思いましたよ。
あの子は美沙ですよ。

間違いなく美沙です。美沙に間違いありません。

そ~だな!

ですが、お市様にも間違いないですね。
信じられない話ですが、あのお方はお市の方様なんでしょう。

あ~ 私もそ~思うよ。
あの風格といい態度や目の奥に秘めた憂い、言葉使いやその話す内容も
現代の人とはとても思えない。

あのお方は歴史に残るお市の方様です。
と、同時に私がお腹を痛めて生んだ美沙!
あなたと私の愛する大切な美沙に間違いありません。

お風呂で美沙の体を見ました。
背中にある3つの小さなほくろ、子供の頃の火遊びで火傷をした
微かな腕のあざ、うなじの付け根の大小のほくろ
他にもいっぱい、あの子の証がありました。

母さん、
実は私の家系についてなんだがね。
その信ぴょう性については分からない。。。
現代ではそんなものあまり重視しない世の中だし。、、、なので
私自身ど~でもよいと思っていたんだ。
お前とは恋愛結婚だしね、
だから、今まで話さなかったし、私自身も信じていなかったんだ。

だが、
以前に私が子供の頃だったか、
私の祖父から野々村家は千姫の子孫だと聞かされたことがあるんだよ。
その折、家系図を見せられたこともあったんだがね、
不幸にして家の火災で当時の家系図は燃えてしまった。

だが、もしそれが事実だとすれば、
千姫の母は江姫で、江姫はお市の方様と浅田長政との娘なんだ。
つまり、
美沙の血の中にはお市の方様の血が流れているってことになるんだよ。
勿論、事実かどうかなんて私には到底わからない。

今回の出来事が美沙とお市様にどのように関係しているのかは
分からないがね。
だがね、今起きている信じられない出来事は、それらと
全く無関係でもないように思えるんだよ。

そ~だったんですか。。。。。
じゃあ、美沙は自分のルーツを訪ねて400年以上前の時代に旅をし、
そこで、何代前かの母、お市の方様に出会い、何らかの事情で
お市様をこの時代に連れて来られたってことになるんですね。

マサキ君の言ってるタイムスリップっていうやつか!
う~む、、、、、本当にそんなことが実際にあるのだろうか、、、?

・・・

あなた!
こちらへ来てください。 これを、、、、

・・・ ?

う? なにかあるのか?

これですよ、この2人の学生服を見てください。
これから洗濯するのですが、驚きました。これを、、、

おい!
まさか、これは血じゃ~あないだろうな?

・・・ 

手で恐る恐る触ってみます。 はっ!
間違いない! これは血だ! しかも、こんなにいっぱい。
あの二人に一体何があったというのだ?!

あなた、マサキ君の学生服を見てください!
この左肩の部分です。
穴が2つ空いています。

何かが刺さったような穴です。
こ、これは、ま、まさか矢が刺さった穴!

・・・

あっ!
確かさっき、夕食の時に、お市様が言ってたよな。
この者が、わらわを前田軍の襲撃から救った、とかなんとか、、、

マサキ君の言ってることは本当の事なんだよ!
母さん、
今までの話はすべて真実なんだ!
と言うことは、マサキ君は美沙の命の恩人てことになる。

はい、
お市様も言ってましたね。

この話、信じがたい事柄じゃろう。。。
わらわとてそれは同じじゃ。
じゃがな、先を思えば早よ~信じた方が益となろうぞ。

・・・ 

・・・ 二人は顔を見合わせました。

・・・ 

と、その時です。

ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン! という

大きな音と伴に稲光が走って一瞬家が大きく揺れ真っ暗になりました。

あっ! 雷が落ちた!

美沙! 

美沙ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ、、、、

2人は同時に階段を駆け上がって行き、美沙の部屋に飛び込んでいきました。

・・・

美沙ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ!

大丈夫かーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ?

・・・

2人は美沙のベットに駆け寄って父が美沙の体を抱きしめました。

美沙!

薄明りの中で母が美沙の顔を両手で包み込みます。

お父さん、お母さん ど~しちゃったの?
朝ご飯もう出来ちゃったの?
お父さん、卵焼き今日も取っちゃうからね!

うん! うん! いくら取ってもいいぞ! 美沙!

母さん、ほら美沙だよ! 俺たちの可愛い美沙だ!
よかった、よかった、無事でよかった!

さ~ 疲れてるんだろう! 可哀そうに! しっかり眠るんだよ美沙!

安心しなさい、もう大丈夫だ、、、さ~ 休みなさい!

2人は安心して部屋を出ていこうとしました。

・・・

と、その時です。
目を閉じたままベットの美沙が言いました。
お父さん、お母さん、もう少しだけ、お市様をここに居させてあげて。
私は大丈夫だからね。お願い!

あ~ 分かった! 心配するな!
安心してお休み! 
お父さんもお母さんも、美沙の事が大好きだからな!

お父さん、お母さん! ありがとう。

・・・

2人は廊下を挟んで向かいのマサキ君の部屋を少し覗いてみます。

マサキ君の様子も変わりありませんでした。








‐————————- 翌朝

母上が朝ご飯の支度をしています。

飯炊き窯からご飯の蒸せる白い蒸気が上がって、
母上は味噌汁に豆腐と揚げと丸ねぎを切って入れています。

母上、父上の卵焼きをお切り申します。
他の短刀はどこにありますか?

そこの流しの下の扉を開けてみなさい。そ~言って指さしました。

私は母上の様には上手にはいきませんが、
母上の焼いた卵焼きを短刀を使って切り、皿の上に乗せて行きました。

・・・

少しして、
父上が大きな紙を城の門の方から持って部屋へ入ってきました。

・・・

父上、おはようございます。
そ~言って私は深く頭を下げました。

父上は一瞬ビックリした顔をしましたが
直ぐに表情がにこやかになっていきました。

ああ、おはよう美沙! 随分と速いんだね!

はい!
母上の食事の支度を手伝っております。
私は食事の支度をするのは生まれて初めての事です。
今、母上に教えをこうております。

・・・

はっはっはっ、、、そ~か 美沙! 頑張ってよく習いなさい。

はい!

これより美沙は、缶コーヒーを起こしてまいります。

そ~か じゃあ頼むよ美沙!

・・・

・・・

おいおい、、、母さん! 一体、ど~なっているんだ?
美沙はお市の方様じゃないのか?

ええ、、、実は、朝私が起きて食事の用意を始めますと、
直ぐに2階から降りて来ましてね。
自分は母上の姫なので食事の支度を手伝いたいというのですよ。

・・・

この時代の話し方が良く分からないので失礼するかもしれないけど
慣れるまで申し訳ないって。。。。。

・・・

それとですね、
昨日眠っているときに体に大きなショックを受けたらしんです。
その時に、自分の中に居る美沙の記憶をもらったって言っていました。

子供の時からの記憶も、学校での記憶もあるそうなんです。
ただ喋り方がど~しても良く分からないそうです。

そ~か、、、、美沙の記憶があっても長年の喋り方は
そ~簡単には変えれないってことだな。。。
美沙の記憶は、昨日の夜の嵐のせいかもしれないな。。。。
どんな理屈かは分からないが、きっとそうだ!

・・・

それとですね、あの子、私たちの事を愛していると言いました。
あなた、あれは美沙です。

昨日の夜、あの子が言っていましたよね。
お父さん、お母さん、もう少しだけ、お市様をここに居させてあげて!って
私は大丈夫だからね。お願い!って

あなた、あの子の願いをかなえてあげましょう。
そ~だな! 私たちの可愛い娘の願いなんだもんな!
いつもと同じ我が家の普通の生活をしたらいいんだな。

・・・

・・・

缶コーヒー
起きるのじゃ
早う! 

起きよと申しておるに! 早う!

グー、グーー、グーーーーーー、
むにゃむにゃ お方様、はらわたは、これでよろしゅうございますか、、、グー、グー

そなた、何を申しておるのじゃ
起きよと申しておる!

・・・

起きよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーお!

・・・

ドン!

・・・

痛てーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーえ!

痛タタタタタタタタタ! いて~え!

これ! 缶コーヒー
飯の支度が出来ておる!
早う、起きて、下へ参るのじゃ
みなが下で待っておる。
わらわも下で待っておるぞ、直ぐに支度せ~

ハハーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーア!

は~~~~~~?

・・・

え~っと、今俺はど~いう状況なんだっけ?

今のは、お市の方様!
ってことは俺はその護衛役なんだ!
命を掛けてお守りすると決心したお方様だ!

ヤバーーーーーーーーーーア! 直ぐに降りなきゃ!

バタバタバタ、、、ドンドン、、、、バタバタバタ

俺は、一目散で階段を下りて台所の居間に走り込みました。

・・・

すると、3人がテーブルに座っていました。
俺を待っていたようです。
俺は、
おはようございます! とあいさつをして3人の顔を伺いながら
ゆっくりと席に着きました。

・・・ ?

すると直ぐに、お方様が立ち上がり、台所の鍋の味噌汁を
尺ですくってその茶碗を俺の処に持って来てくれました。
そなたは野々村家の客人じゃ。

お母さんが言います。
ありがとう美沙!
じゃあ、みんなで朝ご飯を食べましょう。

・・・

母上、父上、いただきます。

そ~言って手を合わせて、お方様は、
パクパクパクパク、、、ご飯を美味しそうに食べ始めました。

え~~~~~~~~~~~~~~~え? 相変わらず すっげ~食欲!

ムシ子のお父さんが、自分の卵焼きをお方様の皿にす~っと移します。

父上! かたじけない!
そ~言って、お方様は美味しそうに卵焼きをたいらげ、ご飯を3杯食べました。

・・・

その時、俺はお父さんとお母さんから、昨日の嵐の事を聞かされました。
そして、その時に何らかのショックで
お方様の中にムシ子の記憶がよみがえっていることを聞かされました。

ですが、喋り方はまだ慣れないとかで、現に前と同じです。

・・・

マサキ君!
じゃあ、学校での美沙の事をくれぐれも頼んだよ。
君には申し訳ないが、今の美沙を支えて守ってくれるのは君しかいない。
よろしく頼む。

・・・

はい! 分かりました。
僕は、お市の方様の護衛役です。
命を掛けてお守りすると誓いました。やります。

・・・

俺は、食事の後でお市の方様に話をしました。
約束事というか、ルールのような事柄です。

① 出来るだけ喋らないこと。
② 野々村美沙として行動すること。
③ 俺をみんなの前で家来扱いにしないこと。 以上

いよいよ学校に向けて出発です。
一体、ど~なるのか俺に想像もつきません。
なにが俺たち2人を待っているのでしょう?
ただ俺はお方様を命を掛けてお守りするのみ。

俺は野々村美沙(お市の方様)を自転車の後ろに乗せて
学校へ向けてペダルを踏んで行きました。

・・・

腹パンチにうずくまる女の姿 腹責め最凶クラスに挑戦素朴娘

・・・

夢と幻想の森